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ブログ:Onevoice

松下 律 の投稿

現時点で考えること

 疾風怒濤の上昇相場を受けて、さてここからどう考えるか?この時点で何か賭けるべき想定はありそうか?といったことになろうかと思います。


1.日経平均は年内でどの辺りまで上昇すると想定するか、あるいはそろそろ当面の天井と見るかどうか。

 金融緩和、財政支出増(イージーマネー政策)を前提に、ワクチン期待でもたらされた好需給はまだ続きそうですが、とはいえいささかファンダメンタルズ無視のオフサイド相場という印象は否めません。


 一旦は反落、に賭けるのか、上値保ち合い上放れ、に賭けるのか、長居は無用の短期トレーディングに徹する、のか・・難しいところでしょう。


2.物色の拡がりをどの程度と想定するか。

 出遅れ物色、とか、グロースとバリューの循環物色、とか、そうした色合いは確かに見られるようです。近い将来のバブル相場拡大を想定するなら、現時点で出遅れている銘柄は買い、とすることができるのかもしれません。


3.先駆株の対処

 日本株で見ますと、半導体関連とかウィズ・コロナ関連の銘柄の中には、すでにバブル領域に到達したと見るべき銘柄がかなり見られます。そうした銘柄は売ってしまうのか、持続か・・・


 例えば、エムスリー、東京エレクトロンなどはここからは売り上がり、信越は持続、などというメリハリをつけることが有効な局面なのかもしれません。


4.目先の反落に賭ける価値があると踏むかどうか?

 例えば、日経平均で10%近い反落が想定されるのであれば、個別銘柄で下げに賭ける価値があるかもしれない、となります。


5.円ドルレート

 日米ともに超金融緩和下で、財政支出を増やそうとしています。その強弱の差で、円ドルレートが動く可能性があるでしょう。


 米は金融緩和策の強化、日本は大型補正予算、が目立つ、となって、103円を割り込む円高ドル安に賭ける、というのが現時点でもっとも面白そうなシナリオでしょうか。


 12月相場ということでは、多数のIPO銘柄が出て来ます。IPOプレーに注目しておくのも面白いのでは、と思います。(まずは需要申告から参加して、となります。)


インテル株と三菱商事株

 インテル株、三菱商事株、ともに現在のパンデミック・バブルの蚊帳の外、といった風情です。しかしながら、両銘柄とも投機的な資金を引き付ける(かもしれない)という「素質」を全く持っていないわけではありません。


 例えばインテルであれば、将来の自動車の自動運転に向けて数年前にイスラエルのモービルアイを買収しています。同社のチップはすでに世界中の自動車に搭載されて現実に走行しています。(日本であれば日産の乗用車など。)


 インテルは5年前のアップル、という位置付けができなくもないでしょう。株価で見ればNVIDIAやAMDに後れを取っているインテルですが、地力がなくなったとは言えないように思います。


 三菱商事株は、低PER、低PBR、高配当利回り、ということで個人投資家に人気のある銘柄です。おそらく、多くの個人投資家は、三菱商事株が人気化してバブル領域の高株価になってくれるよりも、現在の一定以上の収益確保力を維持して、株価はそこそこで5%の配当利回りを確保し続けて欲しい、と思っているかもしれません。


 三菱商事は、DXとEXに注力といったことをIRしています。DXはもちろんデジタルトランスフォーメーションです。EX、というのは同社の造語かもしれないと私は思ったのですが(違うかもしれませんが)、エナジートランスフォーメーション、とのことです。


 DXはともかくとして、EXというのも考えてみれば将来の人類の大問題の解決という意味で、投機的な資金のターゲットになる可能性の強い領域の話です。


 要は投機的な資金を惹きつけるかどうか、というのが株価バブル化の条件ですから、三菱商事という株もそういう「素質」を持っている、ということは確かなように思います。


2020年12月4日

証券アナリスト

松下律

ワクチン・スパイク

 去年も売り方の買戻し主導で日経平均は8月から12月にかけて4000円規模で上昇しましたし、こういった相場急騰はままあること、というところなのでしょうが、今年の11月の相場上昇は相当際立ったものだったでしょう。


