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ブログ:Onevoice

鈴木 一之 の投稿

株式投資には情報収集が欠かせません。証券市場に携わって40年近く経ちましたが、情報収集という面ではいまだに毎日、悪戦苦闘の連続です。気を抜いてしまう週末が特に怖いです。

現在はインターネットという強力なツールがあります。制度面では「適時開示情報」というすぐれものもあるので、企業からの開示情報は専用の情報端末がなくても、ほぼリアルタイムで入手できます。2008年以前はそれができませんでした。ニュースに関してはこれだけで十分に株式市場では戦えます。

インターネットがなかった時代を思い出すのもむずかしいほどです。かつては企業の決算発表は、新聞紙面に掲載されるのを待つしかありませんでした。決算短信は印刷されて専門書店の専用コーナーに並ぶのを待つしかありませんでした。それを自腹で買ってました。すべての企業が載るわけではありませんが、しかしそれでも充分に足りていたように思います。

スタートしたばかりの岸田政権では、四半期開示の在り方が見直されようとしています。上場企業からすれば、3か月ごとに決算を開示するのはたいへんなのでしょう。四半期の経営成績で企業が評価されること自体がおもしろくないのかもしれません。

実際には財務データの公開という点で、徐々に後退していると思える部分も実は増えています。企業によっては月次や四半期の受注動向を発表していたのに、最近になってそれらの公表を取りやめる企業も見られます。ライバル企業も閲覧することを恐れているのかもしれませんが、業績の方向性を追いかけるのにとても便利だったのに、それらがなくなってがっかりすることも数知れません。

しかし週次、月次で財務データを開示している企業もあります。公表はしていないけど内部向けには、おそらく日次の開示情報も存在するはずです。デジタルトランスフォーメーションの時代です。財務もテクノロジー面で大幅に進化しているでしょうから、それほどたいへんな作業ではないように思いますが、どうでしょう。

岸田首相にぜひともお願いします。後場の立会い時間の30分延長は認めますので、四半期ごとの適時開示情報だけはぜひともなくさないでください。決算数字との格闘が楽しいのです。
(スズカズ)
この8時間足らずのうちに、まったく同じ言葉をふたりの日本人から続けて聞きました。

ひとりは今年のノーベル物理学賞を受賞された、真鍋淑郎・プリンストン大学上席研究員です。真鍋氏が取り組んだコンピューターを使った気候モデルは、現代の地球環境問題の研究の礎えを築く功績となっており、スーパーコンピューターを用いたシュミレーションが世界中で多用されています。

その真鍋教授が早朝のNHKニュースが放映した最新のインタビューの中でおっしゃっています。「気候の問題を研究することが、楽しくて仕方なかった」と。

もうひとりは大リーグ4年目の今年、「48ホームラン、138安打、100打点、26盗塁、9勝、156奪三振」という信じられない記録を樹立したエンゼルスの大谷翔平選手です。

「小さい頃は野球をする週末になるのが、楽しみでしょうがなかった」と、昨日の日本経済新聞・スポーツ記事が伝えていました。大谷選手はその「楽しくて仕方ない」という感覚が、海をわたってメジャーリーグに行った今もずっと続いているそうです。

90歳の真鍋教授と27歳の大谷選手。偉大な業績を成し遂げたふたりがそれぞれ素直に口にする「楽しくて仕方ない」という感覚に、ストレートに感服いたします。気候問題と野球、ジャンルはまったく異なりますが、これと決めた物事に熱中し没頭しているうちに神さまから愛され、さらなる高みにどんどん進んでゆくようになるのでしょう。

そのひたむきな姿に周りの人たちは吸い込まれます。そういう人たちの夢中になって取り組む姿を見ているうちに、さあ私も一歩あゆみ出そうという気持ちがみなぎってきます。真鍋教授と大谷選手、本当におめでとうございます。
(スズカズ)

いよいよ自民党総裁選の投票です。今日の午後、事実上の日本のトップが決まります。私も日本人のひとりとして、できるだけ長く首相を務めていただきたいと心から願っています。それだけの長期政権を担う能力、胆力、そして見識のある立派な方が選び出されることを望みます。

今回の総裁選は、実質的には1か月にわたって各候補の政策論争に触れてきました。その中で最も印象に残っているものは、コロナ対策でも日米同盟堅持でもなく、やはりエネルギー問題です。日本の将来の電源構成、エネルギー戦略をどうしてゆくのか。

その一点において、高市早苗・前総務相の持論である「核融合炉」には惹きつけられました。これが実現すれば、現在のエネルギー問題および地球環境問題はたちどころに解決の糸口が見えてきます。

しかしそれには多大な困難が伴っており、日本・米国・欧州・中国・韓国・インドがそろって共同研究に臨んでいますが、実用化には早くてもあと30年はかかると言われています。

核融合は太陽のエネルギーに代表されます。4個の水素がヘリウムに変化する時に膨大なエネルギーが放出されます。太陽はすでにそれを46億年も飽きずに繰り返しています。これを地上で実現させようというプロジェクトが「核融合炉」の開発です。

