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松下 律 の投稿

岸田ショック

松下 律

2021/10/08 08:20

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今日はミニSQ

 日経平均は、8月20日のザラ場安値26954円から9月14日には30795円の今年最高値まで駆け上がったのですが、その後反落に転じて27日から何と8日続落、今週だけでも2千円近い下落となってしまいました。


 昨日はようやく反発に転じましたが、1か月半の間に3千円近く急騰して、その後ほぼ同じ幅で下落という有様で、この間上げのピッチも下げのピッチも速かったというのが目を引くところでしょう。


 急落局面が岸田新総裁、新総理の就任時と重なったことから、岸田ショックなどという言われ方もしているようです。岸田氏にとっては気の毒な相場でした。


 岸田新総理は、金融課税の強化とか、分配重視・新しい資本主義などと言っていますし、新しい財務大臣は財政規律といったことも発言しているようです。株式市場がいかにも懸念しそうな発言ですから、今回の下げが岸田ショックと呼ばれても文句は言えないかもしれません。


 しかし3千円上がった後に3千円下がったのを岸田ショックと言われてもなあ、という感じでしょうね。岸田内閣の発足時の支持率はあまり高くありませんでしたし、これからいろいろ前途多難なのでしょう、きっと。


 ただ、岸田内閣は経済政策においてミクロ重視の実務的政策を遂行していくのではないかという予感もします。そうであれば、特に日本経済と株価に悲観的にならなくても、という感覚にこれからなっていく可能性もありそうな感じがします。


 今日は10月のミニSQ日で、SQの値がどうなるか、SQ後の相場の動きは?と注目しているのですが、振り返れば9月のSQに向けては日経平均が3千円幅の上昇、10月のSQに向けては3千円幅の下落ということで、買い方大勝利+売り方惨敗、の後に売り方大勝利+買い方惨敗、という相場だった、ということになります。


 何やら日経平均の何らかのポジションの偏りを突いて投機筋が思うさま仕掛けて、どうも一部の投機筋が成功してしまった、という感じも持ちます。日経平均が先物を使って投機的に動かされているようだ、というのもこれまでも多く指摘されて来たわけですが、今回もそういうことだったのかな、という印象を持ちました。


少し長期の振り返り

 私が金曜日後場のキャスターを務めるようになって早いものでもう丸6年が経過しました。6年の間に指数がどんな動きをしたのか、いくつか拾ってみたいと思います。(区切りをよくするために、2015年末の数値と昨日の数値を比べてみます。)


・日経500     1633ポイント ⇒ 2717ポイント  +66%


・日経平均     19033円 ⇒ 27678円       +45%


・ジャスダック平均 2647ポイント ⇒ 3935ポイント  +49%


・マザーズ指数   887ポイント ⇒ 1084ポイント   +22%


・DJIA       17425ドル ⇒ 34416ドル     +98%


・ナスダック指数  5007ポイント ⇒ 14501ポイント  +190%


・円ドル相場    120.5円 ⇒ 111.47円       +7.5%円高


 日経500はすでに史上最高値を更新していますから、この間日本株も成長株を見れば大きな上昇を示したと言えるのでしょう。(東京エレクトロンのようなイメージです。)


 日経平均は45%の上昇ですから、やや指数が上の方に位置を変えたかな、といった程度の上昇で、上昇よりもその時々の変動の大きさの方が目立ったように思います。


 米国株はこの期間で見れば文句なしの上昇、と言えるでしょう。特にナスダック指数の上昇率は圧倒的で、GAFA、半導体関連株などがバブル相場に突き進んでいるだけのことはあります。


 2020年春にはコロナショックがあったのですが、6年を通して大きな変動を見せながら、日本株はまあまあの上昇、米国株は大きく上昇した、といったところでしょうか。今後を見ますと、米国のややバブル気味のIT系、半導体系の株価の沈静と、まだ続く金余りの相場でどんな銘柄が大きな上昇を見せるか?楽しみなところです。


2021年10月8日

証券アナリスト

松下律


 中国がTPPに加盟申請した、と思ったら今度は台湾が加盟申請、世界の動きは面白いものだな、と思わせるに十分な出来事でした。日本は難しい立場、という見方もあるようですが、いろいろな意味で主導権を取れるという意味で日本にとってチャンスが多くなったという気もします。


チャイナ・エバーグランデ

 今週の世界的な株価の反落は、大げさに言えば「チャイナ・エバーグランデ・ショック」ということになるのでしょうが、米国株の下落は限定的でしたし、日本株も先週までの上昇の一部を失った、という程度で済んでいます。


 中国の経済体制は、異形の資本主義、などと言われるのですが、中国流のバブル処理とか不振大企業の扱い方が見えないというところがまさにリスクだと言えそうです。日銀総裁もFRB議長も、チャイナ・エバーグランデの問題はあくまでも中国特有の国内問題で、国際的な金融混乱につながるようなものではない、といった発言をしているようです。まずはその通りなのでしょう。


