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ブログ:Onevoice

松下 律 の投稿

材料待ち?

 米国株式はまさに絶好調で、バブル領域に向けてまっしぐら、日本株はついて行けず、NYダウと日経平均の「サヤ」は5千ポイントをはるかに上回るという状態になって来ています。


 日本株については、値動き縮小、出来高減少で、要するに様子見する市場参加者が増えた、ということでしょう。(今日辺りで明確に日経平均2万4千円クリア、となるのかもしれませんが。)


 多くの材料が、これからどちらに動くか分からない状態にまで織り込みが進んだということでもあるでしょう。


・米中貿易戦争: 第一段階が終了、ということは、これから再激化もあり得るし、順調に鎮静化もあり得るということでしょう。


・中東の地政学リスク: 今分かっていることは、イランは米国と戦争する気はないし、米国も同じ、ということだけです。


・半導体業界: 昨日発表のTSMCの業績好調ということもありますし、半導体業界の回復・成長はほぼ間違いないようですが、半導体関連株はすでに軒並み上昇していますから、いつ反落局面があってもおかしくない。


・金融政策: 米欧の中銀は緩和に動いていますから、株価には追い風、ゴルディロックスの再来、となっているのですが、そういう時に何か悪材料がでて、例えばリスクパリティ運用の売りが出て来たりした、などということもありました。


・米国株: 金余りがもたらすバブル相場に向かいつつある、と思えるのですが、バブル相場で途中に結構な急落を見ること、これも多くの市場参加者が知っていることです。トランプ大統領の弾劾裁判の行方とか?気にしなくていい事柄なのかどうか、よく分からないところです。


 動いたら動こう、という投機的な資金は豊富に存在する、と見るべきです。今は日本株の相場はなぎ状態ですが、どこかで動き出すのだろう、可能性として順調に上昇トレンドを描く、ということもあるでしょうし、どこかで下落=健全な調整、というシナリオを想定しておく方が今後の対応がしやすくなるにちがいない、という方針も実務的でしょう。

 

ベンチマーク

 比較対象の株価指数のことをベンチマークと呼び習わしています。昨年度から有価証券報告書に株主総利回りのデータが記載されるようになりました。その際、比較対象としてどのような指標を用いるか?という場合、経営者はベンチマークを選択するというわけです。


 企業経営者も株主総利回りとベンチマークとの比較をしながら経営をしろ、ということになったということです。


 もともとベンチマークはファンドマネジャーにとっては重要な指標でして、中長期的に自分の運用するファンドの成績がベンチマークを上回る(アウトパフォームする)ことがファンドマネジャーの目標です。(そうでないとファンドの資金を失うか、自分がクビになるか、またはその両方、ということになります。)


 ふつうのファンドの運用で、ベンチマークをアウトパフォームする方法は次の二つです。


1. 組入比率をコントロールする。下落相場の時、組入比率を落としておけば、相対的にベンチマークに勝てます。


2. 銘柄を当てる: 市場平均より大きく上昇する銘柄を組み入れておくことに成功すれば、ベンチマークに勝てます。


 と、これは「投資の世界」の話です。


 株式運用には、これらと違って、投機の世界もあります。(個人による短期中心のトレーディングはその典型です。)


 プロの世界にもそういうのがありまして、CTA、ヘッジファンドなどが典型例でしょう。


 こうした世界では、ベンチマークをアウトパフォーム、といったことより「絶対収益率」が目標となります。


 どんな相場であれ、毎年コンスタントに3割ずつ儲け続けるファンドがあれば、それは十分な商売になりますし、個人の運用でもありがたいことでしょう。


 こうした絶対収益を上げるために必要なことは次の二つです。


1. 相場の方向を当てて、上がる時はロング、下がる時はショートに賭ける。


2. 相場を当てた時に、出来るだけエクスポージャーが大きくなる工夫をする。


 いずれも簡単なことではありませんが、挑戦してみる価値はある、ときっと思われている事柄でしょう。


 例えば、日経平均を例にとって、上昇と下落をそれぞれ、ノーマルなETFとリバース型のETFの「買い」で利益化しよう、としたとします。


 年間で20%上昇する相場だった年、ベンチマークをアウトパフォームしよう、という投資であれば、20%を上回ったらそうできた、ということになります。


 その年、日経平均が年初から15%上昇して、その後5%反落し、その後また15%上昇して、年末にかけて5%下落した、とします。


 年を通してですと、20%の上昇ですが、「変動」に注目しますと、


年間の変動率=15%+5%+15%+5%=40%


ということになります。相場の変動から絶対収益をあげようとするひとたちからしますと、この相場変動からは、40%の利益をあげることができたかもしれない、という計算になります。


