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松下 律 の投稿

 米株式市場は決算プレーの最中ですが、全体としては高値を保つ動きとなっています。日経225先物も22200円台で戻って来ました。10連休を前に今日の後場どんな値動きを見せるか、注目しています。


決算発表・日銀

  今週は、いくつかの企業の決算発表→市場の反応、と、日銀金融政策決定会合(+後の黒田総裁記者会見)に注目していました。


 3月決算の発表はまだ数が少ないのですが、日本電産、ファナックなどを見る限り「ハードデータ」としての数字は少なくとも足許と今上期はよくなないようです。下半期には回復、とするところと、とりあえず現時点では期を通じてあまりよくない、と予想するところと分かれるのだろうな、というのが今後の決算発表の見通しです。


 市場の反応は?と言いますと、悪いことはない、少なくとも、ハードデータを見て、そこから徹底的に売り崩しに行く、というような動きはないようです。わが国は今週末から10連休に入り、その間にグローバルには環境の大きな変化がある恐れもありますから何とも言えないところですが、まあまあ売り崩される恐れは決算発表に絡んではなさそうだな、という感触でしょう。


 日銀の金融政策決定会合については、金融政策はもちろん変化なし、ですが、以下の2点を市場は注目したようです。


1 フォワードガイダンスについて、少なくとも2020年の春までは緩和を続ける、としたこと。

2 ETF貸付を行うとしたこと。


 来年の春までは緩和を続ける、ということは、逆に言えば来年の春以降に引き締めに転じる、と取られることもあり得たのですが、「少なくとも」という言葉が効いたのか、緩和期間がより長期になる、と市場が受け取って、株価の(多少の)上昇につながった、と見ることもできるようです。


 ETFの貸付については、先々日銀は保有するETFを市場に売ることなく処理できるのでは?という連想が働く、ということなのでしょうか、これも株式市場は好意的に取ったようです。


「5月に売れ」

 この3月期決算発表をきっかけに株式市場が下落する、ということはどうやらなさそうだ、と思えるのですが、アノマリーとは言え、どうも「5月に売れ」が気にはなります。


 今の米国市場は、「ゴルディロックス相場」に戻っているわけですが、となれば、次は「ゴルディロックス相場」から「離れる」局面だろう、と思う人は多いでしょうし、それを儲けのチャンスと見て、売りの好機を探る人たちが居ても不思議はありません。


 いつもコメントしていることですが、「5月に売れ」は、実はその前に「11月に買って」というのが着いている話です。半年くらいのスパンでトレーディングをしよう、としている人たちにとって、「11月に買って、(翌年)5月に売る」というのはけっこうやりやすい行動なのでしょう。


 去年の11月~今年の5月、というスパンを見れば、昨年の11月は(今よりは)株価が全体として低かったのですから、「11月に買って、5月に売る」というトレーディングで利益を上げることができるかもしれません。


 今は低い水準にあるボラティリティの動きを注意して見ておきたいものだと思っています。


株式銘柄のキャラクター

 投資や投機のために株式の売買を使う、という時に、株式銘柄の性格(キャラクター)と言ったものを考えるといいのではないかと私は思っています。株式銘柄のキャラクターとしては、次のような分類でいいのではないかとも思います。 

 

キャラクター

1.中長期投資向け適合銘柄

2.短期トレード適合銘柄

3.イナゴタワー銘柄

4.循環株

5.バブル期待銘柄

 

 重要なことは、それぞれのキャラクターに応じた使い方(投資やトレーディング)を心がける、ということです。


 例えば、短期トレードに向く銘柄を長期投資に使ったりすると、思わぬ値下がりで苦しむかもしれませんし、中長期投資に向く銘柄を短期トレードに使ったりしたら勿体ない、ということが起こります。


 それぞれについて、明日番組の中でコメントしたいと思いますが、カテゴリー分けはそれほど重要ではなく、「株式銘柄にはキャラクターのようなものがあって、それぞれ目的に応じて使い分ける方が効率的」ということを認識しておくことが望ましい、ということです。


平成と令和

 いよいよ来週水曜日から令和時代が始まります。


 平成時代を振り返るとしまして、まず、次のランキングを見てください。


1 マイカル 平成13年

2 タカタ 平成29年

3 日榮 平成8年

4 ライフ 平成12年

5 そごう 平成12年


 さて、何のランキングだと思いますか?

