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鈴木 一之 の投稿

年明けから米国とイランとの間で戦闘リスクが浮上し、世界はいきなりリスクオフ・モードから2020年の株式市場はスタートしました。

年明けから目まぐるしい展開が続いていますが、少し落ち着いてきたのでここで冷静に周囲を見回せば、いまの日本はあいかわらず問題が山積みの状態です。アベノミクスのかつての「3本の矢」のうち、成長戦略はなかなか成果が見えません。

私の暮らす町では、子どもたちに人気のあったお団子屋が昨年末に閉店しました。シャッターに貼られたあいさつ文には、「44年間のご愛顧、ありがとうございました」と書かれていました。

お団子屋だけではなく、昨年後半から立て続けに酒屋、クリーニング店、中華料理店など、小さなお店が次々と姿を消しています。やはりシャッターのあいさつ文には「23年間、お世話になりました」などと述べられています。

店をたたむ理由をご主人に尋ねると、社長(ご主人)の高齢化が最も大きく、そこに後継者難、材料費の高騰、耐用年数を迎えた機材の入れ替え負担、などが厳しいと言います。

それ以上に深刻なのが、店の前を通りかかる人の流れが途絶えてしまった、という点です。実はこれがお店を閉める最も大きな理由のようです。買い物は週末に家族そろって、クルマで大きななショッピングモールに行ってしまうとか。

私が子どもの頃は、夕方には近所の奥さん方が毎日決まって買い物に出かけました。毎日のことなので、特段の待ち合わせをしているわけではありませんが、15時から17時ごろは買い物の時間帯です。

商店街への行き帰りで知り合いの奥さんに出会うと、そこで立ち話が始まります。子どもの学校のことや近所のうわさ話など、延々と立ち話が続いていました。私の母もそうでした。気がつけばそういう光景を最近はほとんど見かけなくなりました。以前はなんとも思いませんでしたが、なつかしく思い出す光景です。

商店街のにぎやかな街はいまもたくさん残っています。しかしごく普通の町の、ごく普通の日常生活から人通りが途絶えてしまったという町も、同じようにたくさんあります。英国ではパブが消滅しつつある、というニュースを耳にしましたが、日本では味のある小さな思い出のお店が次々と消えています。

2月、8月決算の多い小売企業の決算発表が佳境を迎えています。繁盛する店舗とそうでない店舗の業績の格差が一段と広がっています。そればかりでなく、上場もしていない町の商店の事業環境は、私たちの想像がまるで及ばない独自の苦悩があるのですね。
(スズカズ)



楽しいお正月休みがあっという間に終わってしまい、ごく普通の日常が戻って来ました。今年もよろしくお願いいたします。

年賀状の常套文句として「今年もよろしく」と書いたり、メルマガに記述したり気軽に使っていますが、今年(2020年)という年はいつものような普通の年ではありません。東京オリンピック・パラリンピックが開催される記念すべき年であります。開会式まであと200日となりました。

16歳で早くも卓球の日本代表選手に選ばれた張本智和選手は、200日となった日のインタビューで「オリンピックまで1日も無駄にしないように過ごして、レベルアップしてゆきたい」という決意を述べました。代表に内定した選手、もしくはそれを目指しているすべてのアスリートがおそらく同じ気持ちを抱いていることでしょう。「人生の1日たりとも無駄にしない」という覚悟を決めた、濃密な生き方をしてこなかった身としては、ぐっと胸にせまる響きがあります。

時間は有限です。誰にも平等に24時間が与えられています。しかしそれでも人によって、のぼることのできる高みに差がつきます。

PCの画面に向かって内外のニュースを追いかけたり、企業のHPを見たり経済統計データを調べたりしているとあっという間に時間は過ぎてゆきます。夜明け前から始めた調べものに時間を費やしていると、気がついたら昼過ぎになっていることもざらにあります。夕刻が迫り1日が飛ぶように過ぎて、そうして1週間、1か月が飛ぶように過ぎ去ります。

私個人の感想を述べれば、昨年(2019年)は1月から8月ごろまでは記憶も鮮明です。6月末の大阪・G20サミットの様子をなぜか克明に覚えています。それがラグビーW杯が始まった9月後半からは瞬く間に時が過ぎ、そこから年末までは文字通り、あっという間に過ぎ去りました。「1日も無駄にしない」という生き方では決してありませんでした。その期間の株式市場がそれだけむずかしい局面にあったように思います。

