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ブログ:Onevoice

岩本 秀雄 の投稿

 けさ、ストックボイスに出勤(?)するために乗った午前6時台の地下鉄、とても混んでいました。先週よりも、というだけでなく、それ以前、いつもの週明け午前6時台の地下鉄風景とは違っていて、ああ、そうか、今日はお盆休暇明けなのか、と気づきました。朝の、この時間から、もうお疲れ気味の人もいます。それでも頑張って、こんなに早くから出社する…。勤勉な勤め人がなんと多いことか。日本は、日本経済は捨てたものでない、なんてつまらないことを日比谷線の車内で考えていたら、もう茅場町でした。
 
 今日から、休み明け。NY株高が手掛かりになります。16日はダウ平均が306ドル高。15日は99ドル高でしたから、2日合わせて14日の下落幅800ドルの半分強を戻した格好です。
長期金利が上昇し、2年債と10年債の逆イールドが解消。ロイター通信が「中国で個人所得拡大政策が検討されている」と、独シュピーゲル誌が「独連邦政府は景気が後退した場合、財政均衡ルールを廃し新たな借り入れを行って景気刺激策を打ち出すことを検討している」と、景気減速する2か国が景気対策を検討しているとの報道があったことも好感されています。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は米経済減速に歯止めをかけるため、利下げや積極的な金融政策が恐らく必要になる、と述べました。
”恐怖指数”のVIX指数は18.18(前日は21.18)と20割れ。
半導体SOX指数は△2.8。
WTI9月物は△0.40。
金12月物は▲7.6。
 と、リスク・オンで戻ってきます。
今週の焦点は22日から24日まで米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティ連銀主催の年次経済シンポジウム。23日にはパウエル議長の講演が予定されているため、そこで金融政策への言及があるかどうか注目されています。先週半ばの波乱相場を受け、「9月FOMCまで待てない。緊急会合を開いて大幅利下げを決める」などという見方も米株式市場には出ている模様です。
もっとも、パウエル講演の内容とそれに対する米国市場の反応が伝わってくるのは24日以降ですから、日本株が反応するのは来週のこと。さて、期待の一週間となるか、不安の1週間となるか。(イワモト)
株の暴落日、全面的に安いときでも赤札銘柄、すなわち上がる銘柄はあります。(中略)こういう銘柄には特に注意して、事と次第では敢然と提灯をつける、買ってみるというのもひとつの方法です。

 赤札銘柄は誰かが積極的に買いを執行しているから逆行高になるわけです。そして買うからには何か理由があります。全体の下げがきつく多くの人が買い意欲を失った状況で積極的に買うからには、それなりの材料、根拠、大きな自信があると考えられます。そういう銘柄を素早く調べていけば、この銘柄はなるほど上がりそうだということがすぐにピンとくるようになります…。
 
 「独眼竜」のペンネームで株式専門紙に書いていたコラムがスターリン暴落(1953年3月)を予言したというエピソードを持つ立花証券創業者・立花久氏(1918~2016)は経営者となってからもその独自の相場観を顧客や一般投資家向けに発信していました。常に、相場と真剣に向き合っていた証券経営者として知られます。そのため、引退後の2016年に亡くなった時には、「最後の相場師が逝く」と報じた新聞もあったほどです。
 
 その石井久さんが生前にラジオ番組で語られたお話が立花証券によって一冊の相場格言集(『相場格言 実戦録』)としてまとめられています。冒頭の文章はその冊子にあった「暴落日の赤札銘柄に注意」という一節から引用したものです。

多くの銘柄が一斉に値を下げる暴落日に、その全体の流れに逆らうように上昇する逆行高銘柄。その動きにはどんな意味があるのか、上記の一文に書き込まれています。暴落の中でも買い進むには、それなりの胆力が必要です。その胆力の裏付けとなっているのが何か、外部からは窺い知れませんが、それなりにしっかりした根拠があるのだろう、と株価の動きから推察することは可能です。
 
なぜそんなことを言い出したのかというと、3日(土)の日経新聞朝刊のマーケット総合面「スクランブル」欄に「逆行高銘柄 にじむ楽観」というコラムにおいて、2日の市場で「リスクオフ相場で相対的に買われやすい内需ディフェンシブ銘柄とは異質な顔ぶれ」が上昇銘柄に顔を出していた、とする記事があったためです。この記事では、カブコン、イビデン、カシオなどハイテク周辺の外需依存型銘柄の上昇率が目立って高かったことから、トランプ大統領による「対中第4次追加関税」の先行きに対して楽観的にみている投資家が動き始めた、と推測されています。先週、電子部品株の中には4~6月期大幅減益決算が発表されてもプラスに反発するような銘柄も多く表れていました。逆張り型投資家が動いている、との読みは可能でしょうが、それがハイテク株に集中的に向かっているかという、はたしてどうでしょうか。

