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岩本 秀雄 の投稿

 今週22~26日は平成相場としては最後の1週間。1989年1月8日から30年余り、この平成の時代の総括を行う週となります。

 株式市場の初立ち合いは1989年1月9日でした。その日の日経平均は3万0678.39円でした。さらに、その年の終値は3万8915.87円。“バブルの絶頂”として記録に残る株価です。
すべてが輝いて見えた時期でした。大きく駆け上がった後に迎えた谷間の深さも象徴的。金融危機下でITバブル崩壊と重なった2003年4月28日には7607.88円。さらに、リーマンショック時の2009年3月10日に7054.98円と、2度にわたって7000円台の安値を記録しました。リーマン後の安値から10年経った現在の水準は2万2200円。3万1816円下げて1万5146円取り戻したので戻り率は47.5%。もっとも、昨年10月の戻り高値が2万4270円だったので、その時点での戻り率は54%となります。

いずれにしても、大きな崩落の後の回復相場がまだ続いているということ。改元と符節を合わせるかのように屈折した相場。その意味で、この「平成」の時代は大きく上昇した「昭和」までの相場に対する歴史的な調整期だった-という位置づけでいいのではないでしょうか。

さて、本日22日から欧米各国を訪問する安倍首相。26日には米国でトランプ大統領と会談し、北朝鮮問題や日米TAG交渉について擦り合わせを行う予定です(27日にはゴルフの予定も入っているとか…)。してその前に茂木経済財政担当大臣とライトハイザーUSTR代表との交渉再開もあるようですが、トップ同士の会談を控えていては、中身のある話もできないでしょう。麻生財務大臣が安倍首相に同行し、日米財務相会談が開かれるため、為替条項の取り扱いについてはそこで協議される模様です。いったいどんな話が出るのか出ないのか…。

この26日には、米国での企業決算の発表がピークを迎え、日本では260社の決算発表が予定され、いよいよシーズン本番。24~25日に日銀の金融政策決定会合が開かれ、26日には米1~3月期GDP速報値の発表も、とスケジュール的には盛りだくさん。
この26日の株価は平成最後の日(週・月)の株価として注目されることでしょう。
(イワモト)


 「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」-。ムニューシン米財務長官が12日のIMF関連会議後の記者会見の中で、日米貿易交渉(TAG)のテーマとして、為替条項が協議対象になると発言したことから、今週15~16日にワシントンで開かれる茂木・ライトハイザー会談がより一層の注目材料として浮上しています。

でも、このムニューシン発言、それほど重要度が高いのでしょうか。同長官はこれまで折に触れてこうした原則発言を行ってきました。例えば、18年10月のバリ島でのG20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見でも「どこの国とも為替問題は協議していく。日本を例外扱いにすることはない」と語り、直前の日米首脳会談での合意内容について「自動車、農産物など物品問題が中心」と主張する日本政府に対しクギを刺すような発言を行っています。メキシコ、カナダとの貿易協定と同じ流れに持ち込みたいという意図はともかく、基本は原則論の域を出ないものでしょう。

しかも、茂木大臣の交渉相手はムニューシンでなくライトハイザーUSTR代表。この人も2月の議会下院の公聴会で「日本を含むアジア各国との間で為替の問題がある」と発言していますし、財務長官以上に強硬な人ですから要注意ですが、そもそも為替問題は同氏の担当外。果たして、半年ぶりでようやく始まった協議の冒頭から、こんなハードなテーマが飛び出すのでしょうか。

それ以上に、最近のトランプ政権のスタンス。対中貿易交渉でも、メキシコとの国境閉鎖問題でも融和姿勢をみせ、対北朝鮮では優しいオジサンぶりです。代わって、強烈な批判はFRBに。14日のツイッターでは、FRBが利上げをしなかったら「株価は5000~1万ポイント上がっていただろう」とアピールしているとか。このトランプ政権のスタンスが米国の株式市場には力強い追い風となっているようです。先週金曜日はJPモルガン・チェースの好決算が引き金となり、銀行株が出遅れ修正の動き。S&P500は9月の最高値まで、あと30ポイント強の水準に迫っています。

