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松下 律 の投稿

材料待ち

松下 律

2019/08/23 08:20

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閑散

 小動き、時々売り仕掛けに惑わされる、いずれにしても何かの材料待ち。


 今ですと、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言待ち(プラス、トランプ大統領の反応待ち)ということになるでしょうか。

 

 米中の対立はいよいよ本格的に長期化、を思わせるものがありますので、トランプ大統領が譲歩するとなれば相場にはプラスなのでしょうが、目先はあまり動きなしと見えます。


 となりますと、パウエル発言待ち、となるわけですが、以下のシナリオのとおりでして、利下げに積極的、消極的、どちらでも日本株にはネガティブな要素があるので嫌なところです。


・利下げに積極的な発言 ⇒ NY株上昇、ただし、円高・ドル安 ⇒ 日本株に下落圧力


・利下げに消極的な発言 ⇒ 円安・ドル高、NY株にはややマイナス ⇒ NY株が売られると日本株に下落圧力


 いまどき「アベ・トレード」もないものだろうに、とは思うのですが、何しろ需給の悪い日本株ですから、企業業績の向上がはっきりとしない今はどうしても売り圧力を強く意識せざるを得ないのが残念です。


 日経平均の計算上の一株当たり純資産が2万円ちょっと、ということで、PBR=1倍を大きく下回って売るつもりはさすがに売り筋にもあるまい、と下値は限定と思うものの、相場はなかなか上向かないようです。


 日本株はとにかく需給の改善がないと、NY株がどれだけ上がろうとすんなりと追随することが難しいようです。

 

 需給の改善には、


1.自社株買い


2.NISAなどの仕組みを使った継続的な買いの拡大


3.いわゆる「終活売り」の減少


などが必要でしょう。


 企業収益が、今年も来年も二けた増益間違いなし、といった情勢になれば、海外勢の売りが止まるでしょうから、相場の上昇が期待できるのでしょうが、今の情勢ではなかなか海外勢の売りが止まらないようです。


 資産形成のための長期投資目的の買いは、粛々と入っているでしょうし、そうした買いを入れる投資家は別に今の状況を呪ってはいないと思いますが、短期のトレーディングを志向している向きはどうしているのだろうか?と思うことがあります。


 いわゆる決算プレー(おそらくは、業績があまり良くなかった銘柄の空売りが中心)、とか、半導体関連銘柄の買い、とか、好取組を囃すことができそうな銘柄の買い、とか、配当利回りの高い銘柄の買い、とか、そんな工夫があるのではないかと思ったりします。


日本人はなぜ株を買わないのか?

 以前はこのようによく言われたものです。老後2千万円問題をきっかけにNISA 口座が急速に増えている、などと聞きますと、すこしずつ変わりつつあるかみ見えますが、依然として個人金融資産に占める株式(と株式関連の投資信託など)の割合は低く、日本株保有比率に占める個人の比率は低い(少なくとも外国人の比率より低い)という状態です。


 なぜ日本の個人は株を買わないのか?あるいは、買わなかったのか?


 個人の行動が合理的でなかったとはなかなか考えにくいので、何か納得の行く理由があったのではないかと思います。


・そもそも株式に投資する必要がなかった。


・株式の投資成果が低すぎた。← バブルの崩壊、企業統治の不備。


・株式投資をする余裕が多くの若い人たちになかった。← 年功序列賃金体系


・退職金制度があった。


 さまざまな理由が考えられます。同時に、今現在、そうした理由の多くが消滅しつつあるようにも思えます。

 