 日本株について見れば、8月20日までの下落が(その間、香港株が大きく下落していたことなどからしますと)まさにチャイナリスクを反映したものだったとも言えるでしょうから、チャイナリスクで下げた日本株が海外の投機筋の売りポジション解消で急速に上げた後、チャイナリスクで少しまた下げた、というのも何やら奇妙な話です。


 今週は各国の中央銀行が金融政策決定会合を開いていて、日銀は予想通りまったくの無風でしたが、FRBはテーパリングの決定を11月に、と確定したのに加えて、利上げ時期が早まるかもしれない、という発言もあって、やや踏み込んだ動きという感を持ちます。


 FRBのアナウンスの後に、円ドル相場はだいたい30銭くらいのドル高に、NYダウは反発ということで、何か混乱の元になるというようなことはありませんでした。まずは市場の予想の範囲内のアナウンスだったということでしょう。


 日本株で見ますと、8月20日から9月14日までの急騰では売り方大慌て、ということだったでしょう。今週の下げについては、売り方は不満たらたら、というところでしょう。


 ふつうの投資家からしますと、リスクを意識した抑制気味の買いポジションを維持しておけばとくに問題が生じることはなかろうから、そのようにして事態の推移を見守ろう、という向きが多いと思われますし、実際それでOKという気がします。


日本の個人消費を増やす方策

 について考えてみたいと思います・・・が、解決策を見つけて日本の個人消費を活発にするとなるとむずかしいことなのでしょう。


 個人消費は個人所得に比例しているでしょうから、個人消費を増やすには個人所得を増やせばいい、ということになりますが、米国のように個人に対して大盤振る舞いするようなことはわが国ではなじまないでしょうから、個人所得を全体としてすばやく増やすなどということはできないでしょう。


 所得(あるいは資産)を消費してもらおうという発想からしますと、次のようなことが考えられます。


1. 若い人の所得を増やす

わが国の制度は徐々に変わって来ているとはいえ、まだ年功序列体質は残っているでしょう。年功序列体質の中で若年層への分配を増やすのは容易ではないと見るべきです。若い人たちが既成の会社や役所に勤めるのでなく、みずから起業するなどすれば年功序列も何もない、となるのでしょうが、それもなかなか難しそうです。


2. 高齢者に貯蓄を消費してもらう

 高齢者が貯蓄を消費しない最大の理由は老後の生活への心配だろうと思います。ということは老後の生活の心配を無くしてやれば貯蓄を取り崩して消費する分が増えるだろうということになるのですが、年齢が上がるほど、長生きすればするほど年金額が増えるトンチン性を高めた年金が普及するといったことでもない限り、貯蓄を簡単に取り崩すことはしない人が多そうです。


というわけで、妙策なし、というのが結論です。


 とはいえ、わが国の現状はどうしようもないくらい酷いというわけでもないのですから、若い人たちがもっと活躍して所得を増やして消費する、ということを期待するところなのでしょう。


 具体的には、もし意欲と覚悟があるなら起業して大きな成功を目指す、とか、私企業に所属しているなら、大きな成果を仕事であげて報酬を要求する、といったことがふつうになればいいのでは、と思います。(今どきの会社であれば、例えばこの1年で私は会社に1億円の付加価値をもたらしたのだから、ビッグボーナスを要求する、と言ったときに何もしてもらえないことはなかろうと思います。)


2021年9月24日

証券アナリスト

松下律


高値圏での波乱?

 この3週間の日本株の急上昇は目を見張るものだったと言えます。一気に米国株の年初来上昇に追いつきました。これで、日本株だけがどこかで大幅に下落する、といった懸念は薄れたと思います。


 今日は米国のトリプルウィッチングです。何かの拍子に相場が大荒れとなる恐れもあるのかもしれません。


 そして来週はFOMCが開催されます。テーパリングに対してどんな言及がなされるのか、あるいはなされないのか、それらを相場がどう捉えて反応するか、注目です。


 この3週間、日本株は大きく上昇しましたが、その間1日の売買代金が3兆円を超える日が多く、売り買いが活発に行われたことを示しています。売り方の買い戻しもあったでしょうし、買い方のやれやれ売りもかなり出た、ということだったのでしょう。


 菅自民党総裁が総裁選不出馬を表明したことが売り方の買い戻しを加速した面が確かにあったと思われますが、次期総裁をネタにさらに日本株を買いあがるエネルギーを出すのはなかなかたいへんだろうと思います。


 先月20日に日経平均が2万7千円を割り込んだ時には売り方にしてやられるか、との感じもしたのですが、さすがに日本株だけを売り叩くことはできなかったということでしょう。