 上がると思った相場が下がり、下がると思った相場が上がる、などということはしょっちゅうあることでそこで不用意にポジョションを取ると股裂状態になることもあります。


 常識的には、自分が取れると想定した変動率の合計の半分実現できれば上出来と考えるべきだろうと思います。


 投資の観点から自分の運用を評価するのと、投機の観点から評価するのではものの見方が全く違う(べきである)ということは意識しておく方がいいように思います。


令和2年1月17日

証券アナリスト

松下律

変動大

松下 律

2020/01/10 08:20

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波乱の幕開け

 今年に入って昨日までで立会日は4日ですが、連日大幅な変動となっています。日経平均で見ますと、

1月6日 -452円

1月7日 ∔371円

1月8日 -371円

1月9日 ∔535円


 通しで∔83円、ということで、ほぼ昨年末の水準に戻った、というところです。変動幅は大きかったが、年初来ではそんなに変動していない、ということになりました。


 中東情勢の緊迫化という「地政学リスク」で株、外為相場、原油価格、金価格等々が大荒れになった、のではありますが、結果として軍事的小競り合いでは買い方を完全にリスクオフにするには力不足、ということを示した相場だったように思います。


 米中問題については、とりあえず来週中にも第一段階の合意文書署名という段取りを想定して材料視されず、ということで、中東の地政学リスクが目立った週でした。


 米国株の強調がとりわけ目立つのですが、今週について見れば、ISMの景況指数とADP雇用統計、それから今日の夜の米12月雇用統計がやはり注目材料でしょう。

1月3日 12月ISM製造業景況指数 47.2(予想 49.0)

1月7日 12月ISM非製造業景況指数 55.0(予想 54.5)

1月8日 12月ADP雇用統計 20.2万人増加(予想 16万人増加)


 ISM製造業景況指数は予想を下回る数値で、やはり製造業については米国も鈍化傾向継続(同指数は5か月連続50割れ)か、と思わせるものでしたが、ISM非製造業景況指数とADP雇用統計は予想を上回る数値で、米国景気が個人消費をリード役にして堅調、という姿を想起させるものとなったようです。


 そんなわけで、米国株価は史上最高値圏を維持、それに比べれば日本株はやや力弱い動きで、DJIAと日経平均の「サヤ」は年初から5000円を上回るようになっています。


 日経平均の動きからしますと、一昨日一時的に2万3千円を割れたので、一応「弱気派」のメンツも保たれた、というところかもしれません。これで近々2万4千円を上回る局面があれば、「強気派」の顔も立つのではないかということで、年初の相場は双方痛み分けの結果かもしれません。


 日経平均のレンジとして、2万3千円内外~2万4千円、とすればいいのかもしれない、と思うのですが、日経平均の変動幅1000円程度ではいかにも小さすぎる感じがします。どこかで大きく下落する局面があるのではないか、ということを警戒させる動きのようでもあります。