 日本株の需給を考える上で非常に重要な視点であると思っています。個人が買わなかったとき何故海外勢が買ったのか?とか、いろいろ面白いこともあるように感じています。


ROEの重要性

 こんな人を考えてみます。


・これから40年くらい給与生活者として暮らそうとしている。


・定年まで40年間A社に努めると、退職金を3000万円もらえそうだとします。ただし、40年間勤めないと退職金はほとんどないものと仮定します。


・その人は、A社以外の会社(転職を含めて)で働くと、A社に勤める場合より、月3万円(年間で36万円)の収入増がありそうだとします。


・その人は、月3万円の給与増があるとしたら、その3万円を複利で運用でき、かつ無税の仕組みで積み立て投資をして資産形成するとします。


・その投資信託は、TOPIXとほぼ同じ成果をもたらすものとします。


・また、日本企業のROEは8%程度を上回る水準を維持できるものとします。


 さて、ここで問題です。


 「この人が、A社に就職して定年まで勤めて受け取る3000万円と、A社以外で働いて、月3万円ずつ積み立て投資をして得る額とどちらが大きいか?」


 ここで重要なのは、この人の毎月3万円の積み立て投資がどれくらいの成果を年々あげるか?ということです。


 条件として書きましたように、日本企業のROEが8%以上を維持できるとしますと、この人の積み立て投資は年8%の複利で回ると考えることができます。


 そのように仮定しますと、この人の積み立て投資は40年後におよそ1億円になりますから、3000万円の退職金をもらうよりはるかに有利となります。


 毎月3万円の積み立て投資が40年で1億円ですから、毎月1万円なら約3300万円です。40年働いて3000万円の退職金は、毎月1万円の給料の増加分を積み立て投資した程度のもの、ということになります。


 給与生活者がどのように職を選ぶか?は条件があまりにも複雑すぎて簡単な答えがあるとは思えないのですが、株式投資の長期的な成果が年8%程度以上あるかもしれない、ということであるなら、退職金目当てに一生同じ会社で働くというスタイル以外に多くの選択肢がある、ということは言えそうです。


 企業がある程度以上の水準のROEを達成し続けることがいかに重要か、という話です。


令和元年8月23日

証券アナリスト 

松下律 

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@shokenanalyst

変動大

松下 律

2019/08/16 08:20

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ダウ800ドル安を受けて 

 下がる時はダウの2倍下げ、上がる時はダウの半分しか上がらない、という状況が続いて、ついにダウと日経平均の「サヤ」が5千円以上になってしまいました。


 前日のNY市場でのダウ800ドル安を受けて、日経平均が1600円下げていたらもう不貞腐れるしかない、という状況だったのですが、さすがに「モノには限度がある」、「割安感というものもある」というわけだったのでしょう、昨日の日経平均の下げは249円で済みました。


 このところの日本株下落の一因(と言うよりほぼすべて?)となっていた感のある円高も、いくら日米の金利差が縮小と言っても、ドル売り・円買いのポジションを何日も持つのはコストが嵩むということもあったのでしょう、逆捩じを食う感じのドル買いが入るとドル買い戻しで円高解消、という動きも見られたようです。


投機資金の動き

 トランプ大統領による中国為替操作国指定(8月5日)以降、投機資金の動きが活発化しているように思えます。


・為替操作国指定(米8月5日)→円高、NYダウ767ドル下落


・米10年債利回り1.59%に下落(米8月7日)→新興国通貨下落


・アルゼンチン、メルバル指数1日で38%下落、ペソも対ドルで27%安(現地8月12日)、NYダウ389ドル下落→新興国金融市場に懸念


・トランプ氏、対中関税一部先送り発言(日本時間14日午後10時過ぎ)→NYダウ急騰、円急落、105円30銭→107円手前、日経平均先物20250円→20750円


・米、10年債利回りが2年債利回りを下回る、12年ぶり、ドイツ4ー6月GDP0.1%減少(米8月14日)→NYダウ800ドル急落、→日本株は下落限定的(日本8月15日)


 この間、香港情勢の緊迫化、日韓対立の激化、等々、相場を取り巻く不確実性は増していましたから、売りの投機筋からすれば、こので売り崩せば大暴落もあり得る、と期待したのかもしれません。


 さまざまな「グレーリノ」は相変わらずですし、ひょっとすると香港情勢が「ブラックスワン」になるかもしれない、そうなれば→新興国の情勢悪化→先進国の「どこか」の金融機関破綻→世界的な信用恐慌、となって、売り屋からすれば、目出度くリーマンショックの再来、となる、というシナリオを思い浮かべたのかもしれません。


 売り筋の期待する恐慌シナリオもあり得ないわけではない、というところが不気味なところではあるのですが、売り方が大成功するにはまだ株価の水準が高過ぎるところまで行っていない、ということのように私には思えます。


 徐々に落ち着きを取り戻す確率の方が大きいのではないか、今はまだ、という気がします。


株主総利回り

 今年の3月期決算会社の有価証券報告書から、「提出会社の経営指標等」の表に、「株主総利回り」が記載されています。


 いくつかの会社の株主そうりまわりと自己資本利益率の表を以下の示しました。株主総利回りの数値から何を読み取るのか?少し考えてみたいと思います。




令和元年8月16日

証券アナリスト

松下律

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@shokenanalyst


チャイナショック再来?

