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ブログ:Onevoice

鈴木 一之 の投稿

20年前、阪神淡路大震災の3年後、大学時代の仲のよかった友人が亡くなりました。急性骨髄性白血病でした。

私の通った大学は入学時にクラス編成があって、あいうえお順に3つのクラスに分けられます。小学校みたいなことを大学はやっているだな、と入学時には生意気にも思いましたが、この時に集まった友人とは現在に至るまで人生のほとんどを折々でともに過ごしています。

鈴木の「S」は1組なので、周囲は「K」や「T」の頭文字の友人ばかりになりました。亡くなったTくんはハンドボール部、私は水泳部、その他にも空手部、ボート部、アメリカンフットボール部など、自然と運動部系の友人と仲良くなりました。

大学のクラス活動は2年間の必修授業だけで、あとはそれぞれの履修科目によってばらばらになります。ハンドボール部のTくんはジャーナリスト志望で、そのせいで学内よりも学外での活動に忙しそうでした。学費はすべて自分でアルバイトして支払っていました。

大学を卒業しても学び足りないのか、受験勉強をもう一度はじめからやり直して、沖縄の大学の水産学部に再入学したほどです。

卒業して社会に出て10年と少しが経ったころ、Tくんから身体の調子が悪いと告げられました。仕事をしていてもすぐに座り込んでしまう、ひどく疲れやすい、階段をのぼるのに30分もかかってしまう、ということでした。病院にかかったらすぐに白血病と判明し、即入院。それからは放射線治療を行いながら、骨髄移植のドナーが見つかるのを待つ日々が続きました。病院には何度もお見舞いに行きました。

骨髄移植の成功はドナーと患者さんが適合するかどうかが重要なのだそうです。骨髄という人間としての根幹を、丸ごとそっくり別の人と入れ替えてしまうのですからそうなのでしょう。Tくんの場合、時間はかかりましたが幸運にも適合するドナー提供者が見つかりました。退院して自宅での療養に移り、お見舞いに訪れた時のお母さまのうれしそうな笑顔が忘れられません。

骨髄移植は成功しましたが、しかし免疫力の低下は防ぎようがありませんでした。数年後にTくんは帰らぬ人となりました。今でもハンドボール部、空手部、ボート部、アメリカンフットボール部の友人が集まるとTくんの話になります。私たちの中のTくんは大学1年生のままの変わらぬ元気な姿です。

20年が経ちました。現代医療は信じられないほどの速度で進化し続けています。不治の病もどんどん克服されています。池江璃花子さん、心から応援しています。世界一速く、世界一美しいバタフライと笑顔をまた見せてください。
(スズカズ)

いまや「健康で長生き」がすべての日本国民の合い言葉となっています。人生百年時代です。

健康は、身体上のすこやかな暮らしからもたらされますが、できれば精神上でも同じように健康でありたいものです。それには人生において楽しいこと、うれしいことをたくさん見つけることが肝心です。幸せ探しですね。

日々のなにげない暮らしの中から、楽しいことやうれしいことを見つけてくることが本当に得意な人がいます。私の身近な知人の例を挙げると、よく晴れて空が青くて洗濯物がよく乾くというだけで、実に幸せそうにしている女性がいます。彼女は仕事を持っていて毎日忙しく過ごしているのですが、日々の生活のなにげないところから上手に幸せの種子を見つけ出してきます。

その反対の例では、周囲がうらやむほどの豪邸に暮らしていて、お手伝いさんが何人も働いていて、何ひとつ不自由のない暮らしをしているように見えて、私は貧乏くじを引いたと嘆いてばかりいる女性もいます。この人に何があれば幸せと感じるのかと尋ねてみると、あなたのような暮らしがしたいと言います。ごくありふれた、平凡な人生に心からあこがれを抱いているようです。

幸せをみつけたり心の健康を維持したりするのは、ある種の才能が必要ではないかと思います。才能でなければ、訓練と言ってもよいかもしれません。「足るを知る」と言ってしまえばそれまでですが、手に入らないものを望み過ぎると幸せはどんどん遠のいていくようです。

