Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

松下 律 の投稿

アノマリー破り

 先週ぜひ触れようと思っていたのですが、月末安のアノマリーのことを言い忘れたのを放送終了後に思い出しました。


 実際にはようやく月末安のアノマリーが崩れたわけですが、9月月初から二日間も上昇ですから、何か変化が起きたのかなと思わせるような動きとも思えます。


 世界各国でコロナ対策は違っているのですが、大別するとゼロ・コロナを目指す国とウィズ・コロナを目指す国に分かれるようです。


 わが国はどちらなのか、よく分からないところもあるのですが、おそらくはウィズ・コロナを目指しているように見えます。(ゼロ・コロナは現実的でない、ということなのでしょう。)


 ウィズ・コロナの肝はワクチン接種による集団免疫の獲得(完全ではないにしても、医療を守れる程度に)ということになろうかと思います。


 ウィズ・コロナで何とか経済が動くようになれば、コロナ前の経済状態に戻れるということで、株価は金融緩和の分だけコロナ前より高くなった状態を保てる、といった構図が描けるのでしょう。


 日本株の場合、デルタ株への対処がひょっとするとうまく行かないのでは、という懸念から4月から7月にかけてやや不調に陥ったものの、ようやくウィズ・コロナ路線に戻りつつある、という見方でいいのではないかという気がしています。


 とはいえ、いわゆるK字回復の状態は続いていますから、経済ファンダメンタルズと株価との関係を考える際には、なぜこんなに景気がいいのか?ということと、なぜこんなに景気が悪いのか?ということを同時に考えながら相場を見ていく必要がありそうで、なかなかに難しい感じです。


 中国経済は回復に陰りが見えて来ているようですし、米国経済もスローダウンという言葉がこれから増えそうな気配です。


 中国の経済政策が混乱の引き金を引いて、一時的に株式相場がパニック状態になるといった事態も今秋は想定しておく方が無難なような気はします。


今年ここまでの振り返り

 今年ももう8か月が経過したわけですが、いくつかの指標の今年ここまでの騰落を見ておこうと思います。


・日経平均      27444円 ⇒ 28543円 +4.0%


・ジャスダック平均  3719ポイント ⇒ 3992ポイント +7.3%


・マザーズ指数    1196ポイント ⇒ 1120ポイント -6.4%


・DJIA        30606ドル ⇒ 35443ドル +15.8 %


・NASDAQ       12888ポイント ⇒ 15331ポイント +19.0%


・円ドル相場     103円 ⇒ 110円 7%ほど円安


 米国株は豊富な資金流入でバブルまっしぐら、日本株は見劣り、といった図式ですが、ここからの動きを考えますと、日本株が米株を追いかけそうといったようにも思えます。


 割高な米国テック株がどこかで大きく下げる、といったことが起きないとも限りませんので、秋相場はけっこう油断ならない推移を想定しておくべきかと思いますが、日本がウィズ・コロナ状態で落ち着きを取り戻すにつれて、需給が徐々に買いに傾くことが多くなるような気がします。


 引き続き、日々のニュースや発表されるデータに反応しながら進む相場になると思いますが、(いつもそうですが)数か月スパンの変動も意識しておくべきだということを忘れないようにします。


2021年9月3日

証券アナリスト

松下律 

 今週は月火と反発したものの、その後は「ジャクソンホール待ち」となってしまったようです。


 ジャクソンホールで何か新しいことが出て来ると思っている市場参加者は少ないと思いますし、終わってしまえば「何を期待していたのか?あるいは懸念していたのか?」すら忘れてしまうのでしょうが、イベントとしての重みはそれなりにあるということなのでしょう。


騰落の振り返り

 先週は日本ではトヨタ・ショックがありました。(8月19日木曜日後場、株価の反応としては翌20日が当面の安値。)


 トヨタ・ショックで下落した多くの銘柄はまだショック前の株価水準を取り戻していません。単にトヨタの減産という出来事だけでなく、米国経済の回復ペースの鈍化(米製造業のスローダウン)、とか、中国経済と共産党政府の政策への懸念、地政学リスクの高まり、とか、デルタ株の蔓延、とか、いろいろ懸念材料があっての下落だったからでしょう。(それにしては、米ナスダックはノー天気にも史上最高値示現となっていますが。)


