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ブログ:Onevoice

中嶋 健吉 の投稿

6月25日~27日の3日間で、3月決算企業のおよそ70%が株主総会を開きます。 総会で利益処分案が了承され次第、配当金が支払われることになります。日経新聞によると金融、新興市場を除く3月決算企業は、リーマン・ショック後の2010年3月期から9期連続の増配を行っています。 特に2019年3月期は最終減益にもかかわらず増配を決めています。


その背景として、企業統治改革(コーポレート・ガバナンス・コード)の浸透で、本業が安定していれば減益でも株主への利益還元を重視する企業が増えたこと、更に金融庁が親密企業間の株式持ち合いを減らすよう指導しており、その代替として長期保有株主を確保するためにも,配当政策を株主寄りに高配当を取る企業が増えてきているのです。


前3月期の上場企業全体(金融、新興市場を除く)の配当金総額は9兆0851億円(うち一部上場企業では6.7兆円)が支払われます。 個人株主比率は17%ですので、概ね1.5兆円が個人の手元に届くことになります。 冒頭指摘した様に6月25~27日の3日間に70%の株主総会が開かれることは、配当増額の約70%の6.3兆円がこの3日間に支払われることを意味します。 配当金の再投資に期待が高まります。


この配当金の支払いを受け、それを原資に株式ETFも配当を支払います。 7月8日には、特に大きな純資産を持つ日経平均連動型2本(計8,9兆円)、7月10日には日経型2.6兆円、topix型2本(計13.2兆円)が決算を迎え配当が支払われます。 例年この配当金を取るためだけに短期の買いが、機関投資家からその決算前に入ることが知られています。 これも株式市場には追い風になるのでは。 世界的に主要先進国の債券利回りがマイナスに転じている現状を考えると、株式の持つ高い利回りは再評価の対象になってもよい時期に来ているのでは。

(中嶋)

(1)先ず重要な政治・経済スケジュールです

                                                       

6月18日〜19日FOMC
6月19日〜20日日銀金融政策決定会合
6月20日〜21日欧州連合(EU)首脳会
6月28日〜29日G20 首脳会議 大阪

(2)無視できないイベントです。

【6月25日~27日】 3月決算企業の70%が株主総会開会

  • 令和になって初めての総会。 
  • 物言う株主の増加。スチュアートシップコードの厳格化で機関投資家は賛否ではなく、その理由の説明責任を負う。 
  • 日本企業は引き続き財務効率の改善、総配分性向の引き上げに取り組む。2018年度の自社株買いは6.6兆円。今年度は7兆円を大きく上回ることが確実視されている。 更に野村證券調べで、全上場企業3700社の2018年度の配当総額は14.3兆円(+10.1%対前年度比)になる。リーマンショック後の2009年度の5.6兆円から、9年連続で増加している。減益でも増配企業が増えているのが特徴。 

【6月25日~26日】 OPECプラス総会(OPEC+ロシア等非加盟国)

  • 2019年1月からの、日量120万バーレルの協調減産継続の有無。 
  • サウジは現在でも減産の遵守率が168%で目標を大きく上回っている。後半も減産継続がメインシナリオ。 
  • ロシアも現在の価格水準に満足。価格上昇すればアメリカがシェー ル・オイル増産でシェアー拡大。その事態は避けたい。 
  • アメリカもガソリン価格に影響のある上昇は避けたい。 
  • イラン、ベネズエラの減産は規模が読めない。安倍首相のイラン訪問はこの点でも注目される。 

残るは米中貿易問題の行方に絞られます。

(中嶋)

当ブログ1月30日の(1)の続編です。前回では1989年6月の天安門事件を誘発した背景に、学生による民主化要求を、当時高騰していた食料品価格に不満を抱く民衆が支持したことを指摘しました。特に民衆の怒りを呼んだのが中国料理には欠かせない豚肉の高騰でした。