大きなことを成し遂げるには大望がなくてはなりません。株式市場では第2、第3のアップルやグーグルの出現を待ち望んでいます。その一方で、幸せの近道は身の回りの小さなことを見つめることが肝要です。極大と極小。この両者は両立しにくいのでしょうか。

何をもって幸せとみなすかは人それぞれです。なごやかな人間関係があれば穏やかな暮らしが過ごせるという方もいるでしょう。しかし中にはそれを望んでも豊かな人間関係を得られない人もいます。幸せの定義はむずかしいものですが、決してどこか遠いところにあるのではなく、ごく身近なところにたたずんでいることだけは間違いありません。

「健康で長生き」の議論を始めると、決まって幸福論にたどりついてしまいます。宗教を抜きに幸せを語るのはかなりむずかしく、思えば深遠なテーマでもあります。若い方もまだまだ遠い将来のお話、などと悠長にかまえてはいらないようですね。
(スズカズ)
人間は習慣の動物です。朝、目が覚めてから、夜眠りにつくまでほとんどが無数の習慣に支配されて行動しています。

習慣によって性格や体質が作られ、健康状態が維持され、それで生き方もかなり決まってきます。よい習慣はよい生活をもたらし、悪い習慣は悪い結果につながります。よい人生を送るにはよい習慣を身につけることが一番の近道です。

生活習慣病は食生活と運動量によって引き起こされます。日本人の食生活は戦後すぐの1950年から2000年まで、50年間で劇的に変化しました。肉と卵と牛乳の摂取量がいずれも10倍以上に増え、かわっておコメの消費量が半分に、イモ類は10分の1に減少しました。

その結果、日本型の脳卒中である脳内出血は激減しましたが、反対に欧米型の脳卒中である脳梗塞(血栓)や心筋梗塞、糖尿病、通風、脂肪肝が増えました。これらがいまや「生活習慣病」と呼ばれています。

実は米国人もこれと同じような経験をしており、1910年から1940年にかけてイモ類の摂取が減り、肉類・卵・乳製品が増えました。その結果、肥満、大腸がん、前立腺がん、白血病、乳がんが増加しています。重大な病気の有無は食生活によってほとんど決まってしまいます。

がん、肥満、脳梗塞が激増する状況に危機感を抱いた米国は、1970年代に上院が中心となって「栄養問題特別委員会」を設置して、2年間にわたる原因究明プロジェクトを実施しました。アポロ計画に匹敵する国家予算をつけて、最終的に5000ページに及ぶ調査報告書をまとめました。それが有名な上院報告書「栄養の目標」です。

その報告では、
(1)炭水化物の摂取を増やし、摂取エネルギー総量の55~60%にする
(2)脂肪摂取量を摂取エネルギー総量の30%に減らす
(3)砂糖の消費量を40%減らす
(4)塩分摂取量を1日3グラムに減らす
などが提言としてまとめられています。

特筆すべきは、報告の第1番目に「炭水化物をエネルギー総量の55~60%にする」と明記されている点です。その上で、人類にとって最も理想的な食生活は「伝統的な日本食である」と結論づけています。

70年代に得られた知識と現代の進化した最新理論では結論が異なっている部分もあることでしょう。それでも世界中で和食ブームが今もって広がっています。当の日本人が糖質オフを標榜して、赤身肉ブームに走っているのは皮肉な状況です。
(スズカズ)

初春の季節が過ぎて厳冬の日々がやってきました。インフルエンザの流行はここからが本番です。みかんをたくさん食べて、外出時はマスクをつけ、うがいと手洗いを励行しましょう。

「1月は冬か、春か」と問われれば、ほとんどの人は「冬」と答えます。それが正解です。初春の表現は年賀状の語句や俳句の季語であって、寒さはこれからが本番です。

では2月はどうでしょうか。四季の移ろいがはっきりとしている日本だからこそ、このような問いかけが成立します。2月も厳しい寒さが続き、降雪量もますます増えますが、だからと言って2月を冬と言い切るのは必ずしも適切ではありません。日の長さが1か月前とはまるで違います。