 荒っぽい値動きの一週間の相場が少し落ち着いて来たというところのようですが、人民元下落(元安への為替操作)と聞きますと、やはり4年前のチャイナショックが頭をよぎってイヤな気分になるものです。


それにしましても、世界中株式相場を取り巻く状況は不安だらけ、のようです。


・米中摩擦の激化(米による追加関税、中国の反発、為替操作国指定・・)


・元安誘導→中国からの資金流出→中国のグレーリノ問題顕在化→新興国経済への打撃波及


・中東情勢(第何次か知りませんが、オイルショックが起きても不思議はない・・)→金価格上昇


・米金融政策(の迷走?)→政策金利を下げても下げなくても問題が起きるかも・・


・ブレグジット懸念(本当にどうなるのでしょうか?)→どう離脱しようと大した影響を与えまい、という見方も有力ですが・・


・日韓問題(実害のあるような措置でないことはとっくに分かっていたと思うのですが・・)


・円高傾向→日本経済は輸出入がほぼ均衡していますので、円高が日本経済に大きなダメージを与えるとは思えないのですが・・


 チャイナショックの頃より、米国にせよ日本にせよ、企業収益がずいぶん向上していますので、またぞろチャイナショック発生ということはないのでは?とは思うものの、いろいろ心配ではあります。


 とくに、いつも言ったり書いたりしていることですが、日本株はとにかく需給が悪いので心配になることが多いようです。何しろ、海外勢は中国、アジア株の下落に備えて日本株をヘッジ売りするそうですから・・


トータルリターン

 今年の有価証券報告書から「株主総利回り(5年パフォーマンス)」の開示が始まりました。トヨタ自動車の例をテレビ画面上にお示ししようと思っているのですが、第一部【企業情報】、第1【企業の概況】、1【主要な経営指標等の推移」の(2)の表の下から3行目に記載されています。 


 トヨタ自動車の例ですと、比較指標は配当込みTOPIXで、指標との比較で見ますと、トヨタ自動車の株主総利回りは概ね比較指標である配当込みTOPIXをやや下回るというものになっています。


コーポレートガバナンス

 コーポレートガバナンスって、何?とか、コンプライアンスと何が違うのか?といった質問も出るのかもしれないのですが、個人的には、コーポレートガバナンスとは、上場会社がROE8%以上を安定的に達成する経営を達成する手立て、と単純化して考えることにしています。


 ガバナンスという以上は「誰が支配していると考えるのか?」ということが最初に示されなければならないわけですが、それは当然「株主が支配している」という見方です。


 会社のガバナンスに関しては、「人本主義」、「ステークホルダー資本主義」、「株式資本主義」などいろいろな立場を想定することが可能かと思いますが、ビジネスの効率と株主利益の極大化を目指すとすれば、株式資本主義が最良とされているものと思います。


「ハードロー」と「ソフトロー」

 コーポレートガバナンスの法律や規則の枠組みは、いわゆる「ハードロー」と「ソフトロー」に分けて考えることができます。ハードローとしては、会社法、金商法があるわけですが、これらへの対応はけっこう形式的で、株主から見ますと退屈な感じです。


 「ハードロー」に加えて、いわゆる「ソフトロー」の枠組みがわが国にはありまして、その中核が「コーポレートガバナンスコード」です。上場会社はこのコードに沿って「コーポレートガバナンス報告書」を提出することが義務付けられていて、投資家は投資のための情報として活用することができます。


 現在のコーポレートガバナンスコードは2018年6月1日施行のものですが、実は東証はもっとずっと以前から「上場会社コーポレート・ガバナンス原則」を定めていまして、私は個人的には、この以前の原則の方が株式資本主義らしくていいのではないか、と思っています。


 例えば、株主と会社(の経営者)との関係について、上場会社コーポレート・ガバナンス原則 (2009年12月22日改定版) は次のように記述しています。


「およそ上場会社の企業活動は、収益を上げ、株主にとっての企業価値を高めることを主要 な目的として行われるが、上場会社がそうした成果を継続的に挙げ続けることを期待するた めには、企業活動を律する枠組み、即ちコーポレート・ガバナンスを通じて経営をそのよう に動機付け、あるいは監視することが欠かせない。 」


 すなわち、上場会社にとってコーポレート・ガバナンスが有効に機能することは、継続的 に企業価値を高めていくための極めて基本的な要請であり、そのような環境を整えることが コーポレート・ガバナンスの基本的な目的である。」


 「コーポレート・ガバナンスにはこれらすべての利害関係者との関係のあ り方が影響を与えるが、資本市場の視点から見ると特に中核的なものは、株主(又は潜在的 な株主としての投資者)と経営者との関係である。」


 実に株式資本主義的な感じがしませんか?