まさに地上に太陽を創り出す遠大な人類の夢ですが、それには3つの大きな壁が立ちはだかっているとされています。ひとつは、水素を1億度の超々高温に加熱すること。ふたつめは、1立方センチの中に百兆個の密度を維持すること、三つ目は、1億度のプラズマ(水素の原子核と電子を切り離した状態)を1秒以上封じ込めること。いずれも技術的に想像を絶するほどの高いレベルが要求されます。

日本はこれらの壁に挑戦するのに必要な技術の95%を、国産で調達できる世界でも稀有の国でもあります。完成は21世紀の後半になるでしょう。私はそれを見ることはできないかもしれません。新しい日本の首相が誰になろうとも、国家百年の計として、ぜひともそれに挑んでもらいたいものです。
(スズカズ)



連休明けの昨日(9月21日)、日経平均が3万円の大台を割り込みました。大騒ぎです。夜7時の報道番組ではそれをトップニュースで伝えたほどです。

株価の変動がお茶の間に、リビングに、キッチンに、生活の至るところ、とにかくどこにでも瞬時に飛び込んできます。それもほとんどの場合、値下がりしたケースです。株価が大きく上昇したことがニュースになることはごくまれです。悲劇はニュースになり、幸せな話題はニュースではありません。

立憲民主党が「アベノミクス」の政策効果を総括しています。株価の上昇に貢献しただけで、格差や貧困の問題の改善にはつながらなかった。むしろ格差を拡大させただけで、そのために日本はいまだに混迷から抜け出せていないとして、経済政策としては失敗だと断じています。

証券市場の末席に職を得ている私自身の立場としては、株価の上昇を促しただけでもよしとする部分はあります。しかし平均的な日本人のひとりとして、日本全体では何も変わっていない、まるでよくなっていないという批判の部分にもうなづけます。

増税もけっこうです。国の財政を立て直すため、将来世代に禍根を残さないため、あるいは年金の財源を確保するためであれば、増税も仕方ありません。受け入れます。

しかしここでの問題は、税金の使い道がまったくもってでたらめだという点です。社会のあらゆるシーンに歴然と残っている利権構造を残したまま、ただ増税だけを行っては何も変わりません。消費税の増税分がまるで社会保障費の補充に使われていません。それだけは勘弁してくれ、というのがこれまた平均的な日本人の率直な意見だと思います。

ひるがえって自民党総裁選。このような利権構造の象徴でもある「桜を見る会」、「森友学園問題」、「加計学園問題」への追及を今後も行ってゆくのか否か、各候補には態度をきちんと表明してもらいたいものです。

安倍政権を居抜きで継承した菅政権は一切の追及を行いませんでした。それが政権継承の条件だったのかもしれないとうがって考えてもしまいます。今後も「追及しない」という候補が勝つのであれば、日本の変化はさほど期待できません。株式市場は二極化相場をますます強めてゆくことでしょう。
(スズカズ)
世の中はグローバル時代です。世界中の動静がテレビ画面を通じて、リアルタイムで毎日のように飛び込んできます。昨年からのコロナウイルスの感染拡大によって、特に海外の情勢に気を配る機会が増えました。

このところ最も頻繁に目にする光景は、「9.11」から20年が経過したニューヨークのマンハッタンの様子、ハリケーン「アイダ」が通過したルイジアナ州の変わり果てた市街地、そして米軍が撤退してタリバンが全土を制圧したアフガニスタンです。

この夏は速度制限が時速30kmに制限されたパリの中心部の光景や、記録的な水害に見舞われたドイツ西部・ベルギーとの国境の風景もよく目にしました。

ニュース自体にも引き込まれますが、それにも増して興味深いのが、画面のすみっこの方に映り込むなにげない町なかの様子です。民家があり商店街があり、緑の街路樹もあって、公園の遊具も動いています。ごく普通の人々がなにげなく通り過ぎてゆく風景、毎日の人々の暮らしが思わず映し出されています。

ニュースが伝えようとしている本筋のストーリーとはまったく関係ないのですが、その国、その土地のごく平凡な一日の光景にニュースの深刻さを忘れてじっと見入ってしまいます。

暮らしぶりも食べ物も考え方も違う人々がここにも当たり前に暮らしていて、毎日を笑ったり怒ったりしながら過ごしています。普段は注目もされない場所に突如として大きな事件が発生して、そしてテレビクルーが乗り込んでカメラを回して、女性キャスターがマイクを向けてインタビューが始まります。

注目される部分と注目されない部分、うしろ側にただ偶然に映っただけの日常の風景なのですが、そういうものたちの方が雄弁に物事を語っていることがあるのが不思議です。

東京オリンピックでメダルを争うアスリートたちの戦いの場の、そのうしろ側で競技をスムーズに進行させているスタッフの立ち姿。そういうものに心が惹かれます。株式市場でもそれは同じで、3万円の大台に乗せた日経平均の寄与度上位(下位)の銘柄よりも、それらの背景に引っ込んでしまうような、隠れた存在の企業に思わず目が向いてしまいます。
(スズカズ)