関東地方の暮らしで述べれば、午前6時の明るさは1月は真っ暗でも、2月は地平線にかなり明るさが増しています。梅の花もちらほらほころび、2月は寒さは厳しいものの、それでも春の足音はすぐそこにきていることが五感でわかります。

景気動向と株価の関係も同じです。景気は悪いけど底入れ反転のタイミングがすぐそこに迫っている、という実感がどこかで訪れるはずです。「景気後退の7合目」とか「8合目」という局面がきっとどこかにあるに違いありません。

IMFが世界経済見通しを下方修正しました。昨年10月に続いて2度目のことです。その昨年10月、日経平均が27年ぶりの高値を記録した直後に、株価は▲1000円安の急落を何度も経験しました。

日本電産の永守重信会長は、通期の業績見通しを下方修正した先週の記者会見で「11月、12月に尋常でない変化が起きた」と表現しました。12月にはNYダウ工業株をはじめ世界中の株式市場が音を立てて崩落しました。

世界は高速インターネットで24時間接続されています。スマホの普及によって、ユビキタスなネット環境が全世界に張り巡らされ、地球上のどこであろうと大規模な武力紛争や自然災害の発生は、ほぼリアルタイムで知ることができます。結果的に世界の人々の思考と行動は、ほとんどリアルタイムで同期するようになったのです。

株価は1000分の1秒単位で取引されています。世界経済はますます緊密にシンクロナイズするようになりました。株価の動きこそが人々の行動を決定づけます。景気動向は日本も米国も、中国も中東もさほどタイムラグはありません。いまや好景気も不景気も、世界はすべてリアルタイムで連動して動いています。

昨年10月のIMFの世界経済見通しの引き下げを起点に、世界は大きく方向転換しました。それが「景気のピーク」、すなわち「景気後退の5合目」だとすれば、今回の2度目の下方修正は「7合目」、ないしは「8合目」にあたります。

季節にたとえれば、今は1月から2月ですね。春はもうすぐです。そして今回の景気後退の「9合目」はどのような光景になるのでしょう。
(スズカズ)


年が改まって半月が経過しました。世の中はすでに活発な経済活が始まっているようでいて、いまだどことなく地に足がついていない感じがぬぐえません。休暇中にくせになってしまった昼寝の心地よさからまだ覚めきっていないように見えます。

家の中は静かに平穏な日常が続いているのですが、窓の外には雨雲が迫り、次なる変動がすぐそこに迫る緊迫した空気を感じます。このままの平穏で済むはずはないのですが、変化の全貌が誰も見えていない落ち着かなさが広がります。

理由はいくつかありますが、ひとつには、政治の世界がまだ本格的に稼動していないことが大きいように思います。米国は政府機関の閉鎖が続いており、日本でも予算審議が始まる通常国会は今月末でないと始まりません。この時期、首相をはじめ主要閣僚は海外に出かけています。政治家にとって新しい年の仕事はじめにはもうしばらくかかります。

いつの時代も、どの国でも、「政治」は常に「経済」の上位に位置づけられてきました。それが日本では長年にわたって経済が政治を引っ張る構図が定着していました。「経済一流、政治は三流」と揶揄されたものです。政治はうしろ側に隠れがちで、普段は経済が前面に立つことが長く続きました。

それがいまや完全に政治が前面に出ています。独裁色の強いロシアや中国は例外として、ドイツ、イタリア、フランス、先進国のどの地域でも政治の持つ決定力が、従来では考えられないほどに高まっていることと無縁ではないように思います。

リーマン・ショック後の変化で最も大きかったものがこの点です。それだけ先行きが見通しのきかないものになってしまったのでしょう。明日の見えない世の中に、はっきりと方向性を示すのがリーダーの役割です。

いつまでも昼寝をしているわけにもいきません。英国ではEU離脱を巡る合意案の賛否を問う議会決議が行われました。結果は202票:432票で政府の合意案は否決されました。結果は当初から予想されたものですが、問題は票差がどれほどまで広がるか、3日後に示される新しい代替案はどのようなものになるのか、という点です。

表面の穏やかな推移の影には、水面下での活発な動きがいつも隠されています。次なる変化の芽を早く目撃するには、水の中に顔を突っ込むしかないのでしょうね。
(スズカズ)