 現在のコーポレートガバナンスコードは2018年6月1日施行の記述はこんな感じです。


 「 上場会社には、株主を含む多様なステークホルダーが存在しており、こうしたステ ークホルダーとの適切な協働を欠いては、その持続的な成長を実現することは困難で ある。


 その際、資本提供者は重要な要であり、株主はコーポレートガバナンスの規律 における主要な起点でもある。


 上場会社には、株主が有する様々な権利が実質的に確 保されるよう、その円滑な行使に配慮することにより、株主との適切な協働を確保し、 持続的な成長に向けた取組みに邁進することが求められる。 」


 現在のコードはいわゆるステークホルダー資本主義を意識して書かれているのかもしれません。


(ご参考)

上場会社コーポレート・ガバナンス原則 (2009年12月22日改定版)

 コーポレート・ガバナンスは企業統治と訳され、一般に企業活動を律する枠組みのことを 意味する。


 およそ上場会社の企業活動は、収益を上げ、株主にとっての企業価値を高めることを主要 な目的として行われるが、上場会社がそうした成果を継続的に挙げ続けることを期待するた めには、企業活動を律する枠組み、即ちコーポレート・ガバナンスを通じて経営をそのよう に動機付け、あるいは監視することが欠かせない。 すなわち、上場会社にとってコーポレート・ガバナンスが有効に機能することは、継続的 に企業価値を高めていくための極めて基本的な要請であり、そのような環境を整えることが コーポレート・ガバナンスの基本的な目的である。


  現代の経済社会における企業の利潤追求活動は、多様な利害関係者(株主又は投資者・経 営者・従業員・取引先・債権者・地域社会など)との複雑な利害調整なしには成立し得ない。


  企業活動が広域化する中では異なる文化や社会の価値観をも考慮に入れる必要が高まって おり、企業の利潤追求活動が、市場原理に則り公正かつ透明に、株主・投資者はもとより経 済社会全体に対して説明可能なものとして、社会的責任を果たしながら遂行されることが必 要となりつつある。


 コーポレート・ガバナンスにはこれらすべての利害関係者との関係のあ り方が影響を与えるが、資本市場の視点から見ると特に中核的なものは、株主(又は潜在的 な株主としての投資者)と経営者との関係である。


 なぜなら、会社の業務執行は経営者(代表取締役、業務執行取締役、代表執行役、執行役 等)の広大な権限に委ねられ、実行されるが、その権限は究極的には、資本の出し手であり、 通常は最終的なリスクの負担者である株主の信任に基づくものだからである。


 株主は通常、会社の価値の最大化を目的として、経営者を選任し、監督し、動機付けるた めの権限を、みずから選任する取締役又は監査役に大きく委ねている。経営者は、取締役会 によって選任されて日常的な業務執行の権限を委ねられ、取締役会・監査役(会)の監督下 にあることを前提として広大な執行権限を正当に行使し得る。取締役会・監査役(会)は株 主によって選任され、以上のような役割について、忠実に果たす義務、善良なる管理者とし ての注意義務を会社と株主に対して負っている。


  これらはいずれも株主と経営者との関係を律するための枠組みであり、これらをいかにし て有効に機能させるかということが、コーポレート・ガバナンスの中核的な問題である。 上場会社のコーポレート・ガバナンス、すなわち株主と経営者の関係の規律付けを中心と した企業活動を律する枠組みには、様々な機能を果たすことが期待されているが、その中で も重要なのは次の点である。


 まず、株主の権利・利益が守られ、平等に保障されることが第 一に重要である。次に、役割を増す株主以外の利害関係者について権利・利益の尊重と円滑 な関係の構築が会社の価値向上には欠かせない。そして、これらすべての利害関係者の権 利・利益が現実に守られるために、適時適切な情報開示によって企業活動の透明性が確保さ れる必要がある。最後に、重要な鍵を握る取締役会・監査役(会)が期待される役割を果た すことが必要である。