年末年始は日本と世界を揺るがす出来事が立て続けに起こっています。それでも今年はぜひとも1日を大切に、1日たりとも無駄にせず、予習と復習をしっかりして、大切に生きてゆきたいと思います。あらゆる人が決意を新たにする年の初めにあたって、恥ずかしながら私も決意を述べてみました。月並みですが、どうぞ2020年もよろしくお願いいたします。
(スズカズ)
今日はクリスマス。聖なる夜は世界中が厳粛な面持ちの下に過ごすことになります。今年は北朝鮮の金正恩委員長が何かしらのプレゼントを用意しているようなので、厳粛とは違った意味で息をひそめて過ごさざるを得ません。

多様性の時代です。したがってクリスマスとは言え、以前よりも宗教色が薄められるようになりました。無邪気に「メリークリスマス!」と唱えることが許されなくなりました。2019年もこうして暮れてゆきます。

今年のマーケットを振り返って最初に思い浮かぶのは、いよいよ「不景気の株高」が始まったという点です。株価は景気に先行します。景気が悪くても株価は上昇します。言い方を変えると、株価の大底は常に不景気のどん底で形成されるという点です。株価が上昇し始めて、しばらくした後に景気の底入れがついてきます。2019年はそのような分岐点の年だったということになります。

株価が大底を打つのは、景気がボトムを打たなくてはなりませんが、両者の間には時間差があります。景気がボトムを打つには、それ以前に「足元の景気は悪い」と認識することが必要です。ところが現在の安倍政権は、アベノミクスによって過去最長の景気拡大を続けているという見方を崩しておりません。その認識のままでは景気はなかなかボトムを打ちません。

10月に関東地方を中心に激しい台風が襲来しました。春先から北半球で頻発していた集中豪雨、洪水、竜巻、爆弾低気圧が台風という形で一度に日本を直撃しました。3か月が経過した今もなお復旧作業が進んでいない地域が多数残っています。「水」という言葉を使用することもためらわれるような状況が今なお日本の空気に漂っています。被災地の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

そして12月、災害復旧を中心とした総額26兆円の経済対策がまとまりました。バブル崩壊後、1990年以降の30年間で財政支出が10兆円を超える規模の経済対策はこれで5回目です。東日本大震災の直後を除けば、景気の拡大が続いているという認識の下でこの規模の経済対策が打たれたのは初めてです。

株価のボトムは景気が悪化しているという認識に伴われてやってくるものですが、今回はそうではありませんでした。言語を絶する台風被害が巨額の経済対策を引き出し、それが株価底入れに少なからず作用したとも考えられます。視野を日本国内だけに限定するとそうなります。年の十大ニュースを私が選ぶとすると、第1位は「26兆円の経済対策」となります。

海外に目を転じて、米国、中国、欧州、英国、インドのことを考え始めると結論にはまったく至りません。それほど世界は複雑化し予測不可能になっています。その中で経営判断を下してゆく企業トップはたいへんです。2020年はもっと激しい企業サイドの変化が出てくることでしょう。上場企業の周辺の動きに目を凝らしておきたいものです。

少し早いかもしれませんが、今年も「東京マーケットワイド」をご視聴いただき、誠にありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
(スズカズ)
クリスマスまであと1週間。世界中の株式市場が大きく上昇しています。投資家にとってこれ以上のプレゼントはない、というほどのサンタクロースが運んできた最高の贈り物です。

株価を押し上げている最も大きな理由は、言うまでもなく米中間の貿易交渉が第1段階の合意に至ったことです。アップルの株価がさっそく史上最高値を更新しているように、消費財への制裁関税の発動はぎりぎりのところで回避されました。

合意しやすいところから合意したともみられており、よりむずかしいのは年明け早々に始まる第2弾の交渉とみられています。現時点ではひとまずこれでよいとして、先行きに対しては警戒心を緩めるわけにはいきません。