 平成時代の「企業倒産金額ランキング」です。


  私は、平成時代は「昭和資産バブルの後始末の時代だった」と思っているのですが、このランキングを見ますと、まさにそういう時代だったと得心が行きます。


 次に、平成時代に起きた変化、について10ほど挙げてみたいと思います。


1 消費税 0パーセント→5パーセント→8パーセント

2 一人当たりGDPランキング急落 1989年世界第4位、2018年世界第26位

3 金融システム崩壊は免れた → しかし、収益力は低いまま

4 自動車業界の競争力は保たれた → 電動車になった時どうなるか?

5 資本財、部品、素材では突出した → 日本人にできることは中国人にもできるはず・・

6 株式市場での海外勢のプレゼンスが増大

7 CGの向上 → ROEの向上 あともう少し

8 個人トレーダーの増加 → パチプロとの違いは?

9 IT技術の進歩 → これからさらに進歩するはず

10 冷戦 → グローバリズム → ビジネスエコシステム、となって100兆円企業が出て来たが・・


 平成時代に起きた変化で、予想通りだったものと、予想外だったものを分けてみます。私の感覚では、上記の内、個人トレーダーが増加した、というのが最も予想外でした。


令和時代への期待

 平成時代には、時価総額極大化を指向してビジネスエコシステムを確立した米中心のIT関連企業、膨大な人口を背景に、米企業を大胆に模倣した中国企業、などに完敗した感のある日本企業ですが、令和の時代、グローバリズムの反動、という風に乗って、SDGsに長けた日本企業が今度は勝ち組になる可能性もあるのではないか、という気もします。


 ただ、株価の上昇を願う立場からしますと、以下の三つが起きて欲しいものです。


1 二桁以上のROE

2 コーポレートガバナンスの一層の徹底

3 株式需給の改善 自社株買いはもちろんのこと、終活売りを封じ、日銀のETF買いの後始末がなされればベストでしょう。


2019年4月26日

証券アナリスト

松下律

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@shokenanalyst

225は2万2千円超え

 昨日、日経平均は6営業日ぶりの下落でしたが、時間外の日経225先物はNY株高を受けてすかさず反発となっています。史上最高値まであとわずかとなっているNYダウに比べれば見劣りするものの、日経平均もどちらかと言えば強調です。


 相場の上昇を抑えて来た海外勢も(アノマリーとおり、なのかどうか分かりませんが)四月に入って買い越し基調で、四月は国内勢の売りと海外勢の買いという構図のようです。10連休を控えて、多くの市場参加者がポジションを控えめにしていると思いますが、買いポジションもあれば売りポジションもあるということで、ポジションの縮小が必ずしも株価下落につながるものでもないということなのでしょう。(ファーストリテイリングの株価の動きの如きは、売り方の買戻しを連想させるものです。)


 いずれにしましても、どうやら米株市場は、「ゴルディロックス」状態に戻ったようです。となりますと、ここからはゴルディロックス相場の「持続期間」を意識しながら進む、ということになるのでしょう。


 米国の企業決算発表シーズン → 日本の10連休 → 日本の企業業績発表シーズン、という流れの中で日本株相場をどう想定するか、ということで、特に日本企業では出て来る業績数字がおそらくはあまりよくない、はずですから、株価への織り込みを考えた上でどんな反応をするのか、読むのはなかなか難しい、となれば、まずはいろいろ数字が出て来てから行動しよう、となる市場参加者が多そうではあります。


 米ゴルディロックス相場の持続時間を考えながら、以下のような材料がどう相場に影響しそうか、といったことを考えておくところかもしれません。


・米企業、1-3月、11四半期ぶり減益(ただし、5%程度?) → 株価にどう反映するか?