日本株にとっては、為替よりも米国株-きっと、そんな状況ではないでしょうか。10連休まで残り2週間。ボラの高い展開となるかもしれません。(いわもと)

上放れの週

岩本 秀雄

2019/04/08 08:06

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 今週は日経平均が上放れるかもしれない。うまくいけば、2万2000円突破も期待できそうです。
日経平均は週末にかけて続伸し、3月初めの戻り高値2万1822円にあと少しまで迫って終わりました。あと15円高。距離的にはそれほど遠くはありません。移動平均線でも25日移動平均線を上抜いていますし、その25日線も先週水曜日から上向きに転じています。この先、2万1911円の水準に代表的な長期移動平均線である200日線が横たわっていますが。仮に、日々の株価がここを上抜けるとすれば、それは今年に入って初めてのこと。おそらく市場は「2万2000円も!」という雰囲気になることでしょう。

大阪取引所の日経平均先物6月物夜間取引が2万1870円で終わっていますから、本日、週明けも幸先のいいスタートを切ることになりそうです。

もうひとつ、アノマリーをみておきましょう。日経平均プロフィルによると、明日の4月9日は安くなる特異日、ということに気をつけましょう。過去の騰落状況をみると上昇確率が44.44%(24勝30敗)と、月間では20日と並んで最低の上昇確率を記録しています。
もっとも、40%台の上昇確率というのはそれほど悪い数字ではありません。年間では11月7日の上昇確率31.8%(18勝39負)を最悪に、9月4日の32.73%(18勝27敗)など年間で9回、上昇確率が40%以下という記録が残っています。それからみると、4割半ばというのは、売りの圧力がさほど強いわけではありません。
逆に、4月18日は54.81%(35勝19負)という上昇確率が月間最大の日。ここから中旬にかけての時期が上値志向の強い時間帯、ということになるでしょうか。

最も、ちょうど2月決算銘柄の決算発表が本格化する時期。テクニカルな要因を梃子に上昇相場がスタートしてもファンダメンタルズがついてこないと短命で終わります。期待も不安もいっぱいの決算発表。なかで安川電機(11日発表)の決算数字(予想数字)は来週からスタートする3月決算銘柄の先行指標として注目されています。(いわもと)
 4月1日はエイプリル・フール(四月馬鹿)。机の脇に片づけてあった『広辞苑』(第5版)を開き、「四月馬鹿」という言葉を引いてみたら「エープリル・フールの訳語」とありました。でも、その「エープリル・フール」で意味を引いてみると、その項目はありません。少し古い版ですが、一応は日本を代表する国語辞典。そこにはエープリル・フールという言葉は収録されていませんでした。
 「罪のないうそをついてひとをかついでも許される風習」というのは一般的な理解でしょう。「万愚節」という言葉もあるそうです。
 その起源については(様々な説があるそうですが…)「その昔、ヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していた。しかし、1564年にフランスのシャルル9世が1月1日を新年とする暦を新たに採用。これに反発した人々が、4月1日を『嘘の新年』として、馬鹿騒ぎをするようになった」というのが「エイプリル・フール(4月のバカ騒ぎ)の起源らしい-という説が面白いと思います。新年はやっぱり1月1日でなけりゃ…。

 『夫婦善哉』の織田作之助が『四月馬鹿』という小説を書いています。市井事小説の先輩作家・武田麟太郎との交流の一端を綴ったもので、自分自身についてのデマを流し、周辺を驚かせることが得意だった武田のエピソードを下敷きに、昭和21年4月1日、武田の、実際の訃報に接し、「あっ、凄いデマを飛ばしたな」という想いによって、暗澹とした自分が救われるというシーンが書かれています。確かに、「これは、一生一代の大デマだと呟きながら、ポタポタと涙を流す」という出来事、だれにも一生に一度くらいはあることでしょう。

