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中嶋 健吉 の投稿

11月を通じ日経平均株価は大幅に上昇、3456円高、率にして+15.4%の急騰を演じます。 月間の上昇幅としては歴代三位の記録になります。 ちなみに第一位は1990年10月の4210円高、第二位は1990年の5月の3546円です。 しかしこの二つの急騰も、共にバブル崩壊後の株価急落局面の反動で生じるテクニカルなリバウンドであり、急騰が株価の上昇局面で発生した今回とは決定的に違っていると言えます。

11月からの急伸は、売り越しを続けていた外国人投資家が、大きく買い越しに転じた事が最大の理由です。 以下は彼らのその売買動向の概要です。

【外国人投資家売買動向】
   現物  先物  合計
2020年 1月~10月末  ▼5兆0962億円  ▼4兆2878億円  ▼9兆3840億円
 11月06日(第1週) ▽3572億円  ▽7412億円  ▽1兆0982億円
 13日(第2週) ▽3842億円  ▽6740億円  ▽1兆0582億円
 20日(第3週) ▽3331億円  ▽2640億円  ▽ 5971億円
 合計  ▽1兆0745億円  ▽1兆6792億円  ▽2兆7537億円
(▼売り越し  ▽買い越し)

年初から10月末まで、現物、先物とも大幅に幅に売り越していた外国人が、11月から両建てで買い越しに転じたことが分かります。 メリルリンチ証券を配下に持つBOAの週刊データーによると、11月に入り3週間で世界の株式ファンドに過去最大の890憶ドル(約9.2兆円)の資金が流入し、主に出遅れ市場、バリュー株,小型株に資金が向いたとしています。 単純計算で9.2兆円に対し、30%の2.75兆円が日本に向かったとすれば、日本株見直しの第一歩かもしれません。

2013年のアベノミクスの始まり以来、外国人投資家はその政策を評価、対日株式投資と積極化します。 2015年7月までの現物株の累計買い越し額は22兆円まで拡大します。 しかしそれ以降は世界と比較しても低い経済成長率、明確なデフレ脱却のサインが見当たらず、一貫した売り越しに転じます。 その結果今年10月末には22兆円を売り切り、ついには▼8000億円の売り越しに転じていました。  11月からの上昇はコロナ拡大に伴い、外国人投資家が総じて被害の少ない日本の底力に注目したといえます。 数字で見た通り、外国人投資家はここまで日本株を大きく売り越し、その結果ベンチマークに対し保有すべき日本株の比率が大きくアンダーウエイトになっています。  現在は年末の決算に向け、ポジション調整の買い戻しも入っていると言えます。 

問題は年明けの彼等の動向です。 まずは利益の確定から入る可能性があります。
丁度2013年末にヘッジファンド中心の外国人買いで急伸した日本株ですが、翌年は彼らの利食いで大きく売られ始まったことは念頭に置いておきたいものです。
(中嶋)
25日の日経平均株価は場中に26700円を超え、前回のバブル相場の起点となったブラックマンデー直前の1987年10月14日につけた高値26646円を抜いた形になっています。 当時は1985年9月のプラザ合意により極端な円高が進行し、対応策として金融、財政の両面から大幅な緩和策が取られ、余剰資金が株式市場に流れ込み89年末までのバブル相場に繋がります。 バブルを発生させた金融、財政政策に関しては改めて解説しますが、今回はその結果、当時の投資家がどの様な投資行動をとったかを見ていきたいと思います。 現在の急騰する市場を前に、バブル相場の再来と騒ぐ意見がありますが、過去と比較して現在がバブルにほど遠い水準であることが分かってもらえるかと思います。 以下は個人的な見解です。