 先週のコラムで三菱商事株のことを書いたのですが、地味だけれどじりじり買われて上がっているという感覚で、このところの日本郵政(6178)の株価の動きも注目することができるように思います。


 特に業績が向上している、とか、何か材料が買われる、というわけでもなさそうですが、配当利回りの高さ(5%超)が投資家の注目を集める最大の要因になっているのではないかという気がします。


忍び寄る悪材料

 多くの人が何となく、あるいは明確に懸念していると思われるのですが、昨年のコロナショック以降世界各国の金融緩和と財政支出(その中で最大は米国の給付金支給だったと思います。)によって大きく持ち上げられた株価がそろそろどこかで急落局面を迎えるのではないか、という懸念、9月10月は過去に大きな株価下落を経験した季節でもあり、注意しながら進むべきであるのかもしれません。

(具体的に言えば、過度の買いポジションは避けるようにしましょう、というだけのことではあるのですが。)


 市場参加者が悪材料として買いを手控え、売り投機を試みる人たちが売りの根拠とするのではないか、と思われる材料を考えてみますといくつもの候補があがるようです。


1. 米景気の拡大鈍化と金融政策変更

 米景気が拡大し続けるのであればテーパリングなど材料にならないでしょう。米景気の拡大鈍化を見てテーパリングが遅れる、ということであれば、それはそれで株式相場にはあまり響かないかもしれません。


 しかしながら、米景気拡大鈍化が明らかにもかかわらずテーパリングが実施される(されそうだ)となればそれは株にとっては悪材料となるかもしれません。そういう風に市場参加者(わけても売り方)が思う局面が到来したら・・という話です。


2. 中国経済の変調

 中国政府によるIT企業への圧力、共同富裕といった奇妙なスローガン、加えて中国恒大の信用不安、われわれは2015年夏からのチャイナ・ショックを覚えているわけですが、中国初の世界的株価急落は起こっても不思議ない状況にあるのではないか・・


3. 米株式市場への資金流入のピークアウト

 例えば7月以降の米株上昇・日本株下落(とくに日経平均の下落)という奇妙な爬行相場の最大の要因は、米国株式市場への指揮流入の大きさにあったと思われます。


 よく税金対策売り、などと言われますが、バイデン政権によるキャピタルゲイン税の増税とか、個人への給付金の打ち切り(すでに行われています。)などから、米国株式市場への資金流入が一時的にせよ鈍化した場合・・


 米国株下落 ⇒ 日本株連れ安、という流れは十分に考えられるシナリオなのですが、日米の株価が逆行していた局面で米国株が急落したら、すでに下がっている日本株がさらに大幅に下がる、という悲惨な状況に陥る恐れがあったでしょうが、この3週間の日本株の上昇で、日米の株価の近年初来の上昇率はほぼ同じになっています。


 ここからであれば、米国株の急落が起きたとしても日本株の連れ安もさほどのことにはならず、むしろ例えば日経平均とDJIAの「サヤ」を縮小するきっかけになるかもしれない、くらいに思っておけるようになったように思います。


2021年9月17日

証券アナリスト

松下律


SQ後の動きに注目

 今日は9月のSQ値算出日です。海外の株式市場は落ち着いているようですし、日経平均は3万円の攻防ということになるのでしょう。SQ値が決まった後の流れに注目します。


 以前のように日経平均を一部の銘柄の上昇が引っ張るという動きは鳴りを潜めた感があります。売り続けられたソフトバンクG株が急反発するといったこともありますが、じりじりと着実に上値を指向するように見える三菱商事株のようなものもあります。


 三菱商事と言えば今週水曜日に新聞報道で国内再エネ網でアマゾンと組むと伝えられて注目を集めたということもありそうですが、昨年秋からの株価上昇は基本的には同社株の割安に目を付けた投資家の買いが継続的に入っていたから、という理由によるのだろうと思います。(バークシャーハサウェイが同社を含む日本の総合商社株を買ったということも以前話題になりました。)


 三菱商事株を見れば、予想PERが13倍、PBR0.9倍、配当利回り4%弱、時価総額は営業キャッシュフローの5倍程度、という株価ですから、現時点の株価も割安の部類でしょう。買っている投資家からすれば、三菱商事株が数年以内に7000円水準に到達しても驚かない、といった感覚でいる人たちも多いのだろうな、と思わせます。


 日銀のETF買い ⇒ 主要数銘柄の株価上昇 ⇒ 投機的な資金による買い上がり ⇒ 日経平均の上昇、といったプロセスはなくなりましたので、日経平均が上がるとすれば物色対象が広範囲に選ばれながら買われて行く、ということになろうかと思います。(そういう意味では、日経平均の上昇とトピックスの上昇と、あるいは日経500の上昇と、いずれもが同じようになって行く、ということなのかもしれません。