・アノマリー、セル・イン・メイ(5月に売れ)とならないかどうか・・

・日本企業の決算を受けた株価の水準訂正(下落)をどう想定するか?

・米中、日米などの貿易交渉の影響

・欧州の情勢

・地政学リスクと資源価格動向

等々。


 去年もゴルディロックス相場の生成と波乱という相場でしたが、おそらくはこれから今年の相場も同じように変動の大きいものになるのでしょう。


平成時代を振り返る

日経平均の推移

・平成元年12月29日、日経平均史上最高値3万8,915円示現

・平成20年10月28日、日経平均ザラ場で7千円割れ(6994円) ← リーマン・ショック時の暴落

・そして昨日、平成31年4月17日の日経平均終値、2万2,090円


 平成の30年間で日経平均は、20年間で最高値から約5分の1に下落して、その後10年かけて3倍くらいに戻り、最高値の6割くらいの水準に回復、という推移でした。(日経平均は2000年夏に構成銘柄を大幅に変更してしまいましたので、その影響は小さくないのですが、一応連続して来たと見ても差し支えないでしょう。)


バブル崩壊と立て直し

 平成の30年間は、バブル崩壊とその立て直しの時代だったと見ることができると思います。その象徴として、

・大手銀行の行名がすべて変わった。

・多くの大企業が再編された。

などの事実を挙げることができます。


日本企業のビジネスモデル

 バブル崩壊と建て直しと同時に、日本企業が世界的な経済情勢の変化に合わせてビジネスモデルを変えて来た時代だったとも言えます。

・金融は何とか建て直した。

・自動車業界は生き残った。

・家電、半導体はほぼ全滅、しかし、素材と部品、一部のニッチな製造業はより強くなった。

・IT革命のリーダーとはなれなかったが、一部の業界ではプラットフォーマーとなることができた。(例えばゲーム。)


日本の国際的プレゼンス

 世界一の金持ち国から、世界で20番目くらいの国に落ちぶれた、というのが数字面からの評価になるのでしょうが、その実「極端からもっとも遠い国」といった評価が定着して、それなりの国際的プレゼンスを確立したのではないかという気がします。


社会

 マスコミ的には大問題山積というところでしょうが、実際のところ平成の30年間で社会が安定し、国民の満足度は高まったのではないかという印象を持ちます。


令和時代は?

 冷静に想定する、とか、期待を込めて見通す、とか、見方がいろいろあり得ますから難しいのですが、今現実に起きている現象としてSOX指数の動きに注目しています。今年に入って、それこそスカイロケット的に上昇しているのですが、これが何を指示しているのか?興味深いところです。 


 平成元年当時、高いPERに買われていた日本の不動産株の株価水準が正しく将来を織り込んでいたとしますと、平成の時代は「ウォーターフロント」とか、「国際金融都市、トウキョウ」といったことになっていたと思いますが、実際はそうはなりませんでした。


 今、SOX指数は世界経済のどんな将来像を織り込んでいるのか?そして、その将来において日本企業が勝ち残って、株式投資に十分な利益をもたらすことができるのかどうか?今の時点では、(当然のことながら期待を持って)令和時代は再び日本が輝く時代になる、と言うしかないのでしょうが、どんなリスクが潜んでいそうか、についても考えておきたいところです。(確実に言えるリスクは、相場変動が激しいものになりそうだ、というものでしょうか?)


個別銘柄

 これまで番組の中で取り上げたいくつかの個別銘柄の株価チャートを眺めながらいろいろ考えてみたいと思います。


2019年4月19日

証券アナリスト

松下律

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@shokenanalyst

10連休待ち?

