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松下 律 の投稿

米金利急上昇

松下 律

2021/02/26 08:20

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「まだ」同じメカニズム、とはならず・・

 今週は火曜日が休日でしたので昨日までで立会日が3日ということだったのですが、興味深い動きを示した相場でした。


・22日月曜日:日中一時日経平均は400円以上上昇、「まだ」同じメカニズムで急騰か、と思わせたのですが伸び悩み、月曜日の急騰とはなりませんでした。日経平均を動かす主力銘柄を買いきれなかった、という印象でした。


・24日水曜日:日経平均の主力銘柄が大幅下落となって、日経平均は484円下落。米国金利上昇→グロース株下落、という圧力に押されたようでした。バリュー系の銘柄はさほど売られませんでした。


・25日木曜日:パウエルプットでNYダウ新高値に上昇→また同じメカニズムで日経平均は496円高。バリュー系の銘柄もそこそこ買われた、という感じでした。


 大幅に下落した24日も日銀はETFを買わなかったと伝えられています。3月18~19日の日銀金融政策決定会合でどのような見直しが行われるかまだ分かりませんが、現在の日経平均3万円の水準であれば、日銀が「株式のリスクプレミアムを下げるために」株を買う必要はもうない、と結論付けても不思議はないのでしょう。


 米国金利の上昇が即株価の下落には結びついていないように思えますが、波乱の要因になっていることは確かなように見えます。

コロナショックからそろそろ丸1年になります。ここまでさしたる波乱もなく順調に株価は上昇して来たわけですが、そろそろ波乱も想定して進むべきだとなっているのかもしれません。


日銀ETF買いの出口

 日銀のETF買いは日本株の需給の悪さに対応するための株式の買い支えであった、ということは確かなのだろうと思います。

日本株は売り崩せる、と見くびられて売り屋に蹂躙されかねなかった日本の株式市場を守った、と、大げさに言えばそのように言えるのだろうと思います。


 ただ、現状を見れば需給の失調状態を日銀の買いで救うべきだ、という状況にはわが国の株式市場はない、と言っていいように思います。


 日銀のETF買いの「出口」についてはさまざまな意見が出ているようですし、これからいろいろ議論の的になるのだろうと思います。

現実的な方策があるのかどうか分からないわけですが、もし日銀保有のETFを何らかの形で国民に買い取ってもらうというやり方をするとすれば、そうとうの工夫をしないと難しいのではないかと思えます。


 これから議論が出て来るのだろうと思いますが、まずは日銀がETFテーパリングをほのめかした時日本株相場がどう反応するか?大いに注目すべきだろうと思います。


2021年2月26日

証券アナリスト

松下律


またまた同じメカニズムで

 月曜日の大幅株高、とか局面によっては大幅株安、という現象が時折あるものですが、今週月曜日の大幅高もある種人工的な感じのするものでした。


 先週のブログで、先週月曜日の大幅高のことを「また」同じメカニズムで、と書いたのですが、今週も同じようなことが起きましたから、今週は「またまた」同じメカニズムで、と書くことにしました。


 そのメカニズムは?と問えば、おそらく多くの市場関係者が同じようにこたえるはずです。


 来週も月曜日の大幅高となったら、こんどは「まだ」同じメカニズムで、と書くことになるのだろうか、などと思ったりしました。


 日経平均は個別の一銘柄として見る方がいい、といつも書いているのですが、今週の動きはまさにその見方がふさわしいものだったという気がします。構成銘柄で言いますと、ファストリが典型中の典型という動きです。


 それにしましても、昨日の相場でファストリ1銘柄で日経平均を169円も引き上げていた、というのは驚きと言えば驚きでしょう。(ファストリの上昇幅4700円、日経平均の序数27.769で割って169円、という計算。)


 とはいえ、これだけ短期間に急速に上昇すれば高値警戒感も出るし、利食いも出る、ということで反落を恐れる(あるいは反落を期待する)ムードも強くなっている気もします。


 相場を取り巻く環境を見ましても、いろいろ警戒すべきものが出て来ているようです。


・米金利の上昇 ⇒ インフレ懸念 ⇒ FRBの政策変更リスク


・米中摩擦の再激化


・地政学リスク(米・イランの確執、ミャンマー情勢など)


・相場のテクニカル的な過熱感


・ボラティリティの上昇


などなど。


 まずは今日の相場で日経平均3万円の攻防がどうなるか、見ておくところかと思います。


バブルと言っても・・

 株価の上昇とともにバブル論議が盛んになっている、と見ることができます。


 われわれ日本人が身近に経験した最大のバブル(とその崩壊)は「1980年代後半の資産バブルとその崩壊」でしたから、バブル(とその崩壊懸念)を考えますと、どうしても80年代後半のバブルのことを想起してしまうのですが、私は今進行中のバブルとそのバブルへの対応を考える、ということからしますと、80年代バブルの経験はあまり参考にならない、と思っています。


