Logo stockvoice

ブログ:Onevoice

中嶋 健吉 の投稿

中国の新幹線(高速鉄道)は2007年に営業を開始、2020年末の総延長距離は38000キロを誇っています。一方日本の新幹線は前回の東京オリンピックが開催された1964年にサービスを開始、半世紀をかけておよそ3000キロの総延長距離になっています。中国は14年で日本の10倍以上の距離を建設したことになり、国家の威信をかけたすさまじさが分かります。

更に2020年の8月には国有企業の国家鉄路集団が、新幹線の総延長距離を2035年までに現在のほぼ2倍の7万キロに伸ばすと発表、その総投資額は少なくとも4兆5000億元(約70兆円)と巨額にのぼります。更に今年の全人代では向こう5年間で1.5万キロの建設を行うと発表し、計画を追認した形になっていました。5年間で150000キロ、年間3000キロになりますので、1年で日本の新幹線の総延長距離を作り上げる壮大なものです。

しかし最近中国メディアのバイドゥーが、中国の新幹線は北京―上海間を除きすべての路線で赤字、負債総額は5.6兆元(約93兆円)になると、これ以上の建設に批判的な記事を出したのです。7月の中国共産党創設100周年を前に、国家プロジェクトの新幹線建設を批判することは、何か政治的な意図がない限り考えられないことです。 そして新幹線建設予算の大幅な減額発表です。

此処から話題が飛びますが、アメリカのアフガニスタンからの撤退に中国が過敏になっていると言われています。各種マスコミが同じように報道しているアメリカの戦略は、アフガンでの余計な出費を無くし、その費用のすべてを対中戦略に投入するというものです。 

中国としてはこのアメリカの物量戦略に対抗するうえでも、国内での無用な出費を抑えたいのかもしれません。このアフガンですが、1979年にソ連が突然に侵攻し、ソ連は其の駐留費の増大、アメリカとの軍拡競争、1980年モスクワオリンピックの西欧諸国ボイコットによる威信低下1986年のチエルノブルイ原発事故等を通じ資金枯渇により崩壊した経緯があります。中国がソ連の崩壊を教訓として身を固めるのも当然でしょう。
米中の本格的冷戦の始まりかもしれません。
(中嶋)

養老渓谷

中嶋 健吉

2021/05/06 07:33

63bb8f1f bbe1 4cb5 b2c9 d949c0883e6a castphoto14 nakajima
拡大するコロナ禍を前に、連休中は外出自粛と決めてはいました。しかし5月4日の爽やかな気候を前に言い訳がましく、(しかし心の内では皆、同じ考えをするのではと危惧しつつ)最終日の明日は混むので、出掛けるのは今日と決めた次第です。

郊外で水と新緑を楽しめ散策できる場所となると、我が家の鉄板の場所は「養老渓谷」になります。実はこの場所は15年も前に亡くなった愛犬が一番好きだった場所でもあり、毎年5月の連休には愛犬と伴に欠かさず訪れる場所でもあるのです。

スイス勤務時代、チューリッヒの我が家から車で僅かな時間走るだけで色々な渓谷に行着つきます。気に入りの渓谷は川幅数メートルで、川岸に歩道が延々と整備されており、犬にとって歩道を走っても良し、渓谷の坂を上り下りしても良しと近隣の住民のみ知る場所で、向かいのスイス人家族が教えてくれたところです。かってこのブログでも書きましたが愛犬は黒のミニチュアプードルで、この渓谷で鍛えた足腰は筋肉が発達しており、連れ帰った日本で獣医がこんなに筋肉の発達したプードルを初めて見たと驚いた逸話があります。

養老渓谷の川幅はスイスの倍以上有るのですが、川岸に歩道が整備されており散策には充分以上の環境です。初めて愛犬を連れて行った時、スイスを間違いなく思い出したのでしょう、大変な喜び様でした。それ以降折に触れ愛犬と訪れる場所になりました。匂いで分かるのか、養老渓谷に近付くにつれ、そわそわし出し甘い声を上げるのはスイス時代と同じでした。

混雑を避けるため昼過ぎに出発、悪い予感が当たりました。皆同じ考えをするのでしょう、既に京葉道路の貝塚トンネルまで渋滞です。養老渓谷では密ではないものの其れなりの人出です。しかし愛犬連れが多く、わが愛犬との昔を思い出し気にはならないものです。

問題は帰路です。早々に出発したのですが、京葉道路は既に18キロの渋滞です。レストランでの夕食は諦め、弁当を買う羽目に。しかし久々の新緑と爽やかの空気を満喫し、不満は感じないものです。コロナ禍での外出は確かに不謹慎ですが、久々に気持ちが晴れたことも事実です。これだけの人出を目の当たりにすると、ステイホームと外出の線引きの難しさを感じざるを得ません私と言えば、このリフレッシュで再びステイホームに向かえると確信したものです。
(中嶋)
4月20日の日経平均は29100円、NYダウは33821ドルで取引を終了しています。 その格差は4721と、NY ダウの0.86倍の水準に止まっており、日経平均の出遅れ感が常々指摘されています。