【バブル相場の期間】
  • 1987年10月14日 日経平均株価26646円⇒1989年12月29日38915円
    この2年強間に日経平均は12200円強の上昇を演じます。
  • 1989年末のPERは68.4倍 配当利回りは0.45% と未知の水準です。
  • 異常な水準を説明する為、に土地の含み益を計上して計算するQレシオの考えが導入され、当時Qレシオは0.6倍だったので1 倍まで買えるとされた。

【相場を押し上げた銘柄】
  • 日経平均採用の20程度の品薄株が指数を押し上げます。 主な銘柄としては片倉、志村化工、東京ドーム、合同酒精、東洋製缶、松竹、高島屋、松坂屋ETC
  • 89年12月には片倉1社で日経平均を500円押し上げます。

【株価上昇の背景】
  • 1988年9月に日経平均先物が導入。 外資系証券中心に日本人の知らないところで裁定取引が始まります。
  • 裁定取引では品薄株も均一に買われるため、
    品薄株の株価が急騰し指数を押し上げる⇒上がるから買う⇒買うから上がる の繰り返しに。

【相場を支えたバイプレイヤー】
  • 銀行、信託銀行、事業法人の参入。 既に簿価の安い株を保有しているため、高い株価への投資は簿価の押し上げになります。 それを避けるため本体勘定から切り離して運用できる、特別金銭信託(特金)、ファンドトラスト等を設定します。 その資金の流れは
    1985年       9兆円
    1987年       30兆円
    1989年       46兆円

【インデックファンドの登場】
  • 指数だけ上昇するため運用成績では指数に勝てなくなり、連動するインデックファンドブームに
  資産の動向は
     1986年末      2000億円
     1989年末       9兆円

この様に品薄株が作った指数だけが乱舞する展開になっていました。 ちなみに当時の日本を代表する 大手都銀の三菱、住友。三和、DKB、富士等、東電、三菱重工などは揃って1987年10月に高値を付け、1989年末までに日経平均が更に1万2000円以上上昇したにも拘わらずその高値を超えることは有りませんでした。

さて現在はバブルでしょうか。
(中嶋)
堅調な株式市場の背景として、しばしば語られる理由の一つに過剰なマネーの存在があります。 以下にそのマネーの生い立ち、現状を見ていきます。

【FRB―ECB―日銀 3中央銀行のバランスシート】
 2020年2月末  14.7兆ドル(約1543兆円)
 2020年8月末  20.8兆ドル(約2184兆円)
 増加幅  6.1兆ドル〈約641兆円〉

コロナ問題が深刻化して以来、6ヵ月間で3大中央銀行が市場に放出した資金は6.1兆ドル 
(641兆円)の巨大なものになります。 これが流動性を支えています。

【世界のマイナス利回り債】
17兆ドル(1785兆円)を超え過去最高水水準に。ドイツでは全ての年限でマイナス利回りに。6月ごろに1%台のイタリア国債も0.6%、ギリシャ債0.8%に急落。

【欧州国債の大量償還】
更に2020年~2021年に欧州国債4000~5000億ユーロ(50~60兆円)が大量に償還になります。その多くが利率3~4%の高い利回りのため、現在マイナス利回り前後の国債への再投資は限定的に。一部がリスク資産の株式投資へ流れることが期待されます。

【アメリカMMFファンド残高】
  2000年ITバブル期   1.6兆ドル
  リーマンショック後2009年3月   3.9兆ドル
  2020年10月末   4.6兆ドル(約483兆円) 過去最高水準

日本のMMF残高が12.5兆円程度です。 アメリカ市場では、如何に巨額なマネーが待機しているかが分かります。事実バンカメ調べでは11月11日のまでの1週間で、アメリカの株式ファンドには325億ドルの資金が流入、一方キャッシュファンド(MMF)からは▼1780億ドル、国債ファンドからは▼66億ドルの流出が確認されており、株式市場を支える資金の流れの変化が見て取れます。期待が膨らみます。
(中嶋)
先週の当ブログでは、2018年以来3度トライしながら達成できなかった25000円乗せ「4度目の正直成るか?」として、その可能性ありと投稿させてもらいました。 幸い今現在、明確に29年振りの25000円乗せを達成しており、関心はこれ以降の相場を支える物色対象に移りつつあるようです。 より具体的には、グロース株相場からバリュー株相場への移行の可能性を探る展開です。