松下 律

2019/04/12 08:30

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徐々に明るさも

 ブレグジット期限を10月末まで延期、というのは一体何だったのでしょう?ハード・ブレグジット→日本株大幅下落、を目論んでいた売り筋がいたとしましたら、拍子抜けもいいところだったのではないかと思ったりします。


 とにかく、ハード・データは悪い、としか言いようがありません。あとは、それを個々の株価が織り込んでいる(と思う)かどうか?ということになります。(その意味で今日の安川電機の株価には注目しています。)


 来週は、日米TAG協議がありますから、何かポジティブかネガティブか分かりませんが、材料が出て来るかもしれない、ということがあるのでしょう。米中の問題、不気味に上昇している原油価格、プラチナ価格の上昇とパラジウム価格の下落、等々、いろいろ面白いことが起きていますし、さまざまな材料がありますが、総じて徐々に株式相場に明るさが見られそうだ、という結論のようにも思うのですが、結局GWの10連休に向けて様子見、もたつきの相場となるのかな、とも思えるところです。


 今日の後場も、ディープ・シクリカル、バイオ関連、AI関連、5G関連、など、いくつかの代表的な銘柄の株価の動きをよく見ておきたいと思っています。


なぜゴルディロックス相場になるのか?

 昨年10月からの相場暴落時、私は暴落がリーマン・ショックの時のようにならないかどうか、気にしました。個人的にはそうはならない、と思っていたのですが、相場ですからどうなるか、確信を持って言えるはずもなく、ずいぶん気になったものです。


 私がリーマン・ショックの時と違う、と考えた最大の理由は、リーマン・ショックはそもそも「人災」(最大は米議会の迷走)だった、という認識を持っていたからです。売り方は、去年の秋・冬にもっと大掛かりな大暴落になって欲しいと思っていたでしょうが、リーマン・ショックの時のような「政策の誤り」さえなければ、大暴落にはならないだろう、と思っていたのです。


 とりあえず現時点で、という条件付きですが、何とかリーマン・ショックの時のような大暴落にはならなかった、と言えると思います。と言うより、米株市場が典型ですが、またもやゴルディロックス相場に戻った、と言えるくらいのことになっています。(政策的に誤りがなかった、と言ったら、言い過ぎなのでしょうが。)


 なぜゴルディロックス相場に戻れるのか?グローバル経済は減速が明らかですし、企業業績もそれほど安心なわけではありません。そうした中でゴルディロックス相場にのような状態に戻れるのは何故か?


 いろいろ要因はあると思いますが、一番はやはり「需給」なのでしょう。株式の需給が(特に米国株では)良い、このことに尽きるのではないか、と思います。カネ余りを反映している、とも言えるのかもしれませんが、とりあえず現時点ではゴルディロックス相場に戻る条件が整っている、ということなのでしょう。


なぜ日本株は上がらないのか?

 米株市場はうらやましい限りなのですが、ではなぜ日本株は上がらないのか?資産バブル崩壊後の最安値から見れば、日経平均は3倍にも上昇しているのですから、上がらない上がらない、と言えるのかどうか分からないところもありますが、感覚として日本株の上昇は鈍いと思います。


 おそらくこれも需給なのだろうと思います。海外勢の売り、日本企業の売り、金融機関の売り、個人の売り(大きいのは終活売りだと私は思っているのですが)、市場参加者は売りばかり、買ってくれているのは日銀(のETF買い)のみ、という状態です。大げさではありますが・・


 今のところ、世界的に、特に米国では、ゴルディロックス相場になりやすくなっているわけですから、日本株でも需給さえ好転すれば、また持続的な上昇相場を見ることができるだろう、と思います。


 そのために必要なことは何か?ひとつは自社株買いでしょう。それからもうひとつ、日本企業のROEはずいぶん高くなりましたが、これをもう一段高めることができないだろうか?ROEは今おおむね平均8%といったところですが、これが10%になったら市場参加者の評価はいっそう強気に変わるのではないか?そんなことを思ったりします。