 当面はポジションを限定して慎重な運用を心がける、トレーディング中心の運用では、といったところでしょうか。


アメリカ株のバブル化

 アメリカ株がそうとうな強さを保っており、向こう1、2年でバブル領域に達するかもしれない、という感覚で見ておくといいのかもしれない、と思ったりします。


 もしそう考えるとしますと、概ね向こう1年~2年のスパンで、DJIAが4万ドル辺りまで上昇する、といったイメージでしょうか。


 株バブルの典型例として、1980年台の日本株のバブル、2000年春にかけてのドットコムバブルのことを思い出しながら、以下の観点でいろいろ考えてみたいと思います。


・バブル相場の象徴銘柄のバリュエーション

・バブル化の原動力としての「イメージ」

・バブル化の原動力=買い手

・バブル崩壊のキッカケ

・日本株への影響

・どう対処すべきだったか、ということ・・


 個人的には、バブルは株式相場の華、乗るに如くはない、しかし崩壊には付き合うな、ということかと思っています。


令和2年1月10日

証券アナリスト

松下律

休日モード

 昨日は少し動いた感もありましたが、この2週間ほどはほぼ休日モードの相場でした。


 市場参加者が休日となると相場が動かなくなるところを見ますと、相場はファンダメンタルズ要因やイベント、材料といったことで動く、というより、ファンダメンタルズ要因やイベント、材料を「見て」市場参加者(それもかなり投機的な参加者)が「動く」ことによって動く、と言うべきなのだな、という気になります。


 もちろん、市場参加者は様々な環境変化やイベントの相場に対する影響を読んで行動するわけですから、需給だけを重視するのは必ずしも的確でないのかもしれませんが、直接的に相場を動かすのは売り買いを実行する市場参加者だ、ということを強く思います。


地球温暖化のようなもの?

 この10年くらいかなと思うのですが、需給要因で相場の変動がより大きくなったように感じます。地球温暖化で台風の規模が大きくなったように感じる、というとの同じような感覚です。


 昨年末にかけての大幅な相場下落⇒今年のGWまでの回復⇒8月にかけての下落⇒12月初にかけての上昇、といった動きを見ますと、とくに今年8月を底としてのその後の上昇が印象的でした。


 いつも言ったり書いたりしているのですが、私は株式市場で買い方と売り方のそれぞれの活動の活発さとその性質を考えると相場の現状理解に役立つと思っています。


 今年の8月の状況を見ますと、当時はまさに「売り方」が大規模なリスク・オン状態だったと思います。そして、その売り方の多くが投機的な資金で仮需といった状態だったように思えます。(つまり、いずれ買い戻さなければならないポジションが多かったようだ、という意味です。)


 一方で相場が値下がりしている時に買い向かったのは、日銀のETF、自社株買い、積立投資の流入、等々、言わば「実需」、まあかなり消極的な実需なのかもしれませんが、とりあえずしばらくしたら転売しなければならない、といった資金ではなかったでしょう。


 そうなりますと、実際に9月以降に起きたように、相場が上昇し始めますと、売り方は買戻しをせざるを得なくなる、相場が上がれば上がるほど買戻しが増える、といったことになったのでしょう。


来年の株式需給を考えてみる

 こんな見方で、来年の日本株の需給を考えてみますと、おそらく今年よりは好転するのではないか、とそんな風に思います。つまり実需の売りが今年は一昨年より小さくなっていたのだが、来年は今年よりさらに小さくなるのではないか、という意味です。


 そうした中で、投機的な売り筋は依然として存在していて、相場の変動は大きいものとなると見るべきですから、大きな変動を見るであろうとは思うものの、下値が割合限定的な動きになるのでは?、定性的には、そんな風に見ておいていいのではないか、と思うのです。


事業内容・成長性の確認

 マザーズに新規上場する会社は上場に際して、有価証券届出書とともに、成長可能性に関する説明資料と題する資料を公にします。各社の分は、「成長可能性に関する説明資料 〇〇会社」で検索しますと、ウェブ上で簡単に見つかります。


 新規上場株については、私は以前から、基本「IPOフリッパー」に徹するべき、と言って来ています。つまり、新規公開株に応募して運よく手に入ったら、上場後の初値で売ることを基本とすべきだ、という意味です。


 ただ、このIPOフリッパーをするには、公募株が手に入らないとダメなので、けっこう難しい、ということで、世間には上場初値を買ってトレーディングする、という人たちが多くいます。


 相場が活況な時、まさに今がそうなわけですが、そういう時には、初値を買っても十分に利が乗る、ということが多いのです。


 こうした銘柄の株価は、例えばPERが数百倍、とか、PBRが数十倍、といった感じで天文学的な高さ、ということが多く、しばしばその手のトレーディングは、「グレート・フール・セオリー」と揶揄されるようなものになってしまいますが、多くの人たちがチャートやテクニカル指標を頼りにトレーディングしているようだ、と思わせるものがあります。