 理由は簡単で、あの80年代のバブルとその崩壊は、そうとうに特殊なものだった、と思うからです。


1. 金融機関の行動が引き起こしたバブルだったこと ⇒ 過剰流動性


2. 不動産を対象にした借金が膨大にふくらんでいたこと ⇒ その後不良債権化


3. 資産価格が異常な高値になったこと ⇒ 日本を売るとアメリカが4つ買えた、とか、市場平均PBRが5倍規模に上昇していたこと、など。


 結論を言えば、今の株価がバブルであろうとなかろうと、80年代後半のバブル膨張とその崩壊を教訓にして行動する必要などない、と言えると思います。(別の対処対応はする方がいいとは思います。バークシャー・ハサウェイは、保有しているアップル株の一部を売ったそうですし。)


2021年2月19日

証券アナリスト

松下律


また同じメカニズムで

 今週月曜日の相場急騰をみますと、あっさりと大台を超えたという感じでした。また同じメカニズムで売り方の買戻しが相場を押し上げた、ということだったようです。


 ただ、以前ですと日経平均の売りポジションを取っていた向きの買戻しが中心という感じでしたが、今回は(おそらく)日経平均先物オプションのコールの売り方がコール価格の上昇に応じて先物の買いを入れたことが主導、という感じを持ちました。


 コールの買い方の中心が個人だったかどうか分かりませんが、個人のコール取引のほとんどは買い、売りの多くは業者、という構図はおそらくそのとおりだったのではないかいと思います。


 コールの売り方である業者は、コール・オプションのデルタの上昇に応じて自動的かつ急速に先物の買いを入れたのでしょう。それが、わずか10分程度の間に日経平均が500円規模で上昇した原因だった、そんな気がします。


 いつもコメントしていることですが、現下の株式相場は「パンデミック・バブル(流動性供給を因とする需給相場)」と「業績回復期待相場」の組み合わせだと見ることができると思いますが、銘柄の物色を見ますと、月曜日に日本製鉄株が10%規模で上昇したのは典型的な動きだったと言えそうです。


 市場全体を見ますと、まだバブル状態からは遠いと思いますが、個別の株価を見ますと、そうとうにバブルっぽいものも多く見られます。バブル株価が収縮を繰り返しながら破裂するまでに膨らみますから、個々にどんな状態なのか、常に見ておくことが必要でしょう。

今日は2月のオプションSQです。SQの水準がどのようになるか、日中相場がどんな動きをするか、注目しておきたいと思います。


暗号資産(仮想通貨)

 今週もいろいろなことが起きましたが、暗号資産からみでテスラ社がビットコインを1500万ドル購入⇒ビットコイン価格500万円突破、というニュースは面白いものでした。


 テスラ社という自動車メーカーがビットコインを買う、というのは奇妙ですが、社長のマスク氏はペイパルの創業者の一人だったということからしますと、突飛なことではないのかもしれません。


 暗号資産の価格高騰は、まさに流動性バブルの象徴でしょうし、米国の膨大な資金供給⇒将来のインフレ⇒ドルの減価への備えが始まっている、といった解釈も可能かもしれません。


 ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)は時に「デジタル・ゴールド」などと呼ばれたりします。感覚的にはまさにそのとおりのようにも思えます。


 としますと、(金を実際の取引の際に用いることは普通はないように)ビットコインなどの暗号資産は決済のための道具としてはあまり向いていないように思えます。


 ただ、暗号通貨の世界はまだ混沌としていて、ビットコインなどとはまったく別に価値を安定させたデジタル通貨の構想もありますから、暗号資産全般が決済に向いていないとは言えないのでしょうが。


 ビットコインなどの決済通貨に向きそうもない暗号資産については、まさに需給だけでその価格が決まりますから、どの程度の価格が妥当か?ということはそもそも質問にもなりえない、ということになってしまいます。しかしながら、今の情勢を考えますと、まだまだ暗号資産のバブル相場は続くのでしょう。


 ビットコイン(BTC)と言えば、私は2017年8月に分裂(ハードフォーク)によって誕生したビットコイン・キャッシュ(BCH)がこれからどうなるか?に興味があります。


 1ビットコインの価格は現在488万円ほど、一方、1ビットコイン・キャッシュは5万5千円ほどです。分裂した頃は両者同じくらいの価格でしたから、3年ほどで大きく差が開いたことになります。


