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ブログ:Onevoice

中嶋 健吉 の投稿

突然に!

中嶋 健吉

2020/04/02 07:45

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治療の為に病院を変わると伝えられた時から、嫌な予見は有りました。 個人的には好きな芸人の一人だっただけに、志村けん氏の訃報はあまりにも突然の事で、まさに大きな衝撃でした。 好きなお笑い芸人への自分なりの評価は、笑いに「品」が有るか否かにポイントを置いています。 自分なりに解釈している「品」のある笑いを独断で総括すると:

*人を馬鹿にしたり、貶したりして笑いを取るのではなく、自らを卑下することなく馬鹿を演じ共感を得られる笑い。
 
*喋りで笑いを取るのでは無く、演じることで笑いを取る。

志村けん氏はこのポイントを見事にクリアしていると、自分なりの独断です。
喋らず演じる芸人では、チャーリー・チャップリンやMRビーンを演じるローワン・アトキンソン、そしてジェリー・ルイスなどが思い浮かびます。 志村けん氏の訃報を海外メディアが報じたのも、言葉では無く演じる力で万国共通の笑いのツボを取ったからでしょう。 その意味では彼らに劣らず、世界的なエンターテイナーといえます。

今回の様な世界的な異変が、将来歴史として語られるときは、何か象徴的なこととして取り上げられる出来事が必ずあります。 志村けん氏の逝去が、日本国民の危機意思を深め、新型コロナウイルス撲滅の転機になったと、多分、後年伝えられる事になるのでしょう。

(中嶋)

官僚組織

中嶋 健吉

2020/03/26 08:00

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収束の気配も見えない新型コロナウイルスですが、今現在他国に比べ日本での拡大が総じて抑えられているのは幸いなことです。当初はクルーズ船ダイヤモンドプリンセスの患者への対応で、各国から批判されたのですが、今では日本の対応がむしろ合理的だったと、評価も変わりつつあるようです。まだ予断を許しませんが、患者数が限定的であることに対し、各メディアから色々な評価が成されています。そのメディアが報じないながら拡大阻止に寄与している一つに、日本の官僚組織の優秀性があると感じています。


価値観が多様に分かれる現在社会で、品質、安全を確保する為の可能な限りの統一基準の作成、規制措置などは行政の重要な仕事であり、能力主義を基本とする官僚組織が動かない限り成果は得られないでしょう。一方完成された組織はおのずとそれを守ろうとする意識が働くため、人対人の関係では時として不合理な動きをすることも事実です。しかしそうした問題を抱えつつも自然災害、今回の様な広範囲な感染症など、非人間との闘いでは官僚組織が有効に働くのです。統一基準、各種規制措置の作成の過程で各分野の専門家の存在を組織として把握しており、誰に相談すれば有効な対応が採れるかなどは彼ら官僚組織が最も得意とする分野です。


かって民主党政権下で政治主導の名のもと行った「事業仕分け」が思い起こされます。出席した官僚の意見を封じ、一方的に行った模様はTV中継で報じられ民主党は評価を上げたかに見えました。しかしその後起こった東日本大震災では官僚組織を上手く使えず、特に原子力発電所への対応の拙さが問題視されました。何故もっと上手く官僚組織を使わないのか個人的にも歯ぎしりしたものです。


オリンピックの1年延長が決まりました。JOC事務局長の武藤氏は戦後最強の大蔵事務次官の一人と評され官僚の頂点を極めた人物です。問題を抱えつつも日本の官僚組織を総動員しやり遂げると思うのですが。 

(中嶋)

暴力的な株価変動を続ける株式市場を前に、その対策は中央銀行主導から政治主導に明確に変わってきています。端的な例はアメリカで、予想外の且つ異例の15日(日曜日)に、FRBが前倒しで実質ゼロ金利政策を導入したものの株式市場は過去最大の下げ幅▼2997ドルで返事をしています。危機感を強めたトランプ政権は、最大1000ドルの小切手支給を含む総額1兆ドルの景気対策を打ち出します。日本円で約107兆円になり、2008年のリーマンショック対策で中国政府が打ち出した、4兆元(当時の為替で約57兆円)のほぼ2倍に相当する巨額のものです。余談は許しませんが、株式市場が反発したことから、取り合えず市場が望んでいる政策が、最終需要を明確に掘り起こす財政拡大的なものだと分かります。