バリュー株復権には、金利動向と企業業績がその鍵を握ると言われています。
企業業績の回復に関しては、現在通期予想の上方修正が相次いでおり安心感が広がっています。 中国、アメリカの日本企業最大の貿易相手国の景気回復が支えです。 金利動向に関しては、前回のバリュー株相場が参考になります。

アメリカ10年債利回りは、2016年7月4日の1.321%からその年の12月12日には、2.641%まで急伸します。 この金利上昇に呼応する様にTOPIXバリュー株指数は、7月08日の1316ポイントから12月16日には1836ポイントまで急伸するのです。
逆説的には、金利とグロース株に逆相関の関係があり、金利上昇時にはグロース株が見送られる為です。 そのマトリックスは、「金利が下がれば、グロース株の将来の利益を現在価値に割り引く割引率が下がり、グロース株の高いバリュエーションが容認されるのです。 例えば1年後の利益110万円は、金利10%なら現在価値では100万円になり、金利が低いほど割引率は低くなります。 反対に金利が上がればその逆で、現在価値は小さくなり、利益の縮小になります。

その金利動向ですがアメリカ10年債利回りは、8月4日に0.507%を底にじりじりと上昇、1%の水準に接近しています。 少なくともグロース株の高値更新の期待は大きく後退しています。 こうしたときには象徴的なことが起こるものです。 8月16日には、グロース株の筆頭アップルの時価総額が2兆ドルを超え、SP500時価総額の7%を超えたのです。 1970年初頭のアメリカを代表する代表企業50銘柄のみが市場平均の3~7倍まで買いあげられた、所謂ニフティ・フィフティ相場の時にはIBMがやはり7%を付け相場の終焉を迎えています。バリュー株相場に暫くは注目です。
(中嶋)
4日午後、この原稿を書いています。 TV報道はアメリカ大統領選挙の動向一色です。  前日のNYダウが大幅に反発したこともあり、大統領選挙の行方が混沌としている中でも日経平均は400円以上の大幅高で推移、コロナ後の高値を更新する23700円台の後半を維持しています。 結果がどうであれ、又その結果が出るまで時間がかかるとしても、来年1月20日の就任式までに大統領を決めねばなりません。 その為の投票が行われたことは、つまり「賽は投げられた」ということです。 いよいよ事態が動くことに市場が反応、多分2016年の再来を恐れるショートの買い戻しが市場を押し上げているのでしょう。

そうなると日経平均の24000円超えが視野にはいってきます。  かって3度つけながら25000円乗せが出来なかった因縁の水準です。 その3回は以下の通りです

  • (1)24129円  1月2018年
  • (2)24448円  10月2018年
  • (3)24115円  1月2020年
以前このコーナーでも投稿したのですが、個人的には4度目の正直に期待しています。
独断的な解釈は以下の通りです。

【一度目の高値】
  • 高値を付けるまで買い進んできた。 利益が出ているため売り急ぎで短期間に大きく下げる。
【二度目の高値】
  • 一回目で売りそびれた売り注文に、2番天井を懸念する売りが重なり下げる。三度目に期待する売り注文が残る。
【三度目の高値】
  • 二回騙された為慎重になる。 失望から売り急ぎ、又空売りも入り始め下げが大きくなる。
【四度目の挑戦】
  • 今回は騙されないと空売りから入る。 その結果、空売りの買い戻しが起爆剤となり反発する。 昨日からの戻りがこれに該当するのかも。次いで買い戻しから買い乗せに変わり、新たに新規買いが入るかが最大の注目点になります。
さて今回は?
(中嶋)