 日本株で言えば海外勢の先物売りの買戻し、主に国内勢のベア型ETFのポジションにからむ先物の買戻し等々、需給要因が強く影響したというのも特徴だったと思います。


 日本のみならず、欧米株式市場でも同じような現象が見られましたから、想像するところに多様な売りポジションを取っていた市場参加者が多かった、ということだったようです。


 日経平均で見ますと、夏場までの23500円プラスマイナス、といった水準からおおむね3000円規模で上方にシフトしている感じです。ファイザーとモデルナとアストラゼネカのワクチンでそれぞれ1000円ずつ、合計3000円ほど上方シフトに貢献した計算でしょうか。


 売り方の買戻しはまだ終わっていないようですから、12月になったら急落といった相場想定はするとしたら危険かもしれませんが、売り方の買戻しがかなり進展したという認識はしておくべきかもしれません。


 年末に向けていわゆる税金対策売り、機関投資家の組み入れ比率調整(ポートフォリオ内の比率調整のための株式売り)なども想定されます。ここからの新規の買いは慎重に、というのが常識的な感覚ではないかという気がします。


バブル談義

 今月の急騰でにわかにバブルに関する論議が活発になって来たように思います。


 先週もお話しましたように、市場全体がバブル、と言うにはまだ早い、というのが私の現時点での感覚なのですが、バブル崩壊を想定する(願う?)といったトーンのコメントも増えているようです。


 日本株で見ますと、現状で予想PERはおおむね24、5倍といったところかと思います。紺今来期の企業利益の回復がどの程度かまだ分からないところですが。少なくとも3割程度の回復軌道はじゅうぶん見込めるでしょう。


 としますと、少し将来を見た予想PERは15倍とか18倍という計算になります。市場平均の予想PERが20倍以下で、この低金利下のバブル崩壊はあるまい、という感じがします。


 少し話が飛ぶのですが、1995年にはニック・リーソン事件というのがありました。2008年にはジェローム・ケルビエル事件などというのもありました。市場参加者の大損に起因する銀行の破たん、といった事件はけっこう起きるものです。そうした事件をきっかけに株式相場が急落する、といったことは時として起こることです。


 今回の上昇相場はほぼ間違いなく大掛かりなバブル相場です。バブルがピークを迎えるまでにそうした事件が起きる可能性はけっこう強い気がしますが、それが完全なバブル崩壊に結び付くことはないのでは、という気もします。


 株価バブルはけっきょく個別銘柄のバブルの積み重ねで進行します。個別銘柄を見て、バブル化した、と思える銘柄については新規の買いを控える、といった注意を払いながら付き合って行けば、バブル相場もそれほど怖いことはない、と私は思います。(個別銘柄で見ますと、ほとんど無重力状態のようになった株価も見られます。)


2020年11月27日

証券アナリスト

松下律


連騰の後

松下 律

2020/11/20 08:20

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落ち着きを取り戻す

 今週の後半は、日経225先物の空売り筋の買戻しによる疾風怒濤の上昇がようやく落ち着きを取り戻したと言えるように思います。


 ワクチンの実用化が見えて来たことで、日経225で見て相場水準が1000円~1500円くらい上方にシフトした感がありますが、毎日大幅連騰というのはある程度の日数が経てば終わるというのがふつうの動きでしょう。


 今後数週間の相場想定として、今年5月中旬から6月上旬の急騰後をなぞらえる向きが増えて来るのではないか、という気がしています。


 新型コロナの新規感染者数が急増しているのが大いに気になるところです。経済活動へのマイナスの影響は避けられないわけで、せっかくの各種の政策(GoToなど)の効果が消えてしまわないかと懸念する市場参加者が増えるのが心配です。


 私は、テレビのいろいろな番組の中で、6月から実用に供されている接触確認アプリの普及促進の動きが見られないことを奇妙に感じているのですが、各種のイベントでは同アプリのインストールを参加者に要求するなどもあって、それなりに普及してはいると思うのですが、新聞の報じるところによれば普及率はまだ15%ほどとのことで、いささか残念な気がします。


 話は変わりますが、私は日豪首脳会談に注目しました。日本を訪問した豪首相は帰国後2週間隔離生活を送るとのことです。2週間の隔離というコストを支払ってもこの時期に日本との間で「対中国」のメッセージを出しておくことが重要だ、と豪は現時点で思っている、ということでしょう。