 こうしたトレーディングは、投資価値を根拠に長期投資する投資家には無縁のものですし、積立投資をしている人たちにとっては、そうした銘柄を買うかどうかについて、専門家であるファンドマネジャーに任せているわけですから、これまた無関係ということになります。


 そうではあっても、トレーディングするにせよ長期投資するにせよ、その企業の事業内容や成長性を確認して理解する、という観点からしますと、「成長可能性に関する説明資料」はとても役に立つように思います。


 番組の中でひとつふたつ例を挙げて同資料のことを取り上げてみたいと思っています。


令和元年12月27日

証券アナリスト

松下律

日銀金融政策決定会合

 一言で言うなら、動かなくなった、という株式相場のようですね。


 今週は、相場に影響しそうな大きなイベントが少ないように見えました。米中協議、英総選挙と、すでに大物は先週片付いてしまったわけですが、ひょっとすると今回の日銀金融政策決定会合で何らかの「緩和策」が打ち出されて、それがサプライズとなって相場に影響を与える、といったことがないかな、と期待したのですが、まったくインパクトなし、の結果でした。と言いますか、大方の予想通り、という結果でした。


 唯一話題になったのは、日銀が保有するETFを貸し出す施策が実施の方向、という程度。(すでに市場にとっては既知の材料ですし、相場への影響はほぼ中立でしょう。)


 アベノミクス・アゲインで、政府は財政出動しようとしているわけです。それに呼応して日銀が金融緩和を実施すれば、アベノミクスの「整合性」が注目されるかもしれない、と思ったのですが、日銀は今は何もしないでデフレからの脱出の完遂を目指したい、ということなのでしょうか。


 要するに、クリスマス・年末休暇入り、ということなのでしょう。売り、買い、休む、という相場対処があるとすれば、今は休む時、と思う市場参加者が多くなったからと言って文句を言われる筋合いはない、ということでしょう。


 昨年の今頃の暴落商状を思い起こせば、(買い方からすれば)今年はずいぶん穏やかなクリスマス・年末シーズン、と言えると思います。


 米国では、ついにトランプ大統領が弾劾訴追ということになりました。歴代3人目でいずれも弾劾された大統領はいない、唯一辞めたのは弾劾訴追されそうになって辞任したニクソン元大統領のみ、ということだそうですから、トランプ弾劾、と聞いても株式相場への影響はないに等しい、でしょう。


 日本株について見れば、企業業績が足許確かに悪い、という情勢の中で、PERが上昇する形で株価が上昇して来たわけですから、確かに薄気味悪い状況ではあります。


 どこかで悪材料が顕在化して株価下落、となる恐れもありそうです。ここからさらなる上昇、日経平均で1000円以上の上昇、が年末年始にはあるに違いない、とは思えない、という人の方が多いのでしょう。


会社は誰のものか?

 四半世紀前には、「ROEなど眼中にない」と言い放った経営トップがいました。10年くらい前、でしょうか、しばらくの間「会社は誰のものか?」などという議論が盛んだったように記憶しています。


 「会社は株主のもの」というのが私の立場でして、けっこういろいろ偉そうなことを言ったり、書いたりしたような気がします。身の程もわきまえずにいたわけで、大いに反省しますが、世間では「アンチ株主資本主義」的な主張を、もっと偉そうに言っていた人もいたと思いますので、お互いさまでしょう。


 で、その手の論争の結末は?と言えば、要するにそんなことはどうでもいい、というものだったような気がします。議論に値しないだろう?という感じでしょうか。


 株式会社にはいろいろな利害関係者がいます。法的には、株式会社の株主は、その会社に対して株主としての権利を持っているわけですが、株式会社には株主とは違う利害関係を持った人たち(ステークホルダーと言われるひとたちや組織です)がいるのは当然です。


 そういう利害関係者との関係をうまくマネージしながら、会社の株式の保有者である株主の利益(具体的にはROE=8%以上)を稼ぐのが株式会社の経営者の仕事、という理解に落ち着いているのが今の日本だろうという気がします。