瑞西と瑞典

 この二つの漢字、読めますか?瑞西(スイス)と瑞典(スウェーデン)です。私が小学生高学年くらいから中学くらいの頃、日本ではこの両国がとても人気だったのです。(とりわけ、知識人の間で。)曰く、小国寡民、平和主義、社会福祉先進国・・日本は瑞西や瑞典のような国になることを目指すべきである、と・・・


 子供ながら私はその論に非常に強い違和感を持ったものです。そして、日本という国は瑞西にも瑞典にも(幸いにも)ならず、世界第2位の経済大国(今は第3位ですが)になることができました。私はほっとしているわけですが、つい先日ある新聞で、「令和の時代、日本は瑞典のような国造りを目指すべきである云々」と書いている人がいて、本当にびっくりしました。まだ、瑞西や瑞典の亡霊がわが国にいたのか、と・・・


 もっと先鋭化して、アイスランドはどうでしょう?人口は30万人くらい、極北の国ですが、先進国で、一人当たりGDPは(おそらく)日本の倍くらいの水準、日本はアイスランドのような国を目指すべきである、こう言ったら、どんな感じでしょうか?問題外ですよね・・・


 しかしながら、私は一方では、日本の地方自治体が、「わが市(町)はアイスランドのようになろう!」と言って、10年後にその自治体の一人当たりGDPが日本の平均の倍くらいに伸びたら素晴らしいと思っています。そして、本気になって努力すれば、近い将来(少なくともいくつかの)地方自治体がそうなれる、だろう、と思います。本気になって、豊かになろうと努力すれば・・ですが・・


 日本全体が瑞西や瑞典のようになろう、などと本当に目指したら、将来の日本は悲惨な国になるだろうと思います。一方で、いくつかの地方自治体が瑞西や瑞典のようになろう、あるいはアイスランドのようになろう、あるいは、香港のようになろう、シンガポールのようになろう、と本気で動いたら、日本はずいぶん活気のある国になるだろう、そんな風に思います。


2019年4月12日

証券アナリスト

松下律

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@shokenanalyst


 景気、金利、企業業績、対中国摩擦、内政ではトランプ大統領に対する様々な疑惑への攻撃、ということで足元の環境は不安定、先行きは不透明・・・にもかかわらず、FRBのハト派化の威力が絶大だった、ということなのでしょうか、米国株は再び(三たび、か四たび?)「ゴルディロックス相場」色を強めているようです。


 日本株はどうやらそういう米国株の動きにためらいながらついて行っている、という感じです。(結果、NYダウと日経平均の「差」がどんどん拡大、となっています。)


 とはいえ、昨日のNY株高を受けて、新元号の時代への期待もあることですし、今日の相場で日経平均他が今年の最高値圏に進むかどうか、注目しています。


10連休を意識して

 まだら模様のハード・ソフトデータ=日本は特に悪い、一点明るさがあるとすれば堅調な設備投資か? また、米中摩擦、もう訳が分からなくなった感のあるブレグジット、等々いろいろ懸念はあるものの、世界中の中央銀行がハト派に転向、ということで昨年末にかけての暴落商状から完全に抜け出したようです。


 海外勢もようやく日本株を(現物で)買い越しに転じて来そうですし、足許の業績の悪さはあるにせよ、半導体関連などで少し明るさが見えるような感じもする、ということもあって、値戻しが主流となる銘柄も増えて来たようです。


 今週を振り返りますと、週初日銀短観大幅悪化ながら株価は大幅高、その前の週ではトルコリラが外貨準備減少をネタに大幅に売られて大混乱、しかし中国の3月PMIの数字好転が好感されての動きだったのでしょう。米中も何とか一応の妥協が見られそう、という雰囲気になっています。→NY株は半年ぶりの高値圏に上昇。


 そうした中でビットコインがにわかに買われるということも起きて、これは投機的な資金が動きを活発化して、少しずつターゲットを広げつつあるのかな、と思わせる動きでした。また、原油価格も総じて強い動きでした。


