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ブログ:Onevoice

鈴木 一之 の投稿

大型連休が終わりました。今年もどこにも出かけずに、家の中にこもる日々が続きました。こんな状態がいつまで続くのでしょう。

アメリカ、イギリス、スペインなどが次々と外出制限や夜間外出禁止の規制を解除しています。さっそく若者たちが夜の街に繰り出して大騒ぎしています。高齢の人たちは昼間の公園でのんびり日光を浴びて語らっています。

開放的でいいですね。そこに至るまでに厳しい巣ごもりの日々がありました。トンネルの先に見えた初夏の光が欧米諸国に差し込んでいます。台湾やニュージーランドもみごとに感染を抑え込んでいます。

ひるがえって日本。高齢者向けのワクチンは自治体に届いているのに、予約の電話はつながりません。接種する担い手も足りません。アプリもいまだに完成しません。それでもテレビのニュースでは、連日のように「感染爆発の危機にさらされています」と連呼されています。縦割り行政の弊害がまともに出ています。誰も責任を取りません。

日本は何ごとにも着手するのが遅いことで知られています。「失われた20年」は不良債権の処理の遅れがもたらしました。過剰資産・過剰雇用・過剰債務の「過剰3兄弟」の解消も、円高を是正するはずの金融緩和も、すべて遅れに遅れました。その性癖をうっかり忘れていました。

ワクチン接種もそれらと同じくらいに遅れるのでしょうか。しかし今回は人命がかかっています。コロナウイルスもワクチンの攻撃を回避しようと、どんどん変異してゆきます。タイミングの遅れは致命的です。

ここはひとつ、徳川家康公が垂れたとされる「怒りは敵と思え」を胸に秘めて、つとめて明るい人の周りに近づくようにしたり、じっと目を伏せて時の到来を待つことにします。その間に事態がよい方向に進んでくれるのを祈るだけです。決算発表を見る限り、企業の中には変化が起こり始めているように思います。
(スズカズ)


午前6時の東京・日本橋。いつもなら名古屋発・東京着の深夜高速バスが到着している場所に、バスの姿がありません。定期運行が停止されたのでしょうか。早朝から営業しているカフェを探す、名古屋方面からの若い人たちの姿がありません。こんなところにも影響が出ています。

3度目の緊急事態宣言が発出されました。「東京マーケットワイド」の担当曜日が変更されます。私の担当も水曜日の午前から火曜日の午前にシフトします。どうぞよろしくお願いいたします。

単に曜日が変わるだけのことですが、私にとって変化の度合いはけっこう大きいものがあります。野球でいうところの「ホーム」と「ビジター」の違い、サッカーでいう「アウェイ」での戦い、となるでしょうか。

日本と米国のプロ野球界で大記録を打ち立てたイチロー選手がかつて、メジャーリーグで何がたいへんかとインタビューで問われて、相手チームの球場まで遠征した時の時差がつらい、と答えていました。

米国は広いので西海岸と東海岸で時差があります。私には時差の苦しみはありませんが、その代わりに別の悩みがあります。曜日が変わったときに最も戸惑うのが、ゲストの方とのやりとりです。

「ホーム」の水曜日のゲストの方とはお付き合いが長いので、あうんの呼吸である程度はやりとりできます。こう尋ねればこういう答えが返ってくるだろうと、おおまかに予想ができるようにもなります。ここで尋ねるべき質問、尋ねてはならない質問というものも、全てではありませんが把握するようにつとめています。

それが「ビジター」の曜日ではがらりと変わり、いちから始めなくてはなりません。野球でもマウンドの高さや硬さが違うといいますし、外野のフェンスのクッションボールも違うそうですから、曜日が変わってゲストの方が変わればやりとりが変わるのは当然です。

なんとか慣れようとするのですが、そうすると慣れてきたころに緊急事態宣言が解除されたりします。ゲストの方もたいへんだと思います。

曜日が変わって変化するのはゲストだけではありません。株価の動きそのものが違います。火曜日と水曜日の株価は、明らかに動きが異なります。それをアノマリーと呼んでもよいかもしれません。企業からのリリースの頻度からして違っています。木曜日と金曜日はさらに違いがあるのでしょう。

そんなこんなで火曜日の前場、よちよちですがお付き合いくださいませ。
(スズカズ)



「相場観は十人十色」です。ひとりとして同じ相場観を持っている人はいません。

企業に関するニュースは日夜あふれるほどに報じられます。大きな展示会における新製品の発表、大ヒットした連載漫画の実写版映画の封切り、新型のゲーム機、そのゲームソフト、来年度の生産計画、新型スマホの開発状況、新卒生の採用計画、海外への工場進出、本社ビルの売却、外国企業との提携・買収、社長交代、希望退職者の募集、火災発生と復旧状況。

何百人、何千人の人が集まって「カイシャ」という組織を作って、企業ははじめて製品やサービスを生み出すことができます。そのカイシャでの日々の営みの中でニュースが何も出てこないことなどあり得ません。大きなニュース、小さなニュースを問わず、人々が活動するうえで毎日必ずニュースになる話題が発生します。