 話が少しそれるのですが、たまたま昨日出席した株主総会でのこと、その会社の経営不振に対してかなり厳しい質問がされていましたし、企業の社会貢献とか、SDGSに関係する質問も出たものの、総会に出席して質問する個人株主のほとんどが、会社が利益をあげることを当然のこととして期待する、というスタンスだったように私には見えました。


 株式への長期投資を成功に導くカギは、企業が株主の期待に応えるだけのROEを上げ続けることである、という基本認識が形や程度はいろいろであるとしても、わが国で定着していることを示しているのだろうという気がしました。


令和元年12月20日

証券アナリスト

松下律

 昨日の日本市場が終了した時点で、市場参加者が意識していた大きな材料は、言うまでもなく、


1.英総選挙

2.米中協議


でした。


 いずれも結果が判明するのは、日本時間の今日未明以降、ということで、昨日の日本株相場・円ドル(ドル・ポンド)相場などは小動きだったのですが、日本時間の今日に日付が変わる頃から大きく円安、株高(指数先物高)となっていました。


 さらに日本時間の午前6時以降には、英総選挙における保守党の歴史的大勝、米中協議の合意のニュースを受けて一段の円安、株高となっていました。


 買い方から見て材料の結果という観点からしますと、いずれも「予想以上の結果だった」ということでしょう。

 

引き分けか

 これで、今日のSQ値がどの程度になるか、より注目されるようになったでしょう。9月以降買い方勝利で来たわけですが、先月11月は「幻のSQ」になっていました。


 今日のSQ値はどうやら、11月の値を超えられそうですが、24000円には届きそうもない、買い方と売り方の勝負、という目で見れば、9月、11月、と、買い方勝利でしたが、12月はどうやら引き分けのようです。日経平均上昇の勢いが穏やかになって来たのは間違いありません。


 12月のSQを通過して、さて年末から来年に向けて相場をどう想定するか、あるいはそうした想定に基づいてどう「賭けるか」と考えて行くことになるわけですが、けっこう難しい局面のように思えます。


 8月中旬~下旬であれば、日本株は売り崩されてしまうかもしれないけれど、そうならそうでいい、日経平均2万円割れに賭ける(弱気派)などできるはずもない、ここは買いに賭けよう、と思えたのでしょうが、そのレベルから日経平均が3000円も上昇して、予想PERも14倍を超えた、となれば、ここから強く買い方にシフト、とは行かないように思えます。


 かと言って、売り方として行動することに賭けようか、ともならないところが難しいところです。要するに、しばらくは様子見に徹することにしよう、となるのは仕方ないところかもしれません。


会社法改正

 12月4日、会社法の一部の改正する法律が成立し、11日に公布されました。平成17年に制定された会社法ですが、その後26年に改正され、その時の付則に従ったのが今回の改正となるとのことです。


 新聞記事などでは当然、社外取締役の義務付け、株主総会資料のウェブ通知を可能とすること、などが話題となっているのですが、個人的には、企業買収において株式交付の制度が定められたことが大きいのではないか、と思っています。


 私は今回の株式交付の制度が以下の二点で日本株にとって好材料になるものと思っています。


1.株式交付制度は、いわば企業が株式を「通貨」のように使って、自らの「成長イメージ」向上のために、ベンチャー企業を子会社化するに当たって株式を活用する道を開くものですから、MA関連銘柄として、市場で人気化する銘柄がいくつも出て来る手助けになるように思います。


2.もう一つは、上場企業が株式交付の形でスタートアップ企業を手に入れて行く、ということは、その裏側では、スタートアップ企業の株式オーナーが現金を手に入れることだ、と言えます。


 若い起業家が利益を手にすることが望ましいことかどうかは分かりませんが、日本での「金回り」が改善して行くことは間違いないと思います。若い人たちにカネが回る、となれば、消費はもちろんのこと、先端分野への投資も規模が拡大すると見込むことができるでしょう。


 そして何よりも日本経済に活気が生まれるだろう、これが一番の期待です。


令和元年12月13日

証券アナリスト

松下律