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ブログ:Onevoice

中嶋 健吉 の投稿

車の運転免許を取ったのは、ロンドン駐在時の1982年頃と記憶しています。 タイミング良く、日本に帰国する同僚から日産ブルーバードを買い受け、ドライブ人生が始まりました。 次いで家内も免許を取得し、丁度小学一年の息子の送り迎えに不自由はなかったのですが、富裕層が多い私立の現地校で、ほかのマダムの高級車と比較し、ブルーバードでは見劣りすると苦笑していましたが。

英国国内は積極的に回りました。 その中でも特にウェールズの古城群は、今でも印書に残っています。 更に日本の観光客には余り評判の良くないストーンヘンジも、訪れたのが夕暮れの薄暮に包まれていた時で、その神秘性を感じたものです。 唯一残念なのは、一念発起してオランダのチューリップ見物の為、ドーバー海峡をフェリーで渡ったのですが、丁度前週にすべてのチューリップが刈り取られた後だったことです。 残念な帰国はベルギーを通過するのですが、道を間違ったので通行人にフランス語で質問したところ、全く通じない。 まだオランダ語圏だったのです。 ベルギーはフランス語の先入観が崩れ、国の多面性を見た思いでした。

その後パリに転勤、車はホンダ車に変わります。 ホンダフランスの社長が大学の先輩で少し安く購入できたためですが、会社の公用車のフランス車に少し不満があった為でもあります。 国内は殆ど回りましたが、何といっても凱旋門のロータリーを乗り切った自信は大きなものでした。 フランスは右側優先の為、凱旋門のロータリーを回って目的の道路に入るには、常に右側から突っ込んでくる車を避けなければなりません。 技術も必要ですが、何といっても度胸が優先します。 ちなみにロンドン時代の同僚が車でパリまで来たのは良かったのですが、凱旋門のロータリーに入り込み脱出するまで30分以上中をグルグル回され、冗談ではなく命の危険を感じたとの事でした。 

次いでスイスです。 自家用車は前任者から受け継いだスバルの4輪駆動車です。 雪道には強いのですが、排気量が2000CC未満の車の為 スイスの山道には馬力不足で、ドイツの高排気量の車に後ろから圧力を受けながらも、喘ぎながら登る健気さがありました。 しかしドイツ、イタリア、南仏など一番ドライブを楽しんだ車でもありました。 ドライブ好きに導いた車です。

(中嶋)
千葉県中心に大きな被害を招いた台風15号が、通過した後の9月12日に、上記表題でブログに投稿しています。まさか時間を置かずに続編を投稿するとは考えも及ばなかったのですが。 

今回の台風19号は、100年に一度と言われる豪雨を伴った為、東日本中心に甚大な被害を与え、特に水インフラの脆弱性を国民に思い知らせたものです。堤防決壊に伴う被害地が、首都圏のこうした被害には無縁と思われた地域の、二子玉川、田園調布、世田谷などに及んだことは、その規模の大きさと広域性を示したものです。 こうした水被害をいかに最小化するかは、政策当局の最重要課題のはずです。被害を前に何らかの批判が出てくる可能性があります。

特に今回注目を集めたのが、民主党政権下の「仕分け」で一度は工事中止が決まった八ッ場ダムの果たした役割です。 紆余曲折を経て工事が終了、この10月1日から「試験湛水」が始まり、518mから573mまでの貯水を行った為、利根川の氾濫防止に寄与したとの指摘です。 巨大大河の利根川に、一つのダムがどの程度貢献したかは これからの検証が必要ですが、ダムの効用への論議に一石を投じたと言えます。 かつて長野県知事を務めた田中康夫氏の「脱ダム宣言」も再検証の余地がありそうです。採算のみを重視した決定は禍根を残す可能性があるからです。

こうした社会インフラ投資を、「採算、黒字、赤字」の価値観だけで判断すると創造的なものは生まれ難くなるのです。  例えば鉄道建設ですが、かつて北海道新幹線プロジェクトが持ち上がった折、ある政治家が「熊でも乗せるのか」との迷言を吐いたものです。需要があるから作るのではなく、作ったから需要が生まれるのが正解です。何の需要もない月に人を送るアポロ計画でしたが、これがなければIT強国のアメリカは生まれなかったのです。

安倍政権が2013年に目玉として提唱した「国土強靭化計画」です。 「リスクごとに対応を考える防災ではなく、どんなことが起ころうとも最悪な事態に陥ることが避けられ様な強靭な行政機能や地域社会を作る」ことを目的としています。この観点から今回の2度にわたる台風被害を見ると、十分に機能しているとは言えないようです。より具体的な政策が待たれます。

(中嶋)

E S G投資

中嶋 健吉

2019/10/10 08:00

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ESG投資とは E=環境 S=社会 G=ガバナンス に着目した投資スタイルで、より具体的には、環境や社会への配慮、企業統治が優れた企業を選び、投資する手法になります。 ESGの考えは欧州で発祥したのですが、金融資本主義の行き過ぎが招いたリーマンショックへの反省から、世界的な広がりを見せます。 まず企業に求められる価値観が、顧客や従業員、取引先や地域社会などに配慮しつつ、長期的な観点から企業価値を高める事に変わってきたのです。 今やほぼ世界の企業の規範になりつつあります。 その端的な例が8月にアメリカの経済団体が行った宣言です。従来の「株主第一主義」から決別し深まる格差、環境問題に向き合うことを表明したのです。 そして今やESG投資の規模は世界の投資金額の3割近くにまで膨らんでいるのです。