 私は、この差はビットコイン・キャッシュを主導したのが中国系の人たちで、中国が暗号資産に対して強い規制をしている、ということが影響しているのではないか、と(ほとんど邪推かもしれませんが)思っています。(同じようなことは、イーサリアムとイーサリアム・クラシックにもあるのかもしれません。)


 今後どんな推移を各暗号資産の価格が辿るのか、興味が尽きません。ただ、暗号資産は本質的に「根源的価値を持たない存在」(=つまり、何か価値を生み出すものではない存在)であることは常に覚えておくべきではあります。


 通貨というものは「信用」だけにその価値の基盤を持つ存在であり、その「信用」は「国家(の徴税権)に基礎を置くもの」のはずだと私は理解します。(ちなみに企業が発行する通貨でもある「株式」の信用の基盤は企業の利益です。)将来は、国家などというものがなくなるのかもしれませんし、デジタル・ゴールドにはそれ自身の価値がある、ということになるのかもしれませんが、そうならない可能性も強いように思えます。


2021年2月12日

証券アナリスト

松下律


物色対象の拡がり

 昨日の下落、それから先週末にかけての下落もそうだったと思えるのですが、ふつうの個人投資家(や個人投機家)にとってはあまり気にならない下落だったように思います。


 昨年11月から今年1月の上昇局面では、番組の中で私がよく言っているのですが、ふつうの個人投資家は上がっても下がっても腹立たしいといった上昇相場だったような気がします。


 先物の買いを起点にして、日経平均の変動への寄与度の大きいごく少数の銘柄だけが上昇する、その結果としてNT倍率がどんどん大きくなる、といった相場付きですと、ファストリ、東京エレクトロン、エムスリー、ソフトバンク、アドバンテスト、ダイキン、中外製薬などをすべて持っている、などということがふつうはない個人投資家にとっては、違和感が大きい、ということになりがちだったと思われるからです。


 それに比べますと、この数週間の相場付きは物色対象の拡大が顕著です。ふつうの個人投資家も自分の持っている銘柄がそこそこに上昇しているということを実感できているのではないでしょうか。


 そんな中で、昨日はソニー株が好業績の発表を受けて出来高を伴って上昇、ということが起きました。


 現下の上昇相場は、いつもコメントしていることですが、「超金融緩和」と「業績回復期待」を土台として展開しているわけですが、日経平均の値動きに限りますと、好需給で株価がバブル化しているようなファストリと半導体関連に寄りかかり過ぎ、といった風情でした。


 それが、大きな業績向上を背景にしてソニー株が一躍主役の座につく、となれば今後の銘柄物色の流れに弾みが着く、となるかもしれない・・・何しろソニーは日本を代表する会社中の会社ですから・・・


 トヨタ、ホンダ、NEC、日立、メガバンク、総合商社・・などが後を追うように上昇トレンドを描くかもしれない・・そんな期待が強くなって行くのではないかと思います。


 別に半導体関連や電子部品株が悪いわけではないでしょうが、日本株全体を見れば、ソニー株の上昇の方がはるかに好影響が広範囲に及ぶように思えます。


 それから、去年11月からの上昇相場は「ワクチン相場」といった面もあったわけですが、ワクチン接種が進むに連れて相場へのインパクトは薄れて行くと予想されます。


 おそらくは、それに代わってCovid-19の治療薬に期待する相場がまたやって来るのではないか、そんな気もしています。


ハント兄弟の銀投機

 ゲームストップ株の急騰急落劇(空売り⇒ショートスクィーズ⇒暴騰⇒暴落)は非常に興味深いものでしたが、銀価格の上昇もまた面白いものです。


 銀投機と言えば40年くらい昔の話ですが、ハント兄弟の銀投機のことを思い出します。


 昔から時々思い出したように銀という貴金属は投機の対象となるようです。


 兄弟と言えば、ウィンクルボス兄弟も昨年の夏くらいからネット上で多く目にするようになっていました。


 ザッカーバーク氏を訴えて巨額の和解金を手に入れ、その一部をビットコインに投入して邦貨換算で1000億円を超える資産形成に成功した、というのはひとつのアメリカン・ドリームなのでしょう。


 ネットに乗っていた情報ですが、ウィンクルボス兄弟は、そうした自分たちの投資行動を映画化する、とのこと、さらには、ゲームストップの相場も映画の題材にしようとしている、といった記事もありました。


 映画と言いますと、「ウォールストリート」もその続編も面白い映画でした。フェイスブックを題材にした「ソーシャルネットワーク」もそうでした。


 ウィンクルボス兄弟の作る映画にも期待したいと思っているところです。


 やがては必ず崩壊するバブルですが、私はバブル生成⇒崩落、を日本の不動産バブルの生成と崩壊の時代(1980年代から20年余り)のイメージで捉えるとうまく対処できないのではないかと感じます。