 先週金曜日お終値から昨日までの各指数の騰落を振り返ってみます。


・日経平均       27013円 ⇒ 27742円 +2.7%


・日経500        2675ポイント ⇒ 2750ポイント +2.8%


・ジャスダック指数   3841ポイント ⇒ 3934ポイント +2.4%


・マザーズ指数     1034ポイント ⇒ 1095ポイント +5.9%


・DJIA         35120ドル ⇒ 35213ドル +0.3%


・ナスダック指数    14714ポイント ⇒ 14945ポイント +1.6%


・円ドル相場      109円80銭 ⇒ 109円89銭 やや円安気味


 7月以降負け組感の強かったマザーズがけっこうな勢いで反転上昇したかのように見えたこと、日米で見れば日本株が少し相対的に勢いを取り戻したのかもしれない、と思えること、米国では、大型株より小型株(ハイテク株)い勢いが見られること、などが観察されると思います。


 マザーズについて言えば、2月高値の期日明けという面があったのかもしれません。米国でナスダックが相対的に強いのは長期金利の下落傾向が反映しているのかもしれません。ただ、依然として高値警戒感の強い米国株相場という見方はできそうです。


イベント⇒株価へのインパクト、を考えてみる

 好材料が出たのに株価は下落、とか、好業績を発表したとたんに株価反落、といったことはよくあることです。逆に、悪材料の反応として株価反発とか、悪材料発表でも株価上昇、といったこともよくあります。


 相場の世界では「知ったら仕舞い」とか、「材料出尽くし」といった便利な言葉があって、意外な相場の反応を説明する、と言いますか丸め込むとか言いくるめる、といった雰囲気のところがあります。


 株価はいずれにしましても「誰かの売買の結果」として形成されるものですから、その誰か、を意識して次のように考えてみます。


・売買の主体を「投資家」と「投機筋」のふたつに分ける。


・それら二つの売買行動を「売り」と「買い」に分ける。


 そうしますと、売りと買いは、だいたい以下のようになりそうで、それぞれの「株価へのインパクトの大小」も含めて見てみると以下のようなパターンになると思います。


1.投資家の「仕込み買い」 ⇒ 株価へのインパクト「小」(投資家はできるだけ安値で株を買いたいでしょうから、こっそり買うでしょう、少なくとも初めは。)


2.投資家の「利食い売り」 ⇒ 株価へのインパクト「中程度」(投資家はそっと利食い売りしたいでしょうが、買いが少ないとなれば、思い切って利食い売りすることもあるでしょうから。)


3.投資家の「投げ」 ⇒ 株価へのインパクト「」(ポジションを無くそう、となれば、思い切り投げ売りするでしょうから。)


4.投機筋の「買い」 ⇒ 株価へのインパクト「」(株が欲しいのではなく、株価が欲しい、という場合が多いでしょうから。)


5.投機筋の「売り」①買いポジションの利食いの場合 ⇒ 株価へのインパクト「中程度」


6.投機筋の「売り」②買いポジションの投げの場合 ⇒ 株価へのインパクト「」(とにかく売ってポジションを解消しなければならないでしょうから。)


7.投機筋の「空売り」 ⇒ 株価へのインパクト「」(売り崩しを狙って空売りするのでしょうから。)


 こうして見ますと、投資家が利食い売りする、ということを考えますと、好業績発表時に彼らが利食い売りするとすれば、株価の下落に合点が行くかもしれません。


 唐突ですが、私は株価のテクニカル・チャートの中で最もポピュラーなのは、MACDではないかと思っています。


 株価へのインパクトが大きいのはいずれにしましても「投機筋の売買」ということが分かる訳ですが、そうだとしますと、過去●●日の移動平均=投機的なポジションの「コスト」と見て、そのポジションの持ち主がどういう売買行動を取りそうか?を思い描くのに移動平均線が役に立つに違いない、という発想からしますと、MACDに注目する人が多いというのは理解できる気がします。


2021年8月27日

証券アナリスト

松下律 

売り方主導

松下 律

2021/08/20 08:20

D5718516 997a 49b1 b8ed 3b901c12c91b castphoto15 matsushita

困ったもので・・

 日米の株価はそれぞれ明後日の方向に進んでいる、というわけで、日本はそれが上向きではないので投資家と買いポジションを持っている人にとっては何とも腹立たしいと言いますか、残念なところです。