  コーポレート・ガバナンスに期待されるこれらの機能は、コーポレート・ガバナンスに関 して現実に会社が採用する具体的な施策によって実現されるが、一般にコーポレート・ガバ ナンスを充実させるとされる具体的な施策を集めた特定のモデルがすべての企業に適する とは限らないし、それぞれの企業にあった多様な施策の組み合わせがありうる。問題は、具 体的な施策の採用の有無というよりも、それぞれの企業において、コスト・ベネフィットの 関係を勘案しながら、これらの機能をもっともよく実現すると思われる方法が模索され、実 際に効果を上げることである。 こうした企業の取組みや情報開示等の状況を見て、株主、投資者が投資判断、議決権行使 等を行い、それを踏まえて各企業が自らの取組みをチェックし改善していく、というのが、 市場経済体制の基本である。


コーポレートガバナンスコード(2018年6月1日施行)

第1章 株主の権利・平等性の確保

【基本原則1】 上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株 主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行うべきである。


 また、上場会社は、株主の実質的な平等性を確保すべきである。 少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、権利行使に係る環 境や実質的な平等性の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、十分に配慮 を行うべきである。


 考え方

 上場会社には、株主を含む多様なステークホルダーが存在しており、こうしたステ ークホルダーとの適切な協働を欠いては、その持続的な成長を実現することは困難で ある。


 その際、資本提供者は重要な要であり、株主はコーポレートガバナンスの規律 における主要な起点でもある。


 上場会社には、株主が有する様々な権利が実質的に確 保されるよう、その円滑な行使に配慮することにより、株主との適切な協働を確保し、 持続的な成長に向けた取組みに邁進することが求められる。


 また、上場会社は、自らの株主を、その有する株式の内容及び数に応じて平等に取 り扱う会社法上の義務を負っているところ、この点を実質的にも確保していることに ついて広く株主から信認を得ることは、資本提供者からの支持の基盤を強化すること にも資するものである。


令和元年8月9日

証券アナリスト

松下律

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@shokenanalyst

対する株式・FX相場の反応

 米時間7月31日のFOMCで決定した0.25%の政策金利の引き下げは、まさに予想の線の規模だったでしょう。


 で、市場の反応は?となったわけですが、「イベント通過、材料出尽くし」で株価反落、ということであればふつうだったのでしょうが、市場の大きな反応は決定の発表直後ではなく、FRBパウエル議長の記者会見をきっかけに起きたようです。


 パウエル議長の発言=今回の利下げが今後も続くとは限らない→米株下落・円ドルレート、ドル高


 日本株について見ますと、予想では、


・米金利引き下げ→円高→日本株下落


というシナリオが多かったと思うのですが、実際に起きたことは、


・追加利下げに消極的→円安、しかし、時間外の先物は米株につられて下落→東京市場では、円安を受けて日経平均急回復


 トランプ大統領が「期待」したように今後も積極的な利下げが続く、となれば、米株が急騰といったこともあったのかもしれませんが、予想以上に米国株式市場の参加者たちは冷静だった、というのが私の感想です。


 まだまだ楽観一色となるには時間が必要なようで、今後出て来るソフト、ハードデータと、トランプ発言などに反応するという相場展開が続くのでしょう。


 事実、昨夜の株式、FX相場では、トランプ氏の対中追加関税(第四弾)発言をきっかけに、大幅な円高+225指数先物下落が起きています。


 日本株は現状では基本的に需給が悪いことが買い方にとっては大問題(売り方にとっては有利な環境)なわけで、一度下がると戻すのに苦労するという状況のようです。


 日本企業がある程度以上のROEを保つ、自社株買いが地道に実施される、個人が「資産形成」目的で、イデコ、NISA などの仕組みを積極的に活用して日本株を買う、といったことが進行して行けば、徐々に需給は好転して、やがて「株価が上がりやすい」市場になって行くと思ってはいます。


米株バブルの可能性

 とりあえず現時点では、米国の株式市場参加者は割と冷静だなという印象を持つのですが、利下げ、資産圧縮の前倒し終了、IT関連株への市場参加者の興味、などを見ますと、米株のバブル化現象がやがて起きるのではないかというきにならなくもありません。


 これからトランプ政権は、あるいは次の大統領選挙で民主党が勝つとして、その民主党政権も、巨額のインフラ投資を目指す可能性があるでしょう。米国の財政事情からすれば、巨額のインフラ投資には制約があるはずですが、MMTなどという重宝な理論もあるわけで、政権がそれに乗るということもあるかもしれません。


 そうなれば、米経済は好調→株価は上昇→バブル相場到来の可能性、という図式になるでしょう。


 米国株式がバブル相場を演じるとすれば、どんなものになりそうか?いくつか思い浮かぶことはあります。


・ここから2年近く、2021年末辺りに向けて市場全体がバブル化する活況相場があり得る。(2021年末にNYダウ38,915ドルで大天井、などとなったら、何やら因縁めいていて面白いですね。)