 2日の値動きをもとに、単なる上昇率だけでなく少し違ったランキングを見てみました。①年初来高値を更新、②前日比プラスで終わっている、③連騰記録の多さ-で順位をつけてみました。一時は①年初来高値をつけるほどに強い動き、なおかつ②大引けまで強さが持続した。③その強さがこれまで何日持続しているか、という順位づけです。1日、2日は荒れ模様の相場でしたが、それでもそれ以前から強さを持続していた銘柄がどのくらいあるか、という調査です。

2日の東証1部市場には40の新高値銘柄がありました。一時は500円以上も日経平均が下げた相場。その中で新高値40銘柄数は健闘しています。ただ、そのうち10銘柄は大引けにかけて前日比マイナスに沈んでしまいました(情けない銘柄です)。残りの30銘柄のうち、継続して上昇している銘柄の順位をつけると…

(1)   IRジャパン(9)
(2)   神戸物産(9)
(3)   ユニゾHD(8・変わらず含む)
(4)   東洋BENG(7)
(5)   モバイルファクトリー(6)
(6)   第一三共(6)
(7)   インフォコム(5)
(8)   ペプチドリーム(5)
(9)   イビデン(4)
(10)  ディップ(3)
(11)  テンポイノベーション(3)
(12)  アイル(3)
*カッコ内は連続上昇日数
 
 以上が3日以上続伸している銘柄。残りは2日続伸がせいぜいでした。ただ、8月1日~2日と続伸している銘柄はかなり多いです。
 さて、連続上昇銘柄の顔ぶれを見ると、はっきりと内需・ディフェンシブ銘柄といっていいと思います。
典型的なのが(1)IRジャパンと(2)神戸物産。(1)は上場企業向けの情報サービス「株主との対話」ニーズに乗って好調。2日には昼休みの時間に業績見通しの増額修正を発表したことから株価も急伸しましたが、これまでも株価は上昇中でした。「業務スーパー」の好調で月次販売が好調。海外からの輸入品が伸び、PB商品も拡大中という好状況を織り込む動きがずっと続いているのが神戸物産。すでに年初からの上昇率はほぼ倍となっています。

不動産のユニゾHDはHISによるTOBで関心を集めていますから別格としても、SAP製ERPシステムに強い東洋BENGやインフォコム、アイルなどシステム開発会社の強さは光ります。さらに、「位置ゲーム」のモバファク、人材募集のディップ、外食店舗の賃貸借事業のテンポイノベーションなど国内で稼いでいる銘柄ばかり。医薬品の第一三共、ペプチドリームや半導体関連のイビデンがやや異色、ということでしょうか。

 リスク・オフ(回避)の動きが出たのは1日、2日のこと。リスク回避→内需・ディフェンシブへと目が向くのはこの2日間、というのが定石的な物色人気のコースですが、上掲の銘柄群はそれ以前からターゲットになっていたのです。すでに、先週よりも前から内需指向の流れが形成されている、ということを意味しています。意志の強い人たちは内需系を買い進んでいる、そういう流れもが続いていることも忘れないようにしましょう。(いわもと)


 今週は7月から8月へとブリッジの週。目下のところ、7月のパフォーマンスは2カ月連続のプラス。これが3カ月へと月間上昇記録を積み重ねることができるかどうか…。
残念ながら、アノマリー的には旗色があまりよくありません。取引所再開以来の記録では37勝33敗と勝ち越していますが、過去10年間の星取りは4勝6敗と負け越しです。
それよりも、商いが薄くなってしまうのがこの月の特徴。帰省や行楽、家庭サービスと何かと忙しいシーズン。それに、思考能力が低下する猛暑までが重なってしまえば相場どころではなくなってしまうのが当然の成り行き。アベノミクス相場が始まる前の2012年から18年にかけての、8月月間の1日当たり東証売買代金(新興市場や2部市場を含む。12年はJASDAQ含まず)を見てみました。カッコ内はその月が月間最低であったかどうかをみています。
2012年=9887億円(最低)
2013年=2兆1406億円(最低)
2014年=2兆2410億円(4月=2兆1848億円が最低)
2015年=3兆5050億円(1月=2兆7423億円が最低)
2016年=2兆4631億円(10月=2兆4048億円が最低)
2017年=2兆6623億円(最低)
2018年=2兆7327億円(最低)