 新型コロナのデルタ株感染がひどい、という意味では日米のみならず全世界同じようなものだろうと思います。


 ワクチンの接種率でも日米の差はずいぶん縮まって来たというのが事実だと思います。新規感染者数は日米ともにひどいですが、決定的な差はなさそう、という意味でアメリカ株の一昨日までの連続史上最高値更新は、明後日の方向の感がありますし、日本企業の業績回復がかなりしっかりしていることからしまうと、日本株の不振は明後日の方向の感が強くします。


 内閣支持率が低下しており、中国の経済政策不安もあってアジア株が安くなっており、日本も確かにアジアの一国、ということもあるのかもしれませんから、全く理解に苦しむということでもないのかもしれませんが・・


 いずれにしましても、要するに日本株は需給が悪い、ということに尽きるのでしょう。


 しかしながら、昨日一昨日と、米国株も下落気味の動きになって来ました。上がる時は付き合わず、下がる時は倍付き合う、といったことにならなければいいのですが、米国株が下がってざまあみろなどと言っていられないところが困ったものです。


 それにしましても需給の悪さを背景に売り方が元気になっているのでは、と思わせるところがありそうです。


 今週の月曜日の相場、日経平均は終値で先週末比400円以上下落したわけですが、売り方の「根拠」がよく分からないという印象でした。(よね・・)


・売り方 アフガン政権崩壊で米株がうまくすれば大暴落になる ⇒ 日本株は売り崩せるかもしれない ⇒ 先物を売る


・買い方 地政学リスクが何となく心配だから少し買いポジを減らしておこう、あるいは、アフガン情勢などあまり関係ないと思うが、まずは様子見 ⇒ 買い手控え、となって、下げる、と。


 結局月曜日の米国株相場は下げなかった、どころか史上最高値示現となったわけですが、ほとんど何の影響もなさそうなアフガン情勢ですら、日本株の売り材料にできるかもしれないと思う人たちが日本株相場を動かしているのか、と思うと明るい気分にはなれないでしょうね。


 その後、米株は昨日のFOMC議事録公開で下げたのですが、テーパリングが米株の下落要因になるというのであれば、それはある程度納得の行くことではあります。


 話は飛びますが、昨年大きな話題となったキャシー・ウッド氏率いるETFに対して、大物投機家が大量のプットオプションを購入したというニュースがありました。どこかで大きく下げることを期待しての行動なわけですが、売りポジションを取られたキャシー・ウッド氏がファンドの投資の中の中国エクスポージャーをなくした、というニュースも出て来ました。なかなか面白い応酬です。


金融リテラシー

 「お金に関する知恵や能力のことを金融リテラシーと言うのだそうです。」


 「金融商品や金融サービスの選択、将来の生活設計などで適切に判断するために、最低限身につけるべき金融や経済に関する知識や判断力などを指し、社会人として経済的に自立し、より良い暮らしを送っていく上で欠かせない生活スキルとされています。」のだそうです。


 具体的に、と考えてみたいのですが、「他人から聞いて自分で決めて行動する」ことになるのが現実の社会生活であり自分の行動規範でしょうから、その観点からいろいろピックアップしてみます。


・他人から聞く、の観点から、

1. 情報、ニュース、データを収集する。 ⇒ インプット

2. 他人の意見や見解を収集する。 ⇒ インプット


 ここで重要なことは、収集能力ということになります。


・自分で決める、の観点から、

1.インプットされたものを分析して自分の行動に結び付ける。 ⇒ アウトプット

2.他人の意見や見解に振り回されないように気を付ける。


 ここで重要なことは、行動に結び付ける意思決定ということになります。


・学習と経験

 当たり前と言えば当たり前でしょうが、インプットにおいてもアウトプットにおいても、自分でこれでいいという領域に達するには多くの時間を掛けた学習と数多くの経験が必要、と言えるだろうと思います。


 インプットするための情報収集だけでもそうとうな時間数を掛けないといけないのでは、という気もしますし、自分の金融リテラシーの水準をある程度以上にするのはたいへんな気もします。


 では、ということで、自分が信頼できると思える専門家に自分の資産形成と資産運用を任せるというのが時間の節約には大いに有効と言えるのかもしれません。


 自分の期待する投資信託を使って資産形成のために長期・分散・積立を実行する、などがあたかも自分の金融リテラシーが十分に高いのと同様の成果をもたらす工夫なのかもしれません。


 ただ、少なくとも投機の観点からすれば、ある程度の時間と手間を掛けて収集した情報・ニュース・データを自分の理性と知性と良識を用いて「常識的に判断して行動」すれば、大きな失敗はしないし、運が良ければ大きな成果を手にできる、という感じが私にはします。