少し例が古くなりますが、1965年の日本での証券危機対策が思い起こされま 

す。1964年の東京オリンピック終了後に景気は大きく落ち込みます。証券会社間の過剰な新規上場競争、時価総額の10%を超えるまで巨大になった投資信託など、業界固有の問題もあり株価はじりじりと下落を続けます。株価の下落に歯止めをかけるため業界あげて「共同証券」を設立、約1936億円と時価総額の2.84%を市況から買い入れますが、下落に歯止めをかけることが出来ません。更に新たな組織として保有組合を設立、市場から時価総額の6.72%に当たる4590億円を買い入れる事になります。株価は最終的に1965年7月12日の1020円で下げ止まるのですが、これは市場からの買い入れが功を奏したからではなく、過去に例のない初めての赤字国債発行を含む総合景気対策が発表になりそれを好感したからです。株価はその後の景気回復を受け順調に上昇し、買い入れた当時としては巨額な保有株の処分も問題なく終了できたのです。


安倍政権は景気刺激策を予定していますが、過去に例のない株価下落を前にして、必要な対策は1965年当時そうであったように、過去に例のないものであってほしいものです。 

(中嶋)

石油輸出国機構(OPEC)盟主サウジアラビアの、原油価格維持を目的とした日量150万㌭の減産の提案を、ロシアが拒否したことにより産油国の協調が崩壊が現実のものになりました。更にサウジが日量20%の増産を決めたことにより、原油価格が大きく下落しています。ロシアの思惑は30ドル台の原油価格は、今や世界最大の産油国になったアメリカのシェールオイル業者のコストに近く、自ら痛手を負っても低価格路線を維持し、アメリカの業者を攻撃する道を選んだようです。


ロシアは、アメリカ、サウジに次ぐ世界第3位の石油天然ガスの産出国で、ざっくりと国家歳入の50%、国内総生産(GDP)の40%を石油・ガスの輸出に頼る依存構造を持っています。今回の決定に先立ち、国家予算作成の前提は1㌭50~55ドルと明かしつつ、40ドル割れの価格対応を取ると表明しています。その決意は認めつつも、どうしても思い起こすのは1990年のソ連邦崩壊を招いた石油価格の急落です。


1990年のソ連邦崩壊は、レーガン政権下のアメリカとの軍拡競争に敗れたと説明されていますが、正確には軍拡競争を続ける資金が枯渇した為です。1979年の第2次オイルショックで、原油価格は34ドルまで急騰しますが、その結果世界の需要は大幅に減少、それでも増産を続ける産油国を前にOPECの盟主サウジは唯一減産で対応します。減産幅はピークの日量940万㌭から1985年には260万㌭まで激減しています。その結果予算編成もできなくなったサウジは、1985年9月に価格維持の為の減産政策を放棄、価格決定を市場原理で決める方式に戻り増産を開始します。原油価格は1985年11月の30ドルから1986年7月には9.5ドルまでの急落になります。その後18ドル前後まで持ち直しますが、30ドルを前提に予算を組んでいたソ連は、食料輸入だけで現金を使い果たし、1989年には国そのものが完全に崩壊するのです。


変わらぬ原油依存の構造、大国意識による軍事費の増大など1980年代のソ連と同じ構造を持ったまま再びアメリカと対立する道を選んだロシア、体制を揺るがす結果にならなければ良いのですが。 

(中嶋)

PBRを考える

中嶋 健吉

2020/03/05 07:57

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収束の気配も見えない新コロナウイルス、そのネガティブな影響は確実に企業業績を揺さぶっています。こうした業績が不透明な局面では、EPSや配当利回りは下振れることが多く当てになりません。下値メドを見るには、短期的なブレの少ないPBR(株価純資産倍率)が有効になります。 

現在の日経平均PBRは1.01倍の水準にあり、アベノミクスの始まった2013年以降では1倍がほぼ下値のメドになっています。又それ以前でも例外はあるものの、大きな歴史的事変に遭遇しても、1倍前後がほぼ下値になっています。以下にそのポイントを見ておきます。


  • 【1965年7月:1.16倍 】
     昭和40年(1960年)の証券不況。官民合同で東証株価1020円死守の買い支えを行う。 

  • 【2003年4月28日:1.2倍 】
    日経平均はバブル崩壊後の安値7607円(4月28日)を付ける。 

  • 【2009年3月10日:0.8倍 】
    3月10日にリーマンショック後の安値7054円を付ける。1部上場株の 76%がPBRの1倍割れになった。しかし2003年の安値7607円に次いで2番底を形成したことになり、それ以降の上昇に繋がった。 

  • 【2011年3月15日:0.96倍 】
    東日本大震災後の3月15日、取引再開日に付けた。70%の上場株がPBR1倍割れに。 

瞬間風速で1倍割れがあっても概ね1倍前後が底値と分かります。ちなみに過去20年の平均PBRは1.6倍になります。  

(中嶋)