 それだけ今後の東アジア情勢は懸念含みだということです。米バイデン政権が対中国政策をどんな形で遂行して来るか、まだ分かりませんが、最悪の場合対中融和政策が出て来る可能性もあるのでしょう。


 わが国が特に中国に対して敵対する必要はありませんが、わが国の安全と自由な経済っ活動を守るために豪あるいは東南アジアの国々と緊密に連携して行くことがきわめて重要だという認識は持っておくべきだろうという気がします。


この3週間の動き

 株式相場が少し落ち着きを取り戻したようですので、この時点で過去3週間の相場の動きを振り返っておくのが有意義だという気になっています。


 10月末から今週月、火曜日までの高値示現までのいくつかの指標の騰落を見てみます。

・日経500 2355円 ⇒ 2570円 ∔9.1%

・日経225 22977円 ⇒ 26014円 ∔13.2%

・マザーズ指数 1171ポイント ⇒ 1231ポイント ∔5.1%

・円ドルレート 104円64銭 ⇒ 104円05銭 若干の円高

・DJIA 26501ドル ⇒ 29950ドル ∔5.1%

・ナスダック指数 10911ポイント ⇒ 11899ポイント ∔9.1%


 すでに多くの市場関係者からコメントされていることですが、この3週間の株式相場では日経225の上昇が際立っています。


 この動きを受けて、今後の相場展望として以下の観点で見ておきたいと思います。


・この間の上昇でバブル相場がピークを付けてしまったと思うべきなのか?


 こうした見方をする経済評論家が少なからず出て来ています。実務的な対応としてどう認識しておくべき局面なのか?


 私は個人的には、今回のパンデミック・バブルはまだ膨張の途上にあると考えています。ワクチンの登場が間近ですから、これまでよりもバブル相場の進捗が進行したことは確かでしょうが、まだ崩壊を口にするところではないであろう、という感触です。


・この間の相場上昇のように、ごく一部少数の銘柄だけが大きく買われて跛行色の強い展開がこれからも続くと思うべきなのか?


 先物の空売り筋の買戻しによって相場が急騰した、という事情があったと想像されるわけですが、今後のパンデミック・バブル相場の進行において、こうした傾向が続くとは言えないのではないか、と思います。


 空売り筋の買戻しはある程度進行すれば相場への影響が相対的に小さくなるでしょうし、市場ではいずれにしても次々に新しい材料が出て来るでしょうから、同じシナリオで相場が動き続けることもなかろう、とそんな気がしています。


2020年11月20日

証券アナリスト

松下律


相場には著効

松下 律

2020/11/13 08:20

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ファイザー効果

 新型コロナのワクチンが本当に実用化されるかどうかはしばらく経ってからでないと分からないのですが、株式相場には即効かつ著効があったようです。


 米大統領選の結果を気にすることが多かったのですが、実際には超金融緩和下でコロナワクチン実用化近し、ということで株価が世界的に大幅に上昇シフトした、というのが今週の(おそらくは先週からの分も含めて)上昇相場の実相だったのでしょう。


 トランプ大統領は、ファイザーが大統領選挙の投票日以前にニュースを発表する勇気を持たなかった、と恨み言ののようなツイッターを投稿したようですが、もしファイザーが投票日前に今回の発表をしていたとしたら、トランプ氏がすんなりと再選されていたのかもしれません。


 ワープスピード計画でワクチン開発を進めていたのは外ならぬトランプ政権であったわけですし、ファイザーの同計画への関わり方の濃淡は分かりませんが、ワープスピード計画に沿ったワクチン開発であったことは確かでしょうから、それはトランプ大統領の手柄でもあったはずです。トランプ氏は残念なことをしたものです。


 トランプ大統領の不運は別として、株式相場はファイザーのワクチン治験の結果を聞いてまさにソアーと言いますか、世界的に一斉に舞い上がった感があります。


 日本株で見ますと、大統領選挙前であれば、日経平均のイメージはじり高ながらそのレンジとしては、2万3500円プラスマイナス1000円くらい、というものだったでしょう。