6月4日の天安門事件30周年を、中国指導部は今まで以上に神経を尖らして迎えたといわれます。その間の状況に関しては、日本のマスコミも連日取り上げていました。中国指導部が敏感になった理由は、表向きは米中貿易摩擦による中国への圧力に、天安門事件を人権侵害として利用される事を恐れた為と言われています。しかし隠れた大きな理由は、豚コレラにより豚肉の価格が高騰しており、1989年の民衆の怒りの再来を恐れたとも言われています。


アフリカ豚コレラ(ASF)は、20世紀初頭にケニアで報告されたのが最初です。人には感染しませんが、豚から豚に強い菌で感染します。ハム・ベーコンに加工しても、140日以上菌は生存するといわれ、その強さは零下20度以下に凍らせても数年も生存するほどです。中国人観光客が持ち込んだソーセージが原因で、日本にも豚コレラが広がったのはこうした菌の強さによるものです。ワクチンや治療法もない為、感染豚は殺処分するしかありません。


中国は世界最大の豚肉国家です。約7億頭の豚が飼育されており、これは世界の飼育の約半分を占めます。さらに世界最大の消費国でもあり、世界消費の60%は中国によるものです。足りない分は輸入に頼りますが、ここに落とし穴があったようです。アメリカとの貿易戦争で、アメリカからの輸入をロシアに切り替えたのですが、ロシア産豚肉が豚コレラに感染していたのです。中国政府はロシアからの輸入を公式には認めていませんが、中国で豚コレラが確認されたのが2018年8月であったのが、どうやら裏付けになりそうです。実は2017年にロシアで豚コレラが大流行しているのです。当然厳しい検疫体制が敷かれているのですが、陸地で国境を接しているため密輸で簡単に入ってきます。


2018年8月に初めて確認された豚コレラですが、今や中国全土に広がっているといわれています。その対策のため総飼育数7億頭の三分の一に当たる1.5億頭から2億頭の殺処分が今年中に必要と言われています。こうした動きを受けて、豚肉価格が3月ごろから上昇し始めています。前年比30数パーセントの上昇で、年後半にさらに加速するとみられています。豚コレラは一度流行すると殺処分以外に対応策がない為、収束するまで数年は必要といわれ、この対応を間違うと1989年の悪夢の再来も現実味を帯びてきます。

(中嶋)

当ブログでもしばしば取り上げましたが、1989年の出来事がその後の世界の在り方を決定付け、そして30年経過した2019年の今、それぞれが新たな方向性を見出そうとしていることが改めて確認されています。新たな30年の行方を想像するヒントになればと思います。


以下が1989年の出来事と30年後の今起こっていることです。 


  • 1月 初和天皇崩御 平成の始まり
    デフレ、災害多発の平成の30年を乗り越え,強靭さを取り戻した令和日本 の始まりです。昭和時代の日米の蜜月の関係が再び示現しそうです。昭和時代にはソ連に対峙したレーガン・中曽根の関係。今は中国を念頭に、トランプ・安倍の蜜月は何か象徴的です。
     
  • 4月 消費税3%初導入
    10月の消費税10%の是非が問われています。新経済理論では「中央銀行が国債を購入する限り財政赤字は問題ではない」と指摘。その理論の実証例として日本を取り上げています。又米中貿易摩擦は日本政府の想定を超え拡大の方向に。突発性外的要因なら延期可能の意見も。
     
  • 6月 中国天安門事件
    学生を中心としたデモ(急進的改革の為失脚、憤死した胡耀邦主席を悼む)に対し軍が実弾を使い鎮圧。いまだ死者数が確定していない。欧米諸国は経済制裁を発動、指導部はこれに反発を強め保守化し、経済が更に停滞する。これを打開するため引退した実力者、鄧小平が上海中心に中国南部を訪問。改革開放路線の深化を訴える「南巡講話」を発表した。保守派指導部が失脚し、今に至る経済成長主導の改革路線が決定する。 