企業からなにかニュースが報じられた場合、株式市場ではそれを「材料」と呼んで株価が動きます。動かない時もありますが、普段はいくらかずつ動いています。同じニュースでもある人はそれを買い材料ととらえ、別の人はそれを売り材料ととらえます。

売りと買いが市場の中でぶつかりあって、株価が形成されます。買いばかり、売りばかりの一方通行では売買が成立せず、値段がつきません。相場観とは、日々変動する価格(株価)に対するその人の感度です。

ある材料を売りと考えるか、買いと考えるか。言い換えれば、何をもって安いととらえ、高いと考えるか。それはその人の人生経験がすべて投影されます。おおげさに言えば、株式投資は生き方とか社会との距離感、人生観のせめぎ合いそのものです。

江戸川コナンこと工藤新一の決めゼリフは「真実はいつもひとつ!」。それが株式投資では「相場観は十人十色」。真実はひとつではありません。人の数だけ存在するのです。(「名探偵コナン」のテーマソングが頭の中で鳴り続けています。)
(スズカズ)

4月相場も半分が過ぎました。早いものですね、という言葉を最近はとても多く使っているような気がします。

4月は四半期が終わったばかりなので、決算発表の季節でもあります。日本では2月決算の小売企業を中心に、先週から活発にアナウンスされています。

今回の小売企業の決算で、最も注目される点は、私は「新しい日常生活」にどのように対処してゆく方針なのか、そのあたりを企業経営者がどこまで踏み込んで発信してゆくか、という点に置いています。

各社の決算短信はとても読みごたえがあります。企業によっては早くも、デジタルトランスフォーメーションの流れを上手に取り入れているところと、そうでないところに分かれ始めています。経営者であれば、投資は不景気の時に行うに限ると熟知していますので、現在がそのチャンスととらえている企業が多いようです。

株価が天井を形成する状況、大底を打つ状況というものにとても興味があります。株式投資による成果よりも、株価の変動それ自体に惹かれます。

株価の天井は、企業の業績が悪化するから形成されるわけではありません。業績は絶好調なのになぜか株価だけは下落する、という形で天井が形成されます。

同じように株価の大底も、企業の業績が改善するために底打ちするのではありません。長期にわたる下落を経験したのちに、見るも無残なひどい決算を出したのに株価だけは上昇する。そういう時に大底が形成されます。

よい企業がよい決算を出して株価が下落する時が大天井です。内容の悪い企業が悪い決算を出したのに株価が上昇する時が大底です。決算の内容と、それに対する株価の反応との組み合わせが重要なのだと思います。

最近では「株価はバブルか」的な議論は少なくなりました。バブルかどうか、という警戒心があるうちはバブルではありません。まだ上がる、とみんなが考えている時がバブルです。GW明けまで続く今回の決算データが、株価の先行きを決めてくれるに違いありません。
(スズカズ)


4月になりました。昨年の今日(4月7日)に「緊急事態宣言」が発令されました。あれから1年です。

5月にいったん解除され、今年1月に再び発動され、いままた再々発動されそうな雲行きになってきました。それだけは何としても避けてほしいのですが、こればかりは誰にもわかりません。

感染者数を抑えるために最も重要なのは、ワクチン接種と人々の流れを抑えることです。人との距離を保てば感染は防げます。それには外出を避けることが一番ですが、それでは経済はもちません。

本日の日本経済新聞に、この1年間の東京・新宿と大手町の人の流れの変化がグラフで示されています。新宿が規制導入の前後で大きく伸び縮みしているのに対して、大手町はまったく変化していません。びっくりするほど変化がありません。

コロナウイルスが広がろうと収まろうと、規制があろうとなかろうと、オフィス街の人の流れはさほど変わらないのですね。それに対して新宿のような繁華街は規制ひとつで大きく変化します。感染者が増えるかどうかのカギは、繁華街をどのように制してゆくかにかかっていることがあらためてわかります。

この点は株式市場にもあてはまります。株価は景気の変動とともに変動します。それをセクターごとに分解して見てゆくと、景気の変動によって業況が変化するセクターと、ほとんど変化しないセクターとにはっきり分かれます。

「日経・産業景気予測」によってその点を確認すると、景気動向と密接に関わって変化するセクターは3つあることがわかります。「化学」、「産業・工作機械」、それに「電子部品・半導体」の3つです。意外なことに「電機」、「自動車」、「小売」、「運輸物流」、「鉄鋼・非鉄」はそれほど景気動向によって業容は変化していません。

株価を見てゆくうえで「化学」、「産業・工作機械」、「電子部品・半導体」の3業種がより重要であることが意識されます。

人の流れが景気を決定づけ、同時にパンデミックの終息に大きくかかわります。どちらかを立てれば、どちらかが沈み、本当にむずかしい選択だと痛感します。変わりゆく私たちの暮らしを見つめながら、新しい年度の1年もなんとか無事に過ごしたいと願います。
(スズカズ)