 日本株は、4月27日からの10連休を意識した動きに徐々になって行くのだろうという気がします。10連休対策として何をするのか?となれば、エクスポージャーを落とす以外にあり得ないわけで、そのことで連休前に株価が下がるのか、上がるのか、正直なところよく分かりません。個々の市場参加者の対応として、少しずつ余裕のあるポジションにして行く、ということしか言いようがないのかもしれません。


個別銘柄コメント

 今日は、半導体関連、5G関連(NEC、アンリツなど)、AI関連(アルファベット表記の3銘柄)、さらには番組の中で立花証券のアナリストの各氏から紹介いただいた銘柄のうち印象的だったいくつか、例えばイリソ電子、リクルート、バイオ関連、ダイダン、などの銘柄について、株価チャートを見ながらご一緒に考えてみたいと思っています。観点は、投資と投機、長期と短期、認知度の度合い、リスク、対処法、などです。


平成と令和

 まだ平成時代は終わっていませんが、株式相場的には、来る4月26日金曜日が平成時代最後の株式立会になります。たまたまですが、私は、その最後の立会日の後場の東京マーケットワイドのキャスターを務めることになります。


 平成時代最後の立ち合いを番組担当者として経験することができる、というのは何とも感慨深いものがありまして、今から楽しみなのですが、番組の中でぜひ平成という時代の株式市場から見た総括、来る令和の株式相場への期待、などについてご一緒に考えたいと思っています。


 平成という時代を株式相場からするとどう考えればいいのだろう、とつくづく思います。素晴らしい時代だったとは、お世辞にも言えないでしょう。では、暗黒時代だったか、と言えばそうでもなさそうです。


 私の思うには、いずれにしましてもいろいろなことの後始末をつけた、あるいはつけされられた時代だった、という気がします。日本の地位が相対的に下落したことは間違いありません。国内の投資が不足していたことも事実のように思います。しかし一方で、海外投資は活発で、おかげで経常収支の黒字、資本収支の黒字が拡大して、貿易赤字を十分に補い、国際収支の黒字を維持する力が強くなりました。その結果が対外純資産の増加、です。(貯蓄過剰=国内投資・消費が不振だった、ということでもありますが。)


 しかし、日本国民の生活水準の上昇は(相対的に)鈍いものでした。平成30年の間に、日本国民一人当たりのGDPは、先進諸国のみならず、シンガポール、香港、アイスランド、アイルランドなどにもはるかに後れを取る、というありさまになってしまいました。


 一体何が原因だったのか?これからどうなるのか?私は個人的には、あるひとつの点さえクリアできるなら、令和時代は日本国民の生活水準が飛躍的に向上する時代になるだろう、と思っています。そのひとつの点とは、「投資が活発になること」です、設備投資、IT投資、人材への投資、コンパクトシティなどの社会インフラへの投資、等々、いずれにしましても投資が活発化するという条件さえ満たせば、令和時代の日本の経済発展は保証されたようなものです。そうなるかどうか?答えは分かりませんが、大いなる期待をしているところではあります。


2019年4月5日

証券アナリスト

松下律


2018年度末

松下 律

2019/03/29 08:30

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変動大

  今日は2018年度末相場です。今年は大発会が大きな下落で始まったのですが、月末比較で見ますと1月、2月と上昇で通過して来ました。3月も月末比で上昇、となれば年を通じても上昇になりやすいというアノマリーがあるとのことなので、何とか3月が上昇月で終わって欲しいと思うのですが、そのためには日経平均で見ると21385円以上になる必要があります。昨日引けからすると350円くらい上がらないとならないわけで、なかなかの難事という気もします。今日の後場がどんな相場付きになるか?大いに注目しています。


  今週は非常に変動の大きい(ボラタイル)な週でした。日経平均の前日比騰落を追ってみますとこんな感じでした。(前日比騰落、カッコ内はその原因として言われた事柄。)


3月25日月曜日 -650円(前週金曜日のNYダウ460ドル安、米長短金利逆転→米リセッション懸念)