2021年8月20日

証券アナリスト

松下律 

 今日は8月オプションのSQ算出日です。SQ値がどんな水準になるか、算出後日経平均がどんな動きをするか、よく見ておく1日になりそうです。


4連騰で

 日経平均は先週木曜日から4連騰で2万8千円台回復となったのですが、昨日は小幅の反落、その後の時間外の先物市場ではまた2万8千円割れとなって、その後また回復となっていました。


 企業業績はそこそこに順調な向上を見せている、と言える状況でしょう。何を懸念して買われないでいるのか、よく分からないところですが、敢えて言うなら「米国株の下落を懸念」しているのではないかと思います。


 連日のように史上最高値を更新し続けている米国株の下落を心配する、というのも変な気がするのですが、米国株の今の上昇を支えているのは需給要因のみ、景気回復とかインフレ率の上昇とか、いろいろなことは言うものの、要は買いが継続的に入っているから高くなっているだけで本来であればここらあたりで多少の下落局面があってもいいはず(健全なコレクションとか何とか言いますし)と思われているのかもしれません。


 仮に米国株に健全な調整が到来するとすれば、その余波を受けておそらくは日本株は米国株の下落以上の下落をするに違いない、と考えて日本株の需給は売りが超過する状態が続いてしまう・・そんな感じなのかもしれません。


 夏枯れ相場の後にどこかで大きく下げる局面があれば、おそらくは外国人売り・個人買い、という局面が到来して、その後年末に向けてけっこう大きな上昇相場が見込めるのではないかという気もしますし、大きく下げるかどうか分からないところで、このままジメジメした相場が続くのかもしれないな、という気もします。


 アベノミクス相場と違って近い将来にまとまった株価上昇が見られるとすれば、その時はどちらかと言えば円高・株高になるのではないかと思っているのですが、その線からしますと、このところ少しずつ円高傾向を窺わせるような為替相場の動きには注目しているところです。


 短期的には、米インフレ率上昇⇒ドル買い、という動きも目立つのですが、ドル買い派からすれば思ったより円安にならないな、という感覚を持つ相場の動きになっているような気がしているところです。


 長期的には米中摩擦の行方が依然として懸念材料ですし、もっと長期的には、中国経済そのものに懸念がある、と言わざるを得ない気もしてます。


 そうした傾向の中で、やはり安心できるのは日本経済と日本企業、という雰囲気が出て来れば日本株の需給が根本から変わる可能性があるでしょう。そうなれば、かなり長期に亘って上昇相場を期待することができるようになるのでしょうが・・


BMI

 BMIと聞きますと、肥満度を測る指標と思う人がいるかもしれませんが、英経済誌エコノミスト社が1986年9月から発表しているBMI(ビッグマックインデックス)は、各国の為替の強弱の水準(購買力平価)を分かりやすく示す指標として有名です。

 直近時点で、マクドナルドのビッグマックは米ニューヨークでは5ドル65セント、東京では390円だそうです。東京のビッグマックの価格390円を1ドル=110円でドルに直しますと、3ドル55セント、ということになります。

 ニューヨークで5ドル65セントのビッグマックが東京では3ドル55セント、ということで、(ニューヨークのビッグマックと東京のビッグマックが同じものだとしますと)ニューヨークは物価が高い、か、東京は物価が安い、か、のどちらかだ、となります。

 別の国でも同じモノの値段は同じであるはず、としますと、ニューヨークのビッグマックと東京のビッグマックの値段が(ドルベースで)同じになるためには、為替レートが1ドル=69円になればいいことになります。

 ビッグマックの値段からしますと、現在の1ドル=110円くらい、は非常に円安であり、BMIから計算すれば1ドル=69円であってもおかしくはない、ということです。

 同じようなこと(違和感を感じること)は、米ドルベースで見た一人当たりGDP統計の数字でも感じることがあります。

 直近ベースで、一人当たりGDPを見ますと、わが国は4万ドルくらいで世界23位です。1位はルクセンブルクの11.6万ドル、次いでスイスが8.6万ドル、米国は5位で6.3万ドル、ドイツが16位で4.5万ドル、といった具合です。

 アベノミクス円安政策でわが国はデフレ経済が深化する方向からは脱することができたのですが、行き過ぎた円安状態が是正されないまま時間を浪費しているという感じでしょうか。