 それが今では、ワクチン効果で2万5千円プラスマイナス1000~1500円くらいになっている感じです。(日経平均のみが先物主導で突出して上昇した原因については、投機筋の先物買戻し、いわゆる45日ルールに急かされて、といった感じもするのですが。)


 もちろん、世界的な超金融緩和と財政の支出増が前提ですが、今週月曜日と水曜日の米国株市場の大きな動きを見ていますと、パンデミックバブル相場はまだまだ続きそうだ、という感を強く持ちます。おそらくこれからも、バーチャルエコノミー関連株とリアルエコノミー関連株が時折主役交代しながら全体として強調相場を演じるのでしょう。


米民主党との付き合い方

 過去数代の米大統領を振り返りますと、どうも米国の政権が民主党だった時は日本と米国の関係が必ずしもうまく行かなかった、という印象を持ちます。


 カーター大統領の時はその後のレーガン大統領時代の日米関係とは比べ物にならないくらい関係が希薄だったように思いますし、カーター政権の対北朝鮮融和政策によって日本が難儀したと思います。


 クリントン大統領時代は、まさに日本パッシングとハイテク摩擦で日米間は険悪な関係だったでしょう。


 オバマ大統領の時代になって米国の対中政策が変更されたようで、日米同盟関係が強固になる方向に動き出した感はあるものの、どうも米民主党と日本は相性が良くないようです。


 米国の時期大統領は正式には未定のままでしょうが、バイデン氏が大統領になることはほぼ決まりでしょうから、日本は今後米民主党とどう付き合って行くか、いろいろ知恵を絞らなければならないのでしょう。


 米民主党の中には、サンダーズ上院議員、オカシオコルテス下院議員など、社会主義を信奉するリーダー達がおそらく相当の数いると見られます。そうしたリーダーたちが反資本主義的な政策を推し進めることがなければいいが、といった懸念もあります。


 日本では安倍氏から菅氏への首相交代があったのですが、もし今まだ安倍氏が首相であったとしたら、民主党バイデン大統領との関係はかなり微妙なものになっていたのではないか、という感じを私は持ちます。


 安倍前首相はすっかり健康を取り戻したと伝えられています。健康を取り戻した安倍氏という政治家が、これから4年と予想されるバイデン政権での日米関係に一定の影響力を持つことができそうな状況に勇気づけられる気が私はするのです。


2020年11月13日

証券アナリスト

松下律

米大統領選挙

松下 律

2020/11/06 08:20

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混迷

 米大統領選の結果はまだ判明していませんが、事前予想のコンセンサスは、選挙の結果はバイデン勝利だが、トランプ大統領が結果を受け入れず訴訟にもつれ込む、というものだったと思います。


 現実はどうやらその通りになりそうで、すんなりと決着しそうもない、というところかと思います。


 弱気派は、おそらくそうした混乱による相場の下落を想定して売りポジションを取っていたでしょう。一方強気派は、バイデン大統領になれば大型の財政支出がある、所得増税、キャピタルゲイン増税はいずれにしても景気が回復してからのことだから、株式相場はバブル継続、ということで不安ながらも買いポジション維持、としていたのではないかと思います。


 この一週間の相場を見ますと、弱気派から見れば想定外の動き、強気派からすれば望外の急上昇でやや驚いている、というところではないかと思います。


 需給から見ますと、弱気派の勢力が大きかったために空売りが溜まっていて、その買戻しで相場が上昇した、買戻しが相場上昇のエンジンになった、ということなのでしょう。ただ、今後のファンダメンタルズへの各材料の影響を都合よく解釈しすぎ、という面は否めないようです。(半導体関連、医薬関連銘柄が特に買われた、といった点。)


 特に日本株(日経平均が典型)で見ますと、海外勢の先物売りがかなり高水準にとどまっていて、買い戻す必要のあるポジションが大きかったということがありそうです。


 それから、新型コロナの感染拡大の面からしますと、日本の状況は欧米に比べればコントロールされていて、相対的に経済へのダメージが小さいだろうと思われていることも売り方に不利、買い方に有利に働いたでしょう。


 それにしましても、先週の金曜日までの一週間で日経平均は539円の下落、今週は昨日までの3営業日で1128円の上昇、かなり目まぐるしい動きと言えます。


2020年11月6日

証券アナリスト

松下律