世界の株価を押し上げている理由の二つ目が、英国の総選挙で与党・保守党が勝利を収めたことです。単なる勝利にとどまらず、圧倒的な過半数を確保する地滑り的な圧勝となりました。毀誉褒貶の激しいボリス・ジョンソン首相は人生を賭した大きな賭けに勝ちました。

英国、とりわけイングランドはEUからの早期離脱を望んでいることがはっきりと示されました。同時にそれは、スコットランドの独立を一段と前に進める結果ともなりました。今後はスコットランド独立とアイルランドの統一問題も年明けの早い段階で取り上げられることでしょう。

しかし今回の英国総選挙でより注目されるのが、完敗を喫した野党・労働党のあり方です。この期に及んでEU離脱問題に明確な方針を提示できなかったという点が敗因であることは明確です。

ただしより本質的には、マニフェストで掲げた選挙公約が英国民からことごとく拒否された点も見逃せません。国民医療保険の強化、富裕層への増税、鉄道・バスなど公共機関の国有化。「大きな政府」を志向する政策のほとんど顧みられませんでした。

よく見ればこれらの政策は、米国のエリザベス・ウォーレン上院議員の選挙公約とそっくりです。米国で広がる深刻な格差是正のために、社会主義的な政策が若者の間で支持されています。しかしそれは、社会のある部分の階層には評価されても、国民全体では拒絶反応の方が大きくなります。
今回の英国の総選挙は、来年の米国の大統領選挙における共和・民主両党の選挙公約に大きな影響を与えるものと考えられます。12月18日付の日本経済新聞でピーター・ティールも指摘しています。「格差のないゼロ%成長よりも、格差を抱えた3%成長の方がより多くの人が幸せになれる」。

問題の本質は格差の存在ではなく、成長率そのものであることが明らかになってきました。大人も子供も夜空を見上げて、サンタクロースのプレゼントを待ち望みましょう。
(スズカズ)
「ディズニーランドは永遠に完成しない。想像力のあるかぎり、成長し続ける。」(ウォルト・ディズニー)

12月相場も粛々と進んでいます。日経平均はすっきりと上値を追いかけるという展開にはなっておりませんが、米国と中国との間で貿易交渉が大詰めを迎えているという状況ではそれも仕方のないところです。

もはや世界のマーケットを取り巻く投資環境としては、懸念材料がひとつ残らず消え去って、雲ひとつない青空のようにすっきりと展望が開ける状況は願っても訪れることはないのでしょう。それを十分にわかったうえで、それでも安定的な成長の見込まれる株式に投資してゆくというのが、合理的な投資家に求められる思考法ということになりそうです。

今年1年間を振り返ってみても、株価の居どころが大幅に変わった銘柄が数多く存在します。値上がりした銘柄をテーマごとに分類すると、今の世相が浮かび上がってきます。

【アクティビスト、モノ言う株主】(上昇率、1年前との比較)
アイ・アールジャパンHD(6035):+216%
ユニゾHD(3258)+119%
オリンパス(7733)+104%

【台風被害、地盤強化、国土強靭化対策】
いであ(9768)+215%
福井コンピュータHD(9790)+158%
パスコ(9232)+125%
昭和電線HD(5805)+100%

【義務教育でのIT活用、プログラミング教育】
内田洋行(8057)+173%
ジャストシステム(4686)+142%

【5G、CASE向け部品、電池】
第一精工(6640)+122%
ヨコオ(6800)+116%
日東紡(3110)+113%
三桜工業(6584)+115%

【半導体向け設備投資】
レーザーテック(6920)+196%
アドバンテスト(6857)+157%
ローツェ(6323)+135%
オルガノ(6368)+130%

【働き方改革、DX、組織改革】
シグマクシス(6088)+144%
ベイカレント・コンサルティング(6532)+113%

どんなに経済が混乱しても、明日がまるで見えないほど世の中が複雑になっても、人々がよりよい暮らしを求める限りそこには成長企業が出現します。ウォルト・ディズニーの指摘するように、人間には想像力という偉大な知恵があるのです。

まもなく始まる2020年も株価の位置を大きく変える銘柄が数多く現れることでしょう。そのような成長企業をリアルタイムで見つけてゆくことが時代感覚そのものです。それが楽しくてなりません。
(スズカズ)