  • 11月 ベルリンの壁崩壊
    東西ドイツの統一。 翌年にはソ連邦が崩壊。これを契機に日米欧中心の8億人の自由主義経済圏に、約30億人の非自由主義経済圏の人口が流れ込みます。経済のグローバル化の始まりです。当時の世界のGDPは約20.5兆ドルでほぼG7先進国が占めていました。今の世界のGDPは約85兆ドルですが、G20 でほぼ95%を占めておりG7 は45%を占めるのみです。グローバル化が拡散した結果、移民問題が発生し、さらにグローバル化を推進するEUやWTOの官僚主義に反対の嵐が吹いています。 

こうして1989年を俯瞰すると、現在の諸問題が漠然として起こったのでは無くその基が見えてきます。何とか参考にしたいものです。

(中嶋)

言わずと知れた話です。 沖縄の高校生が、叔父の葬儀に向かうための飛行機代6万円の入った財布を失くし、途方に暮れていた所、見かねた埼玉県の医師がその金額を手渡してくれた顛末です。  動転していたため、名前と連絡先を聞くことを失念、その為マスコミの力を借り、当人に行きつき返却できた話です。 当事者二人の人間性が心にしみる、近頃ホッコリした話です。 更に失くした財布も,後日金額がそのまま手付かずで見つかっています(NHKニュース)。  識者の解説では日本でしか起こりえない奇跡とのことでした。


これを聞いた家内が「それは違う、あくまで人の問題」と自分の経験から反発したものです。 前回に続き昔話になりますが暫くお付き合い下さい。


1973年から7年間のパリ勤務の間に、実は家内は2回のスリの被害にあっています。 そのうちの一回は、近所の行きつけの小児科医の待合室だったとのことで、多分同じ子供を抱えた母親の誰かだったのでしょう。 しかし詰問の仕様がありません。 その為少なからず人間不信に陥ったのですが、それを根本から覆すホッコリしたことが起こったのです。


家内と当時3歳の娘と、いつもの行きつけのレストランに行くため、地下鉄(メトロ)に乗り当該の駅に下車した際、家内がハンドバッグがない事に気付きます。 車内に忘れたか、搭乗した駅のベンチに忘れたか、それすら分かりません。 取りあえず駅員に対応を聞いたのですが、言葉の端節に諦めてくれとのニュアンスがあります。 今までの経験から思い知らされているので、結局傷心の気持ちを抱え食事も取らずアパートに帰りました。 バッグの中には財布以外に身分証明書、アパートの鍵が入っています。 防犯の為には一刻も早く錠の取り換えを行わなければなりません。 あれこれ考えると気の重い帰宅でした。


アパートに着いたとたん、我が娘と同じ年の娘を持つため、日頃から親しくしているスペイン人のアパート管理人が飛び出してきました。 言うには「マダム、サック(=バッグ)を失くさなかったか?」。 話では見知らぬスペイン人が訪ねてきて、彼が言うには駅のベンチでメトロを待っていたと所、少し離れたところにいた子供を抱いた、日本人とおぼしきカップルがバッグを残したまま電車に乗った。 慌ててバッグを手に呼び掛けたがそのまま電車は行ってしまった。 バッグを開けて確認したところ、身分証の住所が自分の家の近くだったので直来たとのことです。 直接返したいので家に来てほしいとのことでした。


その話を聞いた時の喜びは今でも覚えています。 家内も喜びと感動で涙ぐむ状況です。 早速管理人の車に乗って訪問したのですが、そのアパートは壁が剥げ落ちた、奇麗とは言えない低所得者向けのものでした。 しかし現れた当人は30歳には成っていない若者で、お腹の大きなこれも若い奥様と共に迎えてくれました。 両人とも世辞ではなく、本当に爽やかな笑顔のカップルでした。 

仕事は空港で、荷物の運搬に携わっているとのことでした。  お礼にと家内の財布に入っていた、そこそこの現金を渡そうとしたのですが、これも受け取ろうとしません。 これが日本のやり方だと説明し、やっと受け取ってもらったのですが、高学歴でもなく、決して裕福には見えない住まいに住む二人でしたが、その笑顔、立ち振る舞いから高い人間性が感じられ、今思い返してもホッコリする出来事でした。

(中嶋)