逆ねじを食わされた売り方

 日本株は売り崩せる、と思って売りポジションを積み上げていた売り方にとっては大慌ての1週間だった、ということになるのでしょう。


 売り方のポジションの積み上がりを見てどこかで相場は逆転するのではないか、と思っていた買い方がいたとすればまさにしてやったりで、売り方は見事に逆ねじを食わされた、というところでしょう。


 日経500、日経平均、ジャスダック、マザーズ、DJIA、ナスダックの6つの指数の相対チャートをみっつの期間で見てみようということで用意したのですが、


1.去年末を100とした相対チャート


2.今年7月末を100とした相対チャート


3.今年8月末を100とした相対チャート


を見比べて見ますと、1.では日米の株価が見事にワニの口状態ですが、この1か月ほどは逆に日本株の方が上昇という形でワニの口状態になっています。ようやく日本株の出遅れが解消しつつある、という見方もできるのかもしれません。


 一方で米国株の上値が何となく重くなっているように見えるのは気になるところです。


 毎年秋になりますと私はブログのネタとして「マークトゥエインが言ったところによれば、株式投資にとって10月はもっとも危険な月だ。」というのを使うのですが、秋の株価暴落アノマリー、などというのもありそうで、米国株が一時的にゴルディロックス状態から離脱 ⇒ 世界的に株価調整 ⇒ 日本株も同様、といったことを念頭に置いて進むべき局面になるのかもしれません。


2021年9月10日

証券アナリスト

松下律 

アノマリー破り

 先週ぜひ触れようと思っていたのですが、月末安のアノマリーのことを言い忘れたのを放送終了後に思い出しました。


 実際にはようやく月末安のアノマリーが崩れたわけですが、9月月初から二日間も上昇ですから、何か変化が起きたのかなと思わせるような動きとも思えます。


 世界各国でコロナ対策は違っているのですが、大別するとゼロ・コロナを目指す国とウィズ・コロナを目指す国に分かれるようです。


 わが国はどちらなのか、よく分からないところもあるのですが、おそらくはウィズ・コロナを目指しているように見えます。(ゼロ・コロナは現実的でない、ということなのでしょう。)


 ウィズ・コロナの肝はワクチン接種による集団免疫の獲得(完全ではないにしても、医療を守れる程度に)ということになろうかと思います。


 ウィズ・コロナで何とか経済が動くようになれば、コロナ前の経済状態に戻れるということで、株価は金融緩和の分だけコロナ前より高くなった状態を保てる、といった構図が描けるのでしょう。


 日本株の場合、デルタ株への対処がひょっとするとうまく行かないのでは、という懸念から4月から7月にかけてやや不調に陥ったものの、ようやくウィズ・コロナ路線に戻りつつある、という見方でいいのではないかという気がしています。


 とはいえ、いわゆるK字回復の状態は続いていますから、経済ファンダメンタルズと株価との関係を考える際には、なぜこんなに景気がいいのか?ということと、なぜこんなに景気が悪いのか?ということを同時に考えながら相場を見ていく必要がありそうで、なかなかに難しい感じです。


 中国経済は回復に陰りが見えて来ているようですし、米国経済もスローダウンという言葉がこれから増えそうな気配です。


 中国の経済政策が混乱の引き金を引いて、一時的に株式相場がパニック状態になるといった事態も今秋は想定しておく方が無難なような気はします。


今年ここまでの振り返り

 今年ももう8か月が経過したわけですが、いくつかの指標の今年ここまでの騰落を見ておこうと思います。


・日経平均      27444円 ⇒ 28543円 +4.0%


・ジャスダック平均  3719ポイント ⇒ 3992ポイント +7.3%


・マザーズ指数    1196ポイント ⇒ 1120ポイント -6.4%


・DJIA        30606ドル ⇒ 35443ドル +15.8 %


・NASDAQ       12888ポイント ⇒ 15331ポイント +19.0%


・円ドル相場     103円 ⇒ 110円 7%ほど円安


 米国株は豊富な資金流入でバブルまっしぐら、日本株は見劣り、といった図式ですが、ここからの動きを考えますと、日本株が米株を追いかけそうといったようにも思えます。


 割高な米国テック株がどこかで大きく下げる、といったことが起きないとも限りませんので、秋相場はけっこう油断ならない推移を想定しておくべきかと思いますが、日本がウィズ・コロナ状態で落ち着きを取り戻すにつれて、需給が徐々に買いに傾くことが多くなるような気がします。


 引き続き、日々のニュースや発表されるデータに反応しながら進む相場になると思いますが、(いつもそうですが)数か月スパンの変動も意識しておくべきだということを忘れないようにします。


2021年9月3日

証券アナリスト

松下律