 4月1日恒例のメディアによる“四月馬鹿ニュース”。「フェイクニュース」のトランプ大統領の出現でメディア側に自粛の動きが強まっているそうです。

 嘘でない、本当の4月1日。もうすぐ迎える新しい時代に向けた新元号が発表されます。いつものように新しい年度が始まり、新しい生活、新しいルール、新しい法律もここからスタートします。そして、日銀短観、米ISM景況感指数など、いつも発表される3月の経済統計発表にも注意しましょう。(いわもと)
 今週は3月最終週。月末週であるとともに、年度末の週でもあります。3月決算銘柄の(9月決算銘柄の中間)配当・優待権利取りは26日が最終日です。NY市場が荒れ相場の気配を見せているため、配当金を取るか、それとも落ち後を狙うか、ここは思案のしどころといっていいかもしれません。

 しばらく前の日経新聞の記事によると、日本企業の配当性向は2018年度見込みで32%(前年度30%)とか。これに対し、世界企業の平均では約45%。欧州企業などは60%近くが標準的。内外問わずアクティビスト系ファンドが株主還元に消極的な企業の株式を保有して増配や自社株買いを要求するのもこうした内外格差に対する日本企業経営者の無頓着ぶりが目に余るからにほかならないでしょう。
 ただ、最近ではそれが少しずつ変化しているようにも感じられます。先週金曜日のTDネットへの投げ込みを行った企業のうち2019年3月期末の配当方針についての開示を行った企業は11社ありました。そのうち、減配を発表したのが1社、前期並みの据え置きが1社。残り9社は増配を発表しています。もう権利取りに余裕がなくなったこの時期に駆け込み的に決定するのもどうかと思うのですが、それはさておき、実際に業績が順調に推移していることを確認し、それをストレートに配当金の増加につなげるあたり(至極まっとうな発想なのですが…)経営者の姿勢が変わってきているのではないか、と思います。

22日に増配を発表した銘柄をいくつか見ていきましょう。
・週明け25日には人気を集めそうなのがプレストレスト橋梁でトップクラスのPS三菱。2019年3月期の業績見通しを増額修正し、期末配当金の予想を従来の18円から32円(普通配当20円+特別配当12円、前期は年18円)へと大幅増配を実施します。この「特別配当」が何を意味するのか分かりにくいのですが、とにかく前期比14円増という大幅増配です。繰延税金資産の計上という特殊要因があるため、連結ベースでの1株当たり利益は149円に膨らむ見通しです。
この会社、配当金は期末1本の支払い。22日の株価595円で計算すると、配当利回りは5.4%。これは刺激的です。
ただ、1株利益149円に対し32円の配当金ですから、配当性向は21.5%でしかありません。日経による日本企業の平均配当性向32%に届きませんし、同社が3年前に公表した中期経営計画での「連結配当性向23%」という目標数字にも未達。来期にはもっと頑張ってほしいものです。
・倉庫最大手の三菱倉庫も期末配当金予想を従来の15円から30円に増やし、中間期実績の15円と合わせて年間45円配当(前期実績は株式併合を考慮した実質で28円)とします。同社はこのほど、22年3月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、そのなかで「年間配当金は特別な事情がない限り60円を下限とする」という方針を打ち出しました。来期から60円以上の配当金となるわけですが、今期の従来計画(年間30円)との格差があまりにも開きすぎる、ということなのでしょうか、今期末から年間60円体制に移行を決めたようです。
・独立系中堅証券の藍澤証券は「連結ベースでの総還元性向50%以上の利益還元」という利益還元基準を新たに設定し、前期比3円増配します。
・メディア広告のアイティメディアは22日、3月29日から東証1部への市場変更が認められました。それを記念して1円の記念配当を実施します。
・増配でなく、復配を発表した銘柄も。工作機械のエンシュウはこれまで「0円」としていた期末配当金について、10円実施することを決めました。同社の配当金支払いは2008年3月期以来11期ぶりのことになります。

ちなみに、日経平均採用銘柄の平均利回りは2.17%(単純平均)。とても割安です。
(イワモト)