3月26日火曜日 +451円(前日の下落の反発高、権利付き最終日の配当取りの買い、ファンドによる配当分の買い)

3月27日水曜日 -50円(権利落ち修正を勘案すると実質130円ほどの上昇、ファンドによる買い)

3月28日木曜日 -344円(米金利逆転の蒸し返し、ブレグジットにからむ不透明要因、トルコの混迷)


  相場変動の原因について様々に語られてはいるものの、結局材料を囃してアルゴ勢が暴れたので大きく相場が動いた、というのが一番正しい見方なのかもしれません。


  年度末~新年度の株式相場はけっこう荒れるという感覚を持つのですが、まったくそのようになったということなのかもしれません。今日の相場がどうなるのか、興味深いところです。(素直に反発なら今週の変動は実はさほどファンダメンタルズの変化を織り込んだものではないのでは、と言えるでしょうし、大きく下落となれば、先行きのリセッション懸念をどれくらい相場は織り込むのだろう?と少し構える感じになります。)


  足許の景気スローダウン、近い将来のリセッションの恐れ、これらは恐らく今の市場参加者の間ではコンセンサスに近いものがあると私は思います。今更リセッション懸念で株価が大きく下げるというのも妙だなという気がします。さまざまな将来像を織り込んで今の株価だろう、各国の金融政策を反映して・・、ただ、投機資金の動きによって日々の変動は大きくなる・・それだけのことだ、と思うのです。


損益のコントロール

  政府であれ、企業であれ、家計であれ、「予算」を立てて物事を進める、というのがふつうです。資産運用も同様で、予算を(例えば暦年ベースで)立てるのは望ましいことでしょう。


  ふつう予算と言いますと、「収入の予算」と「支出(費用)の予算」の両面があるものです。資産運用の予算を立てるとしますと、「利益の予算」と「損失の予算」を立てる、ということになるのですが、相場によって価格が変動する資産による運用の場合、「利益の予算」は立てようがありません。(今年どれだけ儲かるか?はコントロール不能ですので。)


  しかしながら、「損失の予算」は立案可能ですし、コントロール可能です。例えば、「今年の損失予算として100万円を計上し、実際に100万円の損失が出たら、リスク資産をすべて処分して、それ以上の損失が出ないようにする」ということでコントロールすればいいからです。


  以前にも書いたのですが、私はリスク資産を使った資産運用では、この「損失の予算」を立てて年々の資産運用を実行する、というのは実務的で好ましいと思っています。


  例えば、資産運用として日経平均先物ミニを使ったトレーディング(のみ)を想定して損失予算を立てて運用を実行するとしましょう。具体的に、以下のように予算を立てるとします。


・年間の許容損失額(これを「クッション」と呼びましょう。)=24万円

・このクッションを12等分して、毎月のクッションを2万円とする。

・このクッションの範囲内で日経平均先物ミニのトレーディングを実行する。


  日経平均先物ミニ1枚のエクスポージャーは現時点でだいたい210万円です。日経平均の日々の変動は1%くらいはあることが多く、時として(例えば今週の月曜日)3%くらいになることもあります。


  そうしますと、月々のクッションを2万円としますと、このクッションを使い果たすまではリスクと取ろう、としますと、変動1%で計算して、エクスポージャーは200万円くらいが限度、ということになります。


  日経平均先物ミニをいつ買い建てするか?いつ売り建てするか?ということはタイミングの判断として別に考えるとしまして、うまく行けば利益が出ますし、失敗すれば損失が出ます。利益が出れば、クッションが増え、損失が出るとクッションが減額して、場合によってはクッションが無くなる、ということになります。


  相場対処に成功して、実現益が蓄積できれば「クッション」の額が増えて行き、より多くの枚数買い建て・売り建てができるようになります。しかし、期待に反して損失が出るとしましても、クッションを使った損失コントロールが出来ている限り、年間の損失はコントロール出来ますので、思いもよらない損失を被る、などということは起きません。


2019年3月29日

証券アナリスト

松下律