7年間で4回。要するに、“夏枯れ相場“になりやすいということ。アベノミクス相場が華やかな時期には別なリズムに支配されることもあったようですが、17年以降は再び季節アノマリーが戻ってきたということでしょう。それにしても、12年8月の月間売買代金9887億円というのは強烈な数字です。まったく投資意欲がなかった時期、ということのようです。
記録に残る8月の出来事には、株価の騰落記録につながるエピソードも。1971年8月16日にはニクソン・ショック。この日の日経平均は前日比210.5円(7.68%)安の2530.48円。下落率ランキングで第10位の記録が残されています。米ニクソン大統領が金交換停止など一連のドル防衛策を発表し、世界の金融・株式市場に衝撃が走りました。
逆に、歴代19位の上昇率記録は1992年8月21日の6.22%(949円)高。これは国内要因。バブル崩壊下の宮沢自民党政権、旧大蔵省が市場安定化策として「金融行政の当面の運営方針」を発表、総合経済対策とりまとめに動き始めたことが好感されました。「失われた20年」の序章、といっていい時期でした。
その他、湾岸戦争の引き金となったイラクによるクウェート侵攻(90年)、ソ連クーデターによるゴルバチェフ失脚(91年)、自民党下野(93年)、ロシア危機(93年)、パリバショック(2007年)など。
そして、忘れてならないのが米『ビジネスウィーク』誌による「株式の死」特集が1983年8月13日号だったこと。これも、一種“夏枯れ”テーマではないでしょうか。「あれが底入れのシグナルだった」と、いまだ語り継がれます。どこかの雑誌が、「日本株の死」特集を組んでくれないかなあ…。(いわもと)
7月22日というのは年間でも珍しい株価下落特異日です。

「日経平均プロフィル」によると、過去44回の騰落は19勝35負で上昇確率35.19%。ざっと3回に2回は安い日…というイメージです。これは7月で最も上昇確率が低い(7月で上昇確率が最も高いのは1日の69%=38勝19負=今年は454円高!)だけでなく、年間を通じても成績が悪い日。年間で最悪なのが(1)11月5日の31.58%(18勝39負)、それに続くのが(2)9月4日の32.73%(18勝37敗)。そして、本日の(3)7月22日35.19%は、上昇しにくい日の年間ランキングで第3位という記録となります。続いて(4)7月18日の35.85%(19勝34負=今年は422円安!でした)、(5)10月18日38%(19勝38負)が第5位となります。

では、この下落確率の高さ、いったい何が原因なのか分かりません。最近ですと、「第一四半期の決算発表を控えて神経質な地合いになりやすい」という解説がつきやすいでしょうが、上場企業に四半期開示が義務づけられたのは2009年3月期から。四半期決算の集計から45日までに決算発表。それが本格化したのは11年前の08年7月からのことです。戦後の取引再開からの統計のうち、四分の1のデータでしかありません。もっと他に、何か変わった株価習性があるのか、調べてみないといけないでしょう。ただ、7月18日が年間第4位の記録があったように、この時期に下落しやすい要因が潜んでいるのかもしれません。そして、年の後半は下落確率の高い日が多くなります。クワバラ、クワバラ…ということでしょう。

さて、自民・公明による安定多数確保という穏当な結果となった参院選。その安心感が不吉なアノマリーをどう覆すことができるか。それとも、参院選後の難路が意識されて…などということになってしまうのでしょうか。

あと、今週号のバロンズ誌にはソフトバンク・グループが取り上げられています。カバー記事で「割安なハイテク投資」と随分な持ち上げられ方です。こちらも特異な銘柄、どんな反応があるか注目しておきましょう。(いわもと)
  5日に発表された6月雇用統計は非農業部門の雇用者数が22万4000人の増加と市場予想の16万人増加を上回るものでした。増額修正された5月分は7万2000人増。増加数の縮小が市場で警戒感を呼びましたが、再び5か月ぶりに高い増加数となりました。

  それでも、ダウ平均は43ドル安。5日ぶりで反落しました。この数字が「米国経済の力強い成長を示しており、FRBへの大幅な利下げ期待が後退する」との人気になった、との説明が一般的です。確かに、先週は利下げ期待が先行して強い相場が続きました。

 しかし、発表後の株価推移はやや複雑です。予想以上に堅調な数字の発表を受け、取引開始は100ドルを超す下落で始まり、午前11時前には232ドル安まで売られましたが、その後は買い戻されて下げ幅を縮小。午後3時には下げ幅は前日比15ドル安まで下落幅を縮めています。この1日の動きを見る限り、失望感というよりは、軽いショックを織り込んで結局は前日終値近い水準まで引き戻した、ということ。相場は依然として底堅い推移といっていいでしょう。

 今週はパウエル議長が10日(水)に下院金融委員会で金融政策に関する半期に一度の議会証言を行います(11日には上院銀行委員会でも証言)。慎重に言葉を選びつつ、議長がどのような発言をするか。また、市場がその発言をどう解釈するか。週半ばまで、より神経質な展開となりそうです。日本株にとっては円安気味の為替がプラスですが…。(いわもと)