一方この両指数の歴史を振り帰ると、興味ある関係が浮かび上がります。

  1. 【東証再開 1949年5月16日】
    東証修正平均株価(当時の呼称)   176円
    NYダウ                176ドル

    奇しくも1:1の関係でした

  2. 【1989年12月末】  
    日経平均株価           38915円
    NYダウ                    2753ドル

    日経平均はバブル相場の最高値を付け、NYダウに対し14:1と大きく差を付けます。

  3. 【2003年4月11日】
    日経平均株価             8069円
    NYダウ                 8069ドル

    再び1:1の関係に戻ります。  バブル処理の終わりを暗示します。
その後日経平均は2003年4月28日の7604円まで下落、当時の大底を形成します。更に2009年3月のリーマンショック後の安値7054円と合わせ、強力なダブルボトムを形成、その後の長期上昇の起点となります。しかしNYダウとの関係では、デフレ状況を脱却できない日本経済の写し絵として日経平均は一貫してNYダウを下回りますが、安倍政権発足後の2013年以降、急速にその差を縮小しています。1:1の関係に戻った時、名実ともに日本特有のデフレ脱却の証になり、その後の日経平均の上昇の支えになることが期待できます。
(中嶋)
日経新聞の論説委員、西條氏が興味ある指摘をしています。20世紀の最重要資源は石油。黒い水と呼ばれた石油がその真価を発揮し社会を変えたのは、石油からエネルギーを取り出し動力に転換する内燃機関(エンジン)の開発があったから。その歴史に倣えば、21世紀の最重要資源は石油からデータに変わる。ビッグデータの山から価値ある情報を取り出すには、半導体が必要で半導体は正に20世紀の内燃機関(エンジン)の役割を担うことになる。

半導体は産業のコメとして、民間主導で成長を遂げてきました。しかし中国が「中国製造2025年」を掲げ、世界の製造大国を目指し半導体を戦略技術と定め、惜しげもなく公的資金を投入し始め流れが変わります。確かにスマホ、スーパーコンピュータ、電気自動車、軍事技術等すべての鍵は半導体が握っており、その戦略的重要性を認識した主要国は、「開発」、「生産」を一体化し、半導体産業を国内に持つべきとして政策転換し始めたと言えます。その端的な例がインテルに見えます。開発に特化し、生産は他の企業に注文する方式で市場を席巻したのですが、この3月、投資総額200億ドル(約2兆2千億円)で国内に製造工場建設を決めています。

半導体の国内生産を加速化するために、バイデン政権は友好国との連携強化も急いでいます。議会に国内生産強化のための補助金500億ドル(約5兆5千億円)を要求、半導体強化の1プロジェクト当たり30億ドル(約3300億円)の補助金給付を法制化しています。台湾のTSMCアメリカ工場建設に適用が決まっています。外国企業に巨額の税金を投入することも厭わない、アメリカの本気度を感じます。

その延長線上に、菅首相とバイデン大統領の初会談が有ります。既に半導体の安定供給に向け、役割分担を決める作業部会の設置が進んでいます。メンバーは、日本から国家安全保障局、経済産業省、アメリカからは、国家安全保障会議(NSC)商務省が顔を揃えます半導体を通じ同盟国との戦略的国防強化の観点が見えます。日本は半導体でのシェァーを落としたと言え、素材、装置では90%以上のシェァーを持つ企業が多くあり、アメリカからの集中発注に期待が集まります。今回の日米首脳会議に日本の半導体産業の復権の狼煙を見たいものです。
(中嶋)
4月6日の日経新聞は、バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ社が3度目になる円建て社債の発行を準備していると報道しています。償期期限は5年から20年まで4本に分かれ、総額数千億円規模になるとの事です。
1回目は2019年9月の4300億円、2回目は2020年4月に1955億円と総額6255億円の発行になります。償還期限は3年から40年まで多岐にわたり、表面利率もそれぞれ0.17%~0.9%になります。

2020年8月31日、バフェット氏の日本の商社株への投資が明らかになります。
伊藤忠発行株数の5%になる2170億円、三菱商事の5%1880憶円、三井物産5%1650億円、住友商事5%870憶円、丸紅5.1%560億円と推定総額で7130億円になる巨額投資です。円建て社債で調達した6255億円が使われたことは間違いありません。その当時の商社株の平均配当利回りは、およそ4.4%ですので、1%以下で調達した資金では、価格変動を考えなければ充分に利回りでの裁定が働き、スプレッドを取ることができます。確かにその当時の商社株は安値圏に低迷しており、上がらないまでも下落リスクも限定的と見られていました。

バークシャー社は所謂、投資ファンドであり分散型長期投資で追随を許さない成果を挙げてきました。高速通信関連、EV、脱炭素、デジタル化などテーマに応じ、人気銘柄なら集中的にとんでもない高値まで買い進む今の市場にバフェット氏が懸念を持っても不思議ではありません。

日本の商社は2000年頃までは物流の仲介から挙がる手数料をその収益源に2000年以降は多岐にわたり有望企業、産業を発掘、そこへの直接投資でエクイティ・ポートフォリオを作り上げ、そこから得られる利益、配当、売却益等を収益の柱にします。高格付けの商社はその信用力で物流、情報ネットワークに人、金、モノを幅広く配置し、独自のポートフォリオを作り上げています。
このビジネスモデルはバークシャー社そのものであり、バフェット氏の長期投資に叶うものなのでしょう。バフェット氏は商社株に9.9%まで出資し「日本の未来に参加する」と意味深な言葉を添えています。一極集中のビジネスモデルから、日本の得意とする多様性のあるビジネスへ、そこに日本の将来のモデルを発見、評価したのなら嬉しいのですが。
(中嶋)