日本でも最大の公的年 GPIF(年金基金管理運用独立行政法人)が2019年3月末時点で3.5兆円のESG投資を行ったこと発表しています。 1年前に比べ2.3倍もの急増です。 ESGの投資哲学は日本人にも受け入れやすい土壌があるのかもしれません。 ある評論家の指摘に納得です。 「売り手よし、買い手よし、世間よし」を表す「近江商人の三方よし」の考えです 企業の社会的責任は社会の公器として顧客、従業員、株主そして何より地域社会に資することを指摘しているのです。

投資の観点からも 割安、割高、グロース、バリュー、モメンタム等の分類にESG投資が新たに加わる事になります。 特にGPIFがESG投資を更に拡大する方針を明確にしているため、ほかの機関投資家も追随すると見られます。
今後数年に渡りESG投資は注目を集め続けそうです。

(中嶋)

1989年12月、三重野氏が日銀総裁に就任します。「平成の鬼平」としてバブル退治を期待されての登場です。 期待通り就任後わずか3ヵ月で公定歩合を3.75%から6%まで3回に渡って引き上げ、過剰に値上がりした株式、不動産のバブル潰しには成功します。 一方91年からの金融緩和のタイミングが遅すぎ、デフレの遠因を作ったとの批判が今も根強くあることも事実です。 しかしこうした高金利政策は、個人にとって決して悪い話ではなかったのです。

公定歩合6%は市中の預金金利を押し上げます。銀行の普通預金金利は2%強、定期預金金利はなんと6%になります。 更に郵便局の定額預金の金利も8%と、今では考えられない水準です。
更に驚くべき商品が登場します。当時の長期信用銀行の旧日本興業銀行(現みずほFG)が主導した金融商品「ワイド」です。 商品設計は5年物利付金融債の利息を半年複利で運用し、満期時に元金と利息を一緒に受け取れるというものです。当時の5年もの利付金融債の利息は8%、これを半年複利で運用すると利回りは年9.606%になります。

より具体的には預けたお金が5年後に1.5倍になる優れものです。安全、高金利のこの商品を求めて全国の長期信用銀行の支店には長蛇の列が生まれます。当時の証券会社の株式営業の責任者もその列で目撃されています。 

しかしこうした高金利時代も束の間、日本はデフレ経済に突入、対策として超低金利政策がとられます。その当時三菱総研の試算した面白いデーターがあります。1991年当時の家計の利子所得(利子・利息から住宅ローンなど支払い利息を差し引く)は約35兆円と膨大なものでした。仮に91年の金利で計算するとその後の急激の金利低下の為、2005年まで累計で約260兆円の利子所得を失ったことになります。

更に2007年3月の参院財政金融員会で、当時の日銀総裁福井氏が同じような試算を開示、1991年~2005年までに家計が失った利子所得は331兆円に上がったと発言しています。取り方の違いから数字に差異がありますがいずれにしても莫大な金額です。  

では誰が利益を受けたのでしょう。金利低下で企業はその間の支払利子負担を260兆円減らし、銀行は利子所得を95兆円増やしています。所謂この所得の移転により銀行は90年代以降、96兆円の不良資産の処理、企業は120兆円資産の減損処理ができたと言われています。

90年当時の高い金利水準を使った計算には無理があるとの指摘もありますが、低金利が苦境にあった法人の救済を意図したものであり、その結果一貫して個人の利子所得が減少し続けたことは否定できません。個人にとって今この低金利の時代、金利で返せないなら、減税という考えもあります。そろそろ声を上げてもよい時期に来ているのではないでしょうか。

(中嶋)
このブログでも何度も取り上げているので、重なる点はお許しください。 

現在国連で開かれている「気候行動サミット」、最終的に2050年を目途に温暖化ガスの排出をゼロにする方向で77ヵ国が約束しています。北米を何度も襲う巨大ハリケーン、ヨーロッパではパリで観測史上最高の42.6度を記録しており、日本を含む各地で猛暑が深刻化している現状が背中を押しています。


温暖化の元凶として指摘されるのが化石燃料です。特に20世紀を象徴するエネルギーは石油であり、脱化石燃料は脱石油と言って過言ではありません。では21世紀の主役は?サウジの元石油相のヤマニ氏は明確にそれは「水素」であると明言しています。ハイブリッド技術、バイオ燃料は石油の消費を減らすことは出来ても、石油に取って代わることは出来ない、しかし水素エネルギーは石油を不要にできると看破しています。水素を燃料とする発電所、水素をコークスの代わりに還元剤として使う溶鉱炉などは、検証プラントから実用化に向かっています。こうした技術が集約されたのが東京オリンピックの選手村、別名「水素タウン」です。宿泊棟に水素ステーションから電力や温水を供給、更に運送手段のひとつとして水素バス100台を投入する予定です。最大のアッピールの場になりそうです。


燃料電池車は日本が先頭を走っていますが、国策として協力に推進しているのは実は中国です。昨年5月にトヨタの燃料自動車工場を訪れた李克強首相が感銘、国を挙げての組織を作り2018年を水素燃料元年と位置付けています。

北京汽車とトヨタの燃料電池車での提携が中国の本気度を表しています。中国はこれまで電気自動車を環境対策として推進してきました。2018年の世界の電気自動車の発売台数は約200万台、その半分は中国が占めます。一台当たり約80万の補助金を付けていたのが好調な販売の理由です。しかし補助金が段階的に縮小された2019年から伸び率は大きく鈍化しています。更に補助金目当てのメーカーが50社以上存在するなど乱立気味です。中国政府は燃料電池車をどうやらEVに代わる技術開発の象徴として位置付けている気配があります。2022年の北京冬季オリンピックは東京がそうであったように中国の水素技術を示す場になりそうです。電気自動車に傾斜していた欧州各国もこうした動きに敏感に反応し、FCV再評価の機運が強まっています。劣勢感のあったFCVですがEVとの争いにまだ決着は付いていません。

(中嶋)