 日本の不動産バブルの生成と崩壊と比べますと、仕組みや政策がこなれている影響で、はるかに「管理されたバブル生成と崩壊」という姿が強く見られるように思うからです。(意図的なバブル生成と崩壊が繰り返されるようになっている、という言い方もできるのかもしれません。)


 投資という観点とは違いあくまでも投機の話ですが、「バブルは相場の華」です。好需給で作られるバブルも、半導体の成長期待を土台に作られるバブルも、EV化を期待するバブルも、SNS上で連携した個人の資金力で作られるバブルも、銀バブルも、いずれも「華」です。


 投機を試みるなら、それらをどう活用するかという視点で、分析し対処・対応することが望ましい、という気が私はします。


2021年2月5日

証券アナリスト

松下律


2月下落観測がありますが・・

 一昨日大きく下落したNY株式相場でしたが、昨夜はDJIAで300ドルの反発を見せています。日経平均先物も時間外で400円ほどの上昇となっていました。今日の東京株式相場は注目です。


 日経平均は何日か売られても主力株が買われて急上昇という推移を続けて来たわけですが、今日の相場で東京エレクトロン、エムスリーなどがどんな動きを見せるか、バリュー系の銘柄の株価はどうか、など、決算が続々発表される中で市場の反応を確かめることになりそうです。


 多くの市場参加者が、そろそろ反落局面、と述べているようですし、私も同じような感覚なのですが、良いとこ取りの反省としてどの程度の反落を例えば日経平均で見込むのか、なかなか難しいところです。


 コロナ禍からの立ち直りが思わしくなくなる中で、企業業績はそれなりに回復を見せている、がしかし、その回復分はすでに株価に織り込まれてしまっている、という感じが強いようにも思います。


 昨日の下げがまさにそうだと思うのですが、何か悪材料が出て下げたわけではない、というところがあるように見えます。利食い売りに押されるようになった、ということなのでしょう。


 いずれにしましても、ごく少数の銘柄の株価が上昇して日経平均が上がる、という相場から、物色対象が拡大する流れに徐々に変わっているようにはなりそうです。


ロビンフットバブル=コールオプションバブル

 テスラ株の相場もそうですし、このところ大きな話題となったゲームストップ株の上昇相場もそうだと思うのですが、アメリカの株式市場におけるロビンフッド・バブルのメカニズムがコールオプションに絡むものだ、というのは示唆に富む話だ、という気がしています。


 機関投資家に比べれば少額の資金しか持っていないロビンフッターたちの一部がコールオプションを使って大儲けを目指した、というのはよく分かる話ではあります。


 日本では個別銘柄のオプション市場がほとんどありませんから、アメリカで起きたようなことは起きそうもないのですが、例えば、中小型株で貸株の多い(ということは貸株金利の高い)銘柄に個人の投機的な資金が集中して流入する、といった相場が考えられなくもないのでは、という気がします。


 比較的小型の株の株価が少し上がると、すかさず貸株金利が上昇する、といったことはよくあることです。


 そうした銘柄に個人の投機的資金が目を着けて、アメリカのようにSNSで集中的な買いを呼びかける、などということはないにしましても、買いを入れてくる⇒株価上昇、といった現象が広がる可能性はあるかもしれない、と思ったりします。


円ドル相場と株式相場

 過去10か月ほどの円ドル相場を振り返りますと、じりじりと円高というトレンドを描いて来たことが分かります。


 その間日本株の相場はどうだったか、と見ますと、総じて株高でした。


 つまりは、過去10か月ほどの間は、「円高・株高だった」ということになります。


 このことは、アベノミクス相場時の、アベトレードによる日本株高とはまったく違うという気がします。


 この間の円高は、円高というより、他の多くの通貨に対して米ドルが弱くなった(その原因はもちろんアメリカの超金融緩和です。)結果としての円高、ということなのでしょうが、円高であったことに違いはありません。


 そのトレンドが、チャートを見る限り、変化の兆しを見せているように感じます。ただ、おそらくは、ですが、まだここから円高になるかもしれない、という見通しを持つ人も多いように思えます。


 為替相場と株式相場の関係はけっこう複雑なのでしょう。円安だから株高、とも言える局面があるでしょうし、円高と株高が共存することもあるのでしょう。


 現時点で見ますと、ここから円安にならずに円高になるとすると日本株にはマイナスと見る人の方が多いように思います。


 その辺りをどう考えておくべきなのか、これまたけっこう難しい問題のように思います。


2021年1月29日

証券アナリスト

松下律