 コロナショック以降、円安がどんどん進むということがなくなり始めた感はありますが、日本安売りでもある円安状態の方が日本の株価にはプラスだ、という考え方のバイアスはなかなか無くならないようです。


2021年8月13日

証券アナリスト

松下律 

3連休を前に

松下 律

2021/08/06 08:20

D5718516 997a 49b1 b8ed 3b901c12c91b castphoto15 matsushita

決算プレー

 今週は大所の4-6月決算が発表された週、ということでさまざまな「決算プレー」が見られたと思います。


 一時は、よい決算が出れば材料出尽くしで「売り」、悪い決算が出たらやはり「売り」ということで、とにかく売りの材料にされるという感じだったのですが、さすがによいものは買い、悪いものは売る、といった「ふつうの」反応が主流になりつつあるようです。


 売りで儲ける、という発想からしますとやは流動性があって値動きも激しい日経平均先物のショートで取れれば重宝、ということでしょうから、売りが日経平均先物の売り中心に出て来るのは自然なのかもしれません。


 4月以前であれば、前場で下げると後場に日銀の日経平均型ETFの買いが入る、ということで売り方は警戒しならが売ったのでしょうが、もう日銀の買いは(ほぼ)入って来ない、ということで、売り方は安心して売れるということもあるのでしょう。


 日経平均型では売られる、ということを反映して、指数間の値動きがずいぶんと変わって来ている、と見ることもできそうです。


 日経平均を見ますと、今にも売り崩されそうな感じがするのですが、TOPIXで見ますとそれほどでもない、とか、日経500指数の動きが日経平均と違っている、といったことが感じられます。


 日経平均のチャートを見ますと、小動きになって煮詰まった感じに見える、ということで、しばらくは夏枯れ相場が続くとしましても、どこかで大きく(上か下か?)動く局面が到来するのではないか、と思わせる動きでもあります。


 コロナの感染者増、中国の規制の動き、米国経済指標の動向、等々、相場の動きを不安定にさせそうな材料が多くあります。じっくり腰を落ち着けて投資ポジションを増やす、といった状況ではなさそうですが、トレーディング・チャンスを窺うという立場からすればけっこうエキサイティングな局面なのかもしれません。


ミーム・バブル

 アメリカの株式市場を見ますと、世界で突出して時価総額が大きくなっているのは事実で、これはバブルに違いないと思う人がいても少しも不思議ではありません。


 1980年代の日本株のバブル相場を何と名付けるのが適当か?と考えてみますと、資産バブル、とか、新人類ファンドマネジャー相場、とか、特金・ファントラ相場、とか、いろいろに言えると思うのですが、私の感じでは、新人類トレーダーが作り上げたバブル相場、というのが一番しっくり来ます。


 今のアメリカ株がバブルであるか、あるいは、バブルに向かって突き進んでいるとしますと、それにどんな名前を付けるのがふさわしいか・・


 私は、ミーム・バブルと呼ぶのがけっこう有力な感じがしています。


 金余りの中で主として個人が、インターネットを経由して情報収集して、新しいインターネット証券で株を買ってバブルを作り上げている、といった感覚だからです。


 彼らは主力株から構成されるETFや投資信託も買いますから、GFAMといった銘柄も恩恵を受けてバブルに向かって進むことができています。


 また、海外からの資金流入もミーム・バブルの後押しをしてしまっています。


 ネット経由で注目を集めて株価が上昇する銘柄をミーム株などと呼ぶわけですが、このミームという言葉、と言いますか、概念と言いますか、はけっこう面白い気が私はしています。


 ミームという言葉(meme)の語源は、模倣を意味するギリシャ語由来のmimに、接尾語の-emeを付けて、遺伝子(gene)のような語感の言葉にしたのだそうです。(1976年、動物行動学者のリチャード・ドーキンスによるとのことです。)


 人々が模倣によって文化の拡散が起きる場合、遺伝子のように作用してひとびとの行動を引き起こすものを「ミーム」と呼ぶ、といった感じでしょう。


 株式がブームになる「元」といった見方をするとしますと、投資や投機における「ファッション」といった言い方もできるのかもしれません。


 アメリカ株の高値のかなりの部分は、アメリカ株は素晴らしい投資対象だ、という「ミーム」が作り上げているように思いますGAFAMを素晴らしいと思う気持ちもミームのせい、ロビンフッドを革新的な証券会社と評価するのもミームのせい、ということになるのでしょう。


2021年8月6日

証券アナリスト

松下律