・ITによる経済の活性化とか、関連企業の収益向上、が囃されてバブル相場到来、というシナリオでしょうね。


・個別銘柄では、PERが数百倍などという天文学的な株価水準のものが続出する。2000年のネットバブル、昨年のプラットフォーマー株バブルのようなものが多数出て来るということです。


・市場全体では、平均PERは25倍を上回る辺りでしょうか。


・個別株で、時価総額が2兆ドルを超えるものが出て来るかも。(マイクロソフト、か、アマゾン、か・・クラウドの勝者として評価されて・・というようなことはありそうですね。)


米株がバブル相場になる時、日本株がどうなりそうか?

 さすがに、日本株がまったく追い付かない、などということはないでしょうね。日経平均も、3万円を超えるくらいの上昇は見せてくれるのではないかと思います。


令和元年8月2日

証券アナリスト

松下律

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@shokenanalyst

依然薄商いながら

 日本株は依然薄商いで、多くの市場参加者が様子見になっていることを示していますが、半導体関連株の上昇に引っ張られて相場全体が少し上向いたようです。


 半導体業界の回復はまだ本格化していないはずですが、株価への織り込みが行き過ぎて売り方の売りポジションが大きくなりすぎていた、ということなのでしょう。


 先週木曜日の急落に対して、翌金曜日にすかさず反発したことも大きかったのでしょう。海外勢の先物買戻しと見られる買いで日経平均指数先物主導で上昇している面もあるようです。


 いずれにしましても、来週31日の米FOMCの利下げ待ち、というのが今の局面なわけでしょうが、政策金利の利下げ幅は0.25%であろう、と思われるものの、日々明らかになる米経済の各種指標は、必ずしも悪いということもなく、ひょっとすると利下げ見送り?といったことも頭をよぎります。(昨夜も米指標発表後に、米金利上昇→円安・ドル高、と為替相場が振れています。)


 中東情勢、合意無きブレグジット懸念、日韓関係、北朝鮮のミサイル発射、など、かなり大きなものを含む懸念材料がある反面、米中貿易交渉の進展期待、といったポジティブ・サプライズになりうる好材料の種もありますし、米金利の引き下げはまず既定路線、というわけで当面は株価上昇の余地が米国のみならず日本株相場でもあると見られているのでしょう。(NYダウで数百ドル、日経平均で数百円の上下動はあるとしましても。)


 と言うより、大きめの波乱があるとすればFOMC後、というのが市場参加者のコンセンサスになりつつある、ということなのかもしれません。


米株バブルの可能性

 今月末のFOMCで利下げが実施されるとしますと、予防的利下げ、とは言うものの、米景気がさほど悪化しているわけでもなく、株価は史上最高値圏、という状況で利下げを行うことになりそうで、利下げ継続となればこれは米株バブルにつながるのでは?と思う人がいても不思議はありません。


 加えて、これからトランプ政権は、あるいは次の大統領選挙で民主党が勝つとして、その民主党政権も、巨額のインフラ投資を目指す可能性があるでしょう。


 米国の財政事情からすれば、巨額のインフラ投資には制約があるはずですが、MMTなどという重宝な理論もあるわけで、政権がそれに乗るということもあるかもしれません。


 そうなれば、ますます、米経済は好調→株価は上昇→バブル相場到来の可能性、という図式になるでしょう。


 米国株式がバブル相場を演じるとすれば、どんなものになりそうか?いくつか思い浮かぶことはあります。


・ここから2年と少し、2021年末辺りに向けて市場全体がバブル化する活況相場があり得る。

(2021年末にNYダウ38,915ドルで大天井、などとなったら、何やら因縁めいていて面白いですね。)


・ITによる経済の活性化とか、関連企業の収益向上、が囃されてバブル相場到来、というシナリオでしょうね。


・個別銘柄では、PERが数百倍などという天文学的な株価水準のものが続出する。


・市場全体では、平均PERは25倍を上回る辺りでしょうか。


・個別株で、時価総額が2兆ドルを超えるものが出て来るかも。(マイクロソフト、か、アマゾン、か・・クラウドの勝者として評価されて・・というようなことはありそうですね。)


 米株がバブル相場になる時、日本株がどうなりそうか?さすがに、日本株がまったく追い付かない、などということはないでしょうね。日経平均も、3万円を超えるくらいの上昇は見せてくれるのではないかと思います。